ダイキン工業株式会社
執行役員 滋賀製作所長
空調生産本部 副本部長(商品開発担当)
低温事業本部 商品開発推進担当部長
羽東 公一氏
優れた製品を作れば売れる
――。この神話は、もはや過去のものになりつつある。消費者がモノだけでなく、プラスアルファの体験価値を求めるようになったからだ。こうした変化を受けて、製造業を中心にモノからコト(体験)へのビジネス変革を目指す企業が増えている。
その中で、注目の取り組みを進める企業がある。170カ国以上で事業展開する世界屈指の空調機メーカー、ダイキン工業(以下、ダイキン)だ。2024年に創業100周年の節目を迎えた同社は、次の100年に向けて、意欲的な取り組みを見せる。2021年度からスタートした戦略経営計画「FUSION25」では、重点戦略テーマの1つに「顧客とつながるソリューションの強化」を定義した。
ダイキンのソリューション事業とは、空調機器を提供するだけでなく、製品ライフサイクル全体を通して価値あるサービスを提供し、社会課題の解決に貢献すること。この取り組みは以前から進めている。2019年には、ソリューション事業を支えるIoTシステムの開発組織となる「ITソリューション開発グループ」を空調生産本部内に創設。「ソリューション商材を扱う人材を1カ所に集めて、ノウハウの共有やシナジー効果を高め、モノ売りからコト売りへ発想とプロセスの転換を進めています」とダイキンの羽東 公一氏は話す。羽東氏は同社の変革を指揮するキーパーソンの一人だ。
そうした成果の1つが、クラウド型空調コントロールサービス「DK-CONNECT」である。日本で2021年6月より提供を開始したのを皮切りに、2022年に北米、2023年に欧州とアジア、2024年度中に中国とインドでもサービスを開始する予定だ。
次ページ以降ではDK-CONNECTを中心に、ダイキンが進めるソリューションビジネス戦略とそのポイントについて迫ってみたい。