産業用ロボティクスの未来を創るリアルタイムOS ロボット開発はミッションクリティカルの領域に フィジカルAI時代に立ちはだかる脅威とは

ロボット開発はミッションクリティカルの領域に
フィジカルAI時代に立ちはだかる脅威とは
フィジカルAIの台頭をはじめ、進化と成長を続けるロボット市場。工場・倉庫・空港・物流施設などで活用されるAMR(自律走行搬送ロボット)や、空港での手荷物ハンドリングを想定したヒューマノイドロボットなど、産業用途における自律化・知能化が加速している。そこで不可欠なパフォーマンス、そしてセーフティやセキュリティを高次元で実現するのが、カナダBlackBerry社の事業部門であるQNXが提供するリアルタイムOS「QNX OS」だ。各種機能安全規格に加え、EUのサイバーレジリエンス法(CRA)などの規制にも応答し、概念実証(PoC)から量産へのスムーズな移行が図れるのも特長だ。

ロボット市場の成長と多様化が著しい。サービスロボットに加えて、工場、倉庫、空港・物流施設、インフラ施設などで活用される産業用途のロボットが急速に高度化している。AMRによる構内搬送、AGV(無人搬送車)と協働ロボットを組み合わせた生産ラインの自動化、さらには空港での手荷物ハンドリングを想定したヒューマノイドロボットなど、ロボットが担う役割は単なる作業支援から、現場オペレーション全体を支えるミッションクリティカルな領域へと広がっている。また、AIが現実世界を認識しながら自律的に行動する「フィジカルAI」は、2040年までに20兆円規模の市場獲得を目指すと日本政府が掲げるなど、次世代ロボットの開発競争は激しさを増している。

 このロボットの多様化によって重要性を増しているのが、セーフティとセキュリティである。

アガルワル・サッチン氏
QNX Japan
カントリーセールスディレクター
アガルワル・サッチン

 「工場や倉庫で稼働するAMR、AGV、協働ロボットに加え、空港など公共性の高い現場で人と近い距離で作業するヒューマノイドロボットの活用も進んでいます。ロボットが安全柵の外に出て、人と近い距離で作業する場面が増えるほど、誤動作やハッキングが重大なインシデントにつながるリスクも高まります」。こう述べるのはQNX Japanでカントリーセールスディレクターを務めるアガルワル・サッチン氏だ。

 QNXが世界中のロボット開発者を対象に行った調査※1でも、ロボットに搭載するOSの選定基準として重要視されるのは、安全認証(日本45%、グローバル30%)とセキュリティ(日本52%、グローバル47%)であると示された。また「今後の予算の投資配分として何を重視すべきか」に対する回答も、サイバーセキュリティ対策がトップだった(日本65%、グローバル51%)。

 アガルワル氏は「ロボットの基本要件となるパフォーマンス(リアルタイム性や信頼性)はもちろんのこと、セーフティとセキュリティが求められるという意味で、ロボットはミッションクリティカルなシステムの一種と言えます」と述べる。

 そのようなロボットの厳しい要件を満たすのが「QNX OS」である。エラーやダウンタイムが人命や莫大なコストのリスクに結びつくようなタスクを司る「ミッションクリティカルなシステム」向けのリアルタイムOSとして既に45年以上の歴史があり、自動車、産業機器、医療機器、鉄道、航空宇宙などを中心に数億台のインストールベースを持つ。

 「QNX OSはさまざまな安全認証やセキュリティ認証を取得済みのリアルタイムOSです。AMR、AGV、協働ロボット、産業用ロボット、工場はもちろん、空港や物流施設で活用されるヒューマノイドロボットなど、ミッションクリティカルなロボットに求められる安全性・信頼性を支える基盤として最適です」とアガルワル氏は説明する。

*1:「Inside the Robot:ロボットアーキテクチャの実態調査」(2026年)ロボット開発者1000名を対象に実施
https://qnx.software/ja/reports/inside-the-robot
デジタルツインシステムデモ 1
デジタルツインシステムデモ 2
図1. QNX OSで構築した協働ロボットを念頭にしたデジタルツインシステムデモ。ロボットアームはLiDARで人の接近を感知して人とロボットアームの距離を遅滞なく自動で一定に保つことができる。画面に示されるバーチャルな生産ライン上に、ロボットの動きがデジタルツインとしてコピーされているほか、ロボットに装着したカメラ映像が映し出されている。
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