2024年3月、ThinkPadの新モデルとして14製品がリリースされた。創造性を発揮するために機能や使い勝手を高めるとともに、コラボレーションを支える機能を大幅に拡充。ハイブリッドワークの拡大に対応し、快適なオンライン会議をサポートする様々な工夫が盛り込まれている。さらに、メンテナンス性を向上させることでユーザー自身がパーツ交換できる部分を増やした。同じPCを長く使えば環境負荷の軽減にもつながる。
生産性向上、信頼性・堅牢性 継続的なイノベーション
近年、PCはコラボレーションツールとしての役割に期待が高まっている。背景にはハイブリッドワークの普及、オンライン会議の増加がある。さらに、サステナビリティの観点が加わり、導入するPCについても厳しい要件を設定する企業が増えている。
こうした変化を見据え、レノボは製品開発に取り組み、ThinkPadの新モデルを2024年3月に発表した。新たに発売したのはX1シリーズ、Xシリーズ、Tシリーズ、Lシリーズの14製品である。
「1992年の登場以来、『オフィスから、仕事を解放するために』というThinkPadのコンセプトは変わりません。その思いは今回の新モデルにも受け継がれています」と語るのは、レノボ・ジャパンの元嶋氏。ハイブリッドワークの普及で「オフィスからの解放」が着実に進む中、それを後押しするテクノロジーの進化は見逃せない。
ThinkPadのコアバリューは3つあると元嶋氏は言う。
「生産性向上のためのデザイン、信頼性・堅牢性、継続的なイノベーションです。デザインや機能の改善に際しては、ユーザーの生産性向上に寄与するかを基準に判断しています。さらに、常に仕事の相棒として持ち運んでもらうために、ハードとソフト両面で最高レベルの信頼性と堅牢性を追求しています。その上で、お客様の生産性向上に寄与するためのイノベーションの重要性は言うまでもありません」
レノボ・ジャパン
企画本部 製品企画部 マネージャー
元嶋 亮太 氏
ThinkPadの全モデルで統一※した背面排気とアスペクト比16:10
新モデルは主に4つのポイントで大きな前進を遂げている。
第1にPCとしての使い勝手が向上、第2に創造するためのツールとしての磨き上げがある。
「例えば熱排気口の位置の変更が挙げられます。以前は下から吸気し、右側から排気するという設計でしたが、排気の風が手に当たって気になるという声がありました、そこで順次背面排気に変更してきたのですが、今回からすべてのモデルで背面排気に統一※されました」(元嶋氏)
また、アスペクト比(画面の横:縦比)が16:10に統一された。
「画面が縦に広がったことで、より使いやすくなりました。画面そのものの大型化も進んでいます。ハイブリッドワーカー向けのX1シリーズとTシリーズには4辺狭額縁の大画面14インチのモバイルPCを用意しています」と元嶋氏は言い、携帯性に配慮して画面の縁もより狭くなったと説明する。
キーボードにも工夫がある。心地よい打鍵感へのこだわりはThinkPadの特長だが、一部の製品でボリュームキーなど一部のキーに新たに突起を追加し、誰にとっても使いやすいキーボードを目指した。さらにファンクションキーの機能マッピングにも工夫があり、例えば利用シーンに応じてバッテリーを節約するかパフォーマンスを優先するかというモード変更にファンクションキーから直接アクセスできる。
セキュリティを高める新機能もある。USB Type-C充電専用モードだ。昨今、公共の場にUSB Type-Cで充電ができる設備が増えているが、ここに落とし穴が潜んでいることがある。
「USB Type-Cは充電だけでなく、データをやり取りすることもできますので、充電設備から悪意のある通信が行われることで、データを窃取される可能性があります。新モデルはこうしたリスクを排除するため、充電のみ許可しデータの移動はファームウエアレベルでシャットアウトする機能を搭載しています」(元嶋氏)
セキュリティ向上と消費電力低減のための機能としては、X1シリーズが搭載するComputer Vision 2.0がある。顔認証を担うAIがユーザーの動きを読み取り、自動でロックとログイン、消灯などを行う。離席の際はロックがかかり、ユーザーが戻ると再び自動的にPCが復帰し、Windows Hello顔認証を用いてログインするという具合だ。
※ 脱着型マルチモード 2-in-1 である ThinkPad X12Detachable Gen 2を除く
メンテナンス性の向上が持続可能性の向上につながる
第3にコラボレーションツールとしての進化がある。
「音声と映像に関わる機能を強化しました。XシリーズとTシリーズには500万画素のカメラを標準で搭載。オンライン会議で明るく自然な表情を伝えられます」と元嶋氏は言う。X1シリーズでは、より高画質な4K(800万画素)解像度のカメラも選べる。
さらに、集音マイクやスピーカーの性能を強化し、オンラインコミュニケーションでの円滑なやり取りをサポートしている。ノイズキャンセリング機能であるDolby Voiceを標準搭載することで、雑音のある環境でもクリアな音声を通話先に届けることができる。
その上、背景ぼかしやオートフレーミングなどの機能がCPUの負担にならないように、NPUを搭載したインテル®Core™ Ultraプロセッサーを採用。推論処理をNPUに流すことで、消費電力の低減とユーザー体験を両立する。ThinkPadはインテル®vPro®プラットフォームに準拠しているため、管理者による遠隔管理が可能で、高度なセキュリティも実現している。
第4にサステナビリティに関する進化がある。近年、ThinkPadは再生アルミニウムや再生プラスチックなど再生素材の採用を拡大してきた。こうした取り組みは新モデルにも引き継がれているが、別の観点での施策もある。それがメンテナンス性の向上だ。
「私たちはお客様に、ThinkPadを長く使っていただきたいと思っています。結果として環境負荷の軽減につながるからです。そのためには、パーツ交換や修理をしやすいデザインが重要と考えました。例えば、T14とT16では筐体右側面のUSBやLANなどの端子をサブボードに収めています。マザーボードと一体化していると、ポートが故障した場合にもマザーボード全体の交換が必要になるからです。サブボードだけの交換ならコストも抑えられます」と元嶋氏は話す。
バッテリーやメモリーなどの交換についても同じことが言える。最近は「修理する権利」という言葉を目にする機会も増えた。T14/T16の大容量バッテリーモデルではユーザー自身で交換可能なバッテリーを採用するなど、メンテナンスしやすい設計にすることで、ThinkPadはユーザー体験とともに環境価値も高めている。
「ThinkPadのイノベーションはこれからも続きます。これからも、製品を通じてユーザー体験と生産性向上にさらに貢献していきたいと考えています」と元嶋氏。「オフィスから、仕事を解放するために」、ThinkPadの挑戦が終わることはない。
ハイブリッドワークに最適なレノボ「ThinkPad」シリーズ
高度なセキュリティ機能と高い耐久性、快適なオンライン会議を約束する機能を備えたレノボのフラッグシップともいえる「ThinkPad X1」シリーズ。
最新モデルの「ThinkPad X1 Carbon Gen 11」は、14型の大画面でありながら、軽量で薄型のモバイルノートブックPCで、第13世代インテル® Core™ プロセッサーを搭載している。
インテル® vPro® プラットフォーム準拠のため、優れたパフォーマンス性とともに、セキュリティ性能、リモート管理機能が強化されており、ハイブリッドワークに最適だ。このほか、様々な用途に対応する幅広いラインナップが用意されている。


