DXは、ビジネストランスフォーメーションを目指すため対象範囲は多岐にわたる。DXを支えるサーバー向けCPUは、幅広いワークロードへの対応が求められる。最新世代インテル® Xeon® 6 プロセッサーは、性能重視のPコア製品と電力効率重視のEコア製品の2タイプをリリース。CPUの技術革新のみならず、適用シーンに加え、性能や電力効率向上、コスト削減など具体的な数字を示しながら、DX時代のインフラ改革に向けたポイントを紹介した。

Pコア製品とEコア製品で幅広いワークロードに対応

インテル株式会社
IA技術本部 部長
渡邉 恭助 氏

これまでインテルのサーバー向けCPUは、性能重視のPコア製品を出してきた。インテル® Xeon® 6 プロセッサーは、Pコア製品に加え、電力効率重視のEコア製品を新たに追加。2つのコア製品を市場投入する背景について、インテル IA技術本部 部長 渡邉恭助氏は次のように説明した。

インテル株式会社
IA技術本部 部長
渡邉 恭助 氏

「データセンターに求められる要件は常に進化しています。AI活用シーンの拡大に伴い、性能の最大化に対するニーズが高まっています。一方で、デジタルサービスなど電力性能の向上に対する需要も拡大しています。さらに、サステナビリティやソフトウェアの互換性、セキュリティなどにも配慮が必要です。様々なケースに対し、DX時代のインフラ構築を下支えするサーバー向けCPUは応えていくことが必要です。インテル® Xeon® 6 プロセッサーは、幅広いワークロードに対応することを目指しています」

PコアとEコアは、具体的にどういうワークロードに適しているのか。渡邉氏が具体的に説明した。「生成AIや機械学習、推論といったAI関連のワークロードや、モデリング、シミュレーションなどを行うHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)用途には、Pコア製品が適しています。高いシングルスレッド性能を備えており、負荷の高い計算処理能力に優れているからです。一方、Eコア製品は、クラウドネイティブ、コンシューマー向けデジタルサービス、マイクロサービスなどの用途に適しています。単体のコア性能を求めるのではなく、ある程度の性能のコアを、限られた消費電力の中で、できるだけ多く搭載し仮想マシンを使って並列処理を行うケースで真価を発揮します」

PコアとEコアは、それぞれの特性により適している用途が異なる

インテル® Xeon® 6 プロセッサーは、最大350W(CPU当たり)対応の6700シリーズと、最大500W(CPU当たり)対応の6900シリーズの2種類のプラットフォームがある。それぞれのプラットフォームでPコア製品とEコア製品が導入されるため、4種類の製品が市場に投入される。「6700シリーズと6900シリーズは、基本的な機能は同じです。最大消費電力の差以外では、コア数、メモリーチャンネル数などに少し違いがある程度と思っていただければ間違いはありません」(渡邉氏)

Pコア製品とEコア製品は共通プラットフォーム基盤と共有ソフトウェアスタック上で搭載が可能だ。ボードやバイオスなども同じものが使えるため、使い分けも柔軟に行える。

コンピューティング性能、電力効率を大幅に向上

インテル® Xeon® 6 プロセッサーは、コンピューティング性能を次のレベルに引き上げた。6900シリーズを例に、渡邉氏が解説した。「6900Pシリーズと前世代の第5世代インテル® Xeon®スケーラブル・プロセッサーを比較した結果、汎用コンピューティング、データベース、AI推論で最大2倍、HPCで最大2.3倍の大幅な性能向上を実現しました。理由は、アーキテクチャーの改善、コア数が倍、メモリーチャンネル数が1.5倍、さらに市場初対応の新メモリー規格MRDIMM(Multiplexed Rank DIMM)をサポートするなど大幅な機能強化が図られたからです」

インテル® Xeon® 6 プロセッサー Eコア製品による電力効率向上では特長があると渡邉氏は話し、こう付け加えた。「一般的な40%~60%の利用率で削減効果が大きくなります。前世代と最新世代で280W(2ソケット構成)も低減できました。実は、ほぼ1CPU減らしたのに近い数字です。最新世代は、シリコン基盤表面に形成された回路であるダイとして、ComputeダイとI/Oダイに分けたことで、使っていないダイの電力を極力抑えるといった柔軟な使い方ができます」

CPUの技術革新は急速に進んでいる。6900Pシリーズと5年前の第2世代インテル® Xeon®スケーラブル・プロセッサーと比較した結果について渡邉氏は言及した。「データベースで最大6倍、HPCで最大8倍、AI関連の演算では最大14倍の性能差が生まれています。AI演算処理に関しては、第2世代では推論と機械学習のパフォーマンスを向上させる内蔵アクセラレーターのインテル®AMXがなく、第4世代からサポートを開始しました」

サステナブルな社会を実現するために、電力効率重視のEコア製品の果たす役割は大きい。電力効率を高めることで、パフォーマンス向上と消費電力抑制の両方を実現できる。6700Eシリーズを例に、電力効率の性能向上について渡邉氏は説明した。「6700Eシリーズと第5世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを比較した結果、最大で1.66倍の電力性能向上を実現しています」

6700Eシリーズと第2世代インテル® Xeon®スケーラブル・プロセッサーとの比較では、最大3.46倍の電力性能向上を実現。「この結果を、現在のデータセンターに当てはめてみると、第2世代を6700Eシリーズに置き換えることで1/3のラック数で同じ性能を実現できます。また、電力とCO2排出量の大幅な削減が可能です。中期的な視点に立つと、コストや脱炭素化の観点から、置き換えたメリットが大きい可能性は十分にあると思います」と渡邉氏は提言した。

第2世代インテル®Xeon® スケーラブル・プロセッサーを6700Eシリーズに置き換えることで1/3のラック数で同じ性能を実現できる

インテルのサーバーCPUは、企業の成長や社会の発展とともに歩んでいる。今後も進化を続け、現在と明日の需要に応えていくだろう。

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