直面する人手不足や暗黙知継承の課題へ
導入障壁の低いDXツールが解決に貢献
少子高齢化は、社会の多方面で顕在化しつつある。中でも製造業への影響は深刻だ。経済産業省がまとめた「2023年版 ものづくり白書」によると、2002年に1202万人だった製造業の就業者数は徐々に減少し続け、2022年には1044万人にまで減少。その間、65歳以上の高齢就業者数の割合が4.7%から8.6%にまで高まっているという。
慢性的な人手不足への対応と、企業競争力の源泉である「現場力」を支える熟練技能者の暗黙知(経験に基づく知見や技能など)の円滑な継承は、製造業において喫緊の課題である。従来のような必要に応じた人的補充が困難となっていく中、デジタルツールの導入・活用によるDX実践、業務標準化や生産性の向上が必須だ。
こうした時代の要請に応えるDXツールの一つとして、セイコーエプソンが提供するのがスマートグラス「MOVERIO」である。
MOVERIOは、両眼タイプのスマートグラスであり、装着者の目前にフルHD・120型相当(仮想視聴距離5m時)の映像を映し出す。シースルーのため実視野も見える。眉間部にある800万画素のオートフォーカスカメラから装着者の目線の先にある風景を取り込み、マイクとスピーカーを通じた音声コミュニケーションが可能。眼鏡やフードの上から着用でき、ヘルメットにも装着できる。つまり、両手が解放された作業可能な状態で、装着者の目線を遠隔地の技能者と共有しながら、円滑かつ安全な遠隔コミュニケーションを実現する。
専用アプリも不要で、Windows PCをホストに、あくまでもカメラ付きの外部ディスプレイとしての活用ができる点も、製造業の現場への導入を容易化する上で重要な特徴だろう。コロナ禍を経て、オンラインミーティングツールの利用は日常になったが、MOVERIOならば、利用シーンに応じて使い慣れたコミュニケーション環境を現場に持ち出すことが可能だ。