ものづくりの進化が加速し、オープンイノベーションの重要度が増している。自社と他社の技術を掛け合わせ、大きく飛躍するためだ。エフサステクノロジーズとインテルは40年以上にわたって実践し、コンピューティングの時代を切り拓いてきた。その象徴となるのが、エフサステクノロジーズが提供するx86サーバー「PRIMERGY」だ。両社の協業の特徴について、3人のキーマンが語り合った。

2社の共創で
時代のニーズに応えてきた40年

加藤氏(以下、加藤) インテルとエフサステクノロジーズの協業には、エフサステクノロジーズの前身である富士通時代から通算して、40年以上の歴史があります。メインフレームからオープン化へ、オンプレミスからクラウドへ、そしてAIの活用へ。時代ごとのニーズに応える先進的な製品を開発してきました。この背景には、エフサステクノロジーズの技術力の高さがあります。かけがえのないパートナーとして、信頼しています。

エフサステクノロジーズ株式会社
コアプロダクト事業本部
データセンタ事業部 x86ビジネス開発部 部長
西野 秀治 氏

西野氏(以下、西野) 両社の協業はPCで始まりましたが、1990年代からは法人向けのサーバー事業でも密に連携しています。2社で協力しながら、多くの難題を乗り越えてきました。

例えば、2005年に発売したIA(インテル・アーキテクチャー)サーバーの「PRIMEQUEST」です。オープンサーバーとオープンOSを用いながら、メインフレームに代わって基幹ビジネスを支えられるシステムを開発すべく、内部ハードウェアの二重化同期動作など様々な高度な技術をインテルサーバーで実現しましたが、その過程では常にインテルと密に連携しながら仕上げてまいりました。

2010年代には、消費電力あたりの性能向上を目指したメニーコアの「インテル® Xeon Phi™」、さらにシステム・オン・チップで省スペースを実現したデータセンター向けの「インテル® Xeon® D」など、新技術の開発に積極的に挑みました。前者は、当時国内で最高性能を誇ったスーパーコンピューターに採用し、後者は当社のクラウドサービス基盤に導入しました。近年では、柔軟性と効率性を両立する全く新しいアーキテクチャーを目指し、CDI(Composable Disaggregated Infrastructure)を開発しています。CDIとはPRIMERGY計算ノードに、ハードウェアリソースプールに分離されたGPUやSSDを必要に応じて配備・解放することで、リソースの使用率を最大化し、効率的な運用を可能にするシステムです。来年度にはメモリを共有リソースとして利用することができるようになり、将来的にCPUの共有リソース利用が期待されています。これらの開発は世界的に見ても画期的な取り組みであり、2社の協力がなければ実現は不可能です。

インテル株式会社
ストラテジックアカウント営業本部
第二営業統括部 統括部長
加藤 友浩 氏

加藤 「Xeon」シリーズのような成熟した製品には、しっかりとした設計マニュアル、リファレンスデザイン、サポート体制などを用意しています。それらを使えば、基本的な製品なら容易に設計、開発ができるのです。

しかし、時代を先取りするような高度な製品を開発するには、高い技術力を持つパートナーと未知の領域で共創し、新しい技術を生み出す必要があります。実は、そのようなパートナーは、グローバルに見てもそう多くはないのです。エフサステクノロジーズは、その1社と認識しています。

西野 インテルには、昔からパートナー企業と一緒に成長しようとする姿勢があります。パートナーと密に連携しながら、エコシステムの充実にこだわってきた。その積み重ねが、インテルの大きな強みになっていると思います。

 

インテルとエフサステクノロジーズ、協業の歴史

開発から保守まで一気通貫で手掛け、
高品質と安心を提供

西野 当社がこだわっている技術の1つに、ファームウェアがあります。CPUはインテルから供給してもらいますが、それを動かすためのBIOSやiRMC(マネージメントファームウェア)は自社で開発し、機能と性能を高めています。

例えば、エラー発生時の原因・被疑箇所特定の仕組みなどは、当社メインフレームから受け継がれている高信頼技術が活かされており、BIOSとiRMCの連携により一段深い情報を取得、解析し、トラブル原因のすばやい特定や解決に貢献しています。

さらには、エラーの波及によるデータ化けを防ぐための切り離し機構など、高信頼サーバーとして安心して使っていただける工夫を随所に入れています。例に挙げたような取り組みは、他のサーバーメーカーにはない特徴的な部分だと思います。

加藤 インテルは、CPUと一緒にBIOSやファームウェアも提供しています。それを使えば、製品は容易に作れるわけです。しかし、エフサステクノロジーズはそうした部分を自社で開発、強化して、他社と差別化しています。こだわりのあるものづくりをされていると感じます。

エフサステクノロジーズ株式会社
プロダクトソリューション事業本部 ビジネス推進統括部
PRIMERGY推進部 部長
尾藤 篤 氏

尾藤氏(以下、尾藤) ハードウェア単体だけでなく、OSやハイパーバイザーなどを含むハードウェアソリューションとして提供していることは、当社の大きな特長です。例えば、トラブル発生時にはハードウェアとソフトウェアを合わせて対応できることで、トラブルの原因究明と復旧までのリードタイムを短縮し、問題の長期化を防ぎます。

また、システム運用の面では、仮想化によってどんどん複雑になる環境を、シンプルに一元管理できる当社独自の運用管理ソフトウェア「Infrastructure Manager」があります。仮想ネットワークの状態を物理ネットワークとの関係と併せてわかりやすく可視化する機能や、コンピューターのリソースの枯渇をAIで早期に予測し、増強が必要なタイミングをレポートする機能などを備えています。これにより、お客様の導入コストの最適化や安定稼働の両立を支援しています。

また、法律や制度への対応を含め、部品調達フェーズから設計、開発、製造まで、一貫した品質管理を徹底していますが、特に日本では、耐震性などの面で高い品質が求められるため、一部の製品ではより高い基準で評価を実施しています。このような柔軟な対応も、国内に開発拠点があり、開発、製造、販売から保守サービスまで、一気通貫で担う体制があるからこそ可能です。他にも、お客様や流通パートナーのニーズに合わせ、x86サーバー「PRIMERGY」の筐体や画面表示を柔軟に変更できるサービスも好評です。

 

トラブル原因のすばやい特定や解決に貢献

さらに連携を深め、
未知の技術で未来を拓く

加藤 あまり知られていませんが、インテルとエフサステクノロジーズの技術チームは、毎年、米国で1週間ほどの合宿をしています。両社のエンジニアが膝を突き合せ、将来のテクノロジーや今後の製品計画などについて、忌憚のない意見を交わしているのです。このようなことは、限られたパートナーとしかできません。現在の中心テーマはAIの活用ですが、今後も様々なテーマが出てくるでしょう。

新生エフサステクノロジーズとして、今年4月から新たな一歩を踏み出されました。これを機に、パートナーシップをさらに強化し、今後も未来を切り開くような製品を共創していきたいと思います。

西野 主力となる製品開発の部分ではこれまで通り、密に連携してしっかりと製品をリリースしつつ、新たな技術開発の部分でもインテルと共に挑戦を続けることで、お客様の未来を支える製品/ソリューションを提供していきたいと思います。

尾藤 ビジネスを支えるシステムは、安心して使えることが何より大切です。インテルが生み出す新技術を安心安全に提供できるよう、当社の技術を高めていきます。両社の連携は、さらに強化されていくでしょう。

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