既に“100年に一度の変革期”は実践段階

“つなぐ”技術で革新を支えるグローバルな組織体制で
先進性と安全性を実現

コネクターの技術革新が必須に

「近未来のクルマには多様で高度なデバイスが数多く搭載されますが、これらがつながり連携することで、先進的機能が実現します。当社は、革新的かつ確かな“つなぐ”技術と製品を提供し、日本の自動車業界の価値あるクルマづくりを支えてきました」と同社代表取締役社長の鶴山修司氏は言う。

現在クルマのコネクターは、デバイスをつなぐために、大きく3つの領域での進化が求められている。

1つは、EV内の電力線の高電圧化への対応。一般に、電力供給時の電圧が高まるほど電力線での電力損失は抑えられる。「国内では現在400Vで供給する例が多いですが、今後800Vに高まることは必至です。既に中国や欧州のメーカーでは800V化が進んでいます。高電圧化によって、コネクターには、さらなる安全性向上が必須になり、同時に大電流による発熱に耐える高い信頼性も求められるでしょう」(鶴山氏)。

2つ目は、自動運転車の実現に欠かせない情報ネットワークの高速・大容量化への対応だ。車載の情報ネットワークでやり取りされるデータ量は急増している。映像データなどを高速伝送できる同軸コネクターや、マルチギガビット対応の車載イーサネット用差動コネクターなど、より高度なコンポーネントのニーズが高まっている。

3つ目は、車載ネットワークに接続されるデバイスの急激な増加への対応である。データを収集するセンサーや、電子制御される電装品が急増し、車両内に多様かつ多くのケーブルが引き回されるようになった。「一昔前は12ピン規模のコネクターが使われていた部分に、144ピンなどの多極化(多ピン化)したものが採用されています。しかし、設置スペースが拡大したわけではなく、より多くのデバイスを、よりシンプルに接続するために、多極化しながら小型化・軽量化できる高密度コネクターが必要とされています」と鶴山氏は話す。

自動車用コネクターの難しい点は、車載システムの進化に即した技術革新を進めながら、車載基準の安全性・信頼性・品質の確保も求められることだ。たとえコネクターが高密度化し、接点が微小化したとしても、温度の変化や振動、水滴の付着による断線、電磁波干渉の発生は許されない。さらに、クルマを組み立てる際に、ケーブルをミスなく高い生産性でつなげる生産容易性の向上も大切だ。

図1
図1
高電圧コネクターシステムを提供
TE Connectivityはハイブリッド・EV向け研究開発をいちはやく進めて、高電圧に対応したコネクター・端子など幅広いラインアップで、ハイブリッド・EVの実用化に必要とされる先進の接続ソリューションを提供する。

技術と安定供給で業界をリード

「グローバル企業であるTE Connectivityは、世界中の最先端なニーズと多様な技術のアイデアに触れる機会に恵まれています。こうしたメリットを最大限活用して、先進性と安全性を両立させた技術・製品の開発と、安定した供給体制を構築しています」(鶴山氏)。同社は、世界中の主要市場に開発拠点を置き、自動車向けだけで約2500人在籍するエンジニアが相互連携。最先端ニーズに応える技術・製品を開発・共有し、各地域固有のローカライズや個々の顧客へのカスタマイズを効果的かつ効率的に進めている。

さらに同社は、「3ジェネレーション開発」、すなわち現行品、現行品を技術革新した次世代品、そして数年後の需要に向けた次々世代品の3世代の製品開発を、同時並行で実施。現行製品をより小型にといった高付加価値化と同時に、800V対応コネクターなどの将来的なニーズに向けた製品開発と技術革新も進めている。

「近年、先進的な電動化・自動化技術が中国市場に先行的に投入される傾向にあります。当社はこの先行市場での基礎研究と利用実績を基に、世界各地の環境や法令、要求に合わせた技術に仕上げた製品を供給しています。加えて、電動化・自動化のさらなる進化を先回りした技術と製品を具現化。将来の業界標準にすべく積極的な顧客提案を行っています」と鶴山氏は話す。

生産体制に注目すると、日本市場向けは掛川工場で国内生産。原材料調達はグローバル規模で行い、スケールメリットによる低コスト化を実現している。また、世界中の生産拠点の生産を共通化しており、非常事態で工場が停止しても、同じレシピ、金型を利用して他拠点で継続生産可能であるレジリエンス経営を実践。CO₂排出量の削減や水資源の有効活用など、サステナブル社会の構築への貢献も積極的だ。

日本法人は、2024年10月にタイコ エレクトロニクス ジャパンからTE Connectivity Japanに社名を変更。グローバル連携の強みをさらに生かして、日本の自動車業界の発展に貢献していく。

鶴山氏は「自動車業界で幾度となく言われてきた“100年に一度の変革期”は、未来の話ではなく、既に始まっています。今や電動化と自動運転のビジョンを具現化し、新たな価値を備えたクルマを広く普及させていくフェーズです。当社が“つなぐ”技術と製品の提供を通じて、日本のお客様と共に来たる新時代をけん引していく姿に、是非ご期待ください」と力強く語った。

図2
図2
より環境にやさしい、持続可能性の高い未来への道を開く
TE Connectivityの製品は EVエネルギー伝達の全範囲を網羅し、設計やエンジニアが求める定格電力の増加や、より厳しい温度および振動要件に応える安全で信頼性・耐久性・効率の高い電気システムのコネクティビティを提供する。