Oracle AI Database@Azureが企業の力を解き放つ オラクルとマイクロソフトの融合がAI活用を新たなステージへ押し上げる

AIで成長を目指す企業にとって、社内データとAIの連携は大きな課題だ。最新のAIとデータベースを一体化できる「Oracle AI Database@Azure」は、企業内に蓄積されたデータをAIで有効活用できる基盤として評価され、採用する企業が急増している。オラクル、マイクロソフトの責任者がAIの新時代を語り合った。

企業のAI活用に立ちはだかる
「データの壁」とは何か

企業におけるAIの用途が、翻訳や文章要約から意思決定の高度化や業務の自動化へと広がるにつれ、自社の重要データをいかにAIに連携させるかが問われている。オラクルの竹爪慎治氏は「一般的な大規模言語モデル(LLM)だけでは企業の要請に応えられず、企業独自のデータを適切に活用する必要性が広く認知され始めています」と指摘する。

企業はAIの高度利用の検証を進めているが、PoC(概念実証)とは異なる実業務へのAI適用では、桁違いのデータ量に対応しなければならない。データのリアルタイム性や安全性の確保も不可欠である。

AIによる差異化の源泉は、各社が蓄積してきた独自のデータにある。しかし、基幹系のデータはオンプレミス環境に留まっているケースも多い。「意思決定の高度化や自動化を目指すなら、最新のデータをAIに連携させる必要があります。クラウドで提供されるAIの近くに、データが集まっている状態を作ることが求められています」と竹爪氏は言う。

竹爪 氏
日本オラクル
専務執行役員
クラウド事業統括
竹爪 慎治
京都大学大学院 工学研究科修士課程修了。国内大手SIerを経て、2000年日本オラクル入社。コンサルティング、新規事業開発などを経て、2016年執行役員 クラウドプラットフォーム戦略統括に就任。2023年8月より現職。

マイクロソフトの岡嵜禎氏も、AI活用が新たなフェーズに突入している現状を次のように語る。「『Copilot』のように個人の生産性を向上させる段階は定着しつつあり、現在は企業自体がAIを活用してビジネスモデルを変革する段階へとシフトしています。しかし、どんなに優秀な新入社員でも自社の業務や用語を理解しなければ活躍できないのと同じで、AIモデルがどれだけ進化しても、企業の独自の活動データを正しく理解し、組み合わせることができなければ、成果を挙げることはできません」(岡嵜氏)

AIの回答がビジネスで通用するレベルかどうかは、「答えの質」に依存する。その質を担保するのは、企業内のデータをAIがどれだけ深く使えるかにかかっている。両社は数十年にわたりエンタープライズ領域のデータを扱ってきており、だからこそAI時代におけるデータの重要性を説くのである。

日本マイクロソフト
執行役員 常務
クラウド&AIソリューション事業本部長
岡嵜 禎
国内大手SI会社、日本オラクル、アマゾンウェブサービスなどで技術部門を統括。2022年日本マイクロソフト入社。執行役員 常務 クラウド&ソリューション事業本部長に就任。2023年7月より現職。技術だけでなく経営的な視点からも企業変革を支援。
岡嵜 氏

「Oracle AI Database@Azure」は
新しいAI体験を実現する

こうした課題への最適解が、両社のクラウドサービスを融合させた「Oracle AI Database@Azure」である。オラクルのデータベースをAzureデータセンター内に物理的に構築し、企業にとって重要なデータと、Azure AIの高度なアプリケーションを一体で利用できるサービスだ。

「オラクルはエンタープライズ領域で40年以上データベースを提供しています。その信頼性、セキュリティの高さをベースに、生成AIに求められるベクトル検索や意味検索といった最新のデータベース機能にも対応しています」(竹爪氏)

「Oracle AI Database@Azure」を使えば、Azure内のOracle AI Databaseに格納されたデータをそのまま、豊富なAIモデルに対応する「Azure AI」で処理が可能だ。加えて、ExcelやTeamsなど、日常業務の定番アプリケーションである「Microsoft 365」が蓄積した非構造化データと、Oracle AI Databaseにある構造化データをセキュアに組み合わせて扱える価値は計り知れない。

「Azure AIから見てデータソースがすぐ近くにあることで、極めて低い遅延での処理が可能となり、AIのレスポンスが劇的に向上します。触った瞬間にパッと答えが返ってくる快適さは、まさに新しいAI体験と言えます」(岡嵜氏)

さらに、Oracle AI Database@Azureは国内で東京、大阪の両リージョンに展開されている。「ミッションクリティカルなクラウドのAIシステムを、東西リージョン構成で組める点は、Oracle AI Database@Azureの大きな強みです」(岡嵜氏)

AzureのID管理やセキュリティと連携したデータガバナンスも実現する。「Oracle AI Databaseでは、システムを操作する人の役職に応じて、AIに提供するデータの段階から出し分けが可能です。また、AIがどのデータにアクセスしたかという証跡管理も可能で、企業が求めるデータ基盤としての要件を満たしています」(竹爪氏)

透明性の確保により、データ活用プロセスのブラックボックス化を防ぎ、日本政府が求めるセキュリティ基準である「ISMAP」にも登録するなど、厳しいコンプライアンスが求められる企業でも安心して利用できる環境が整っている。

Oracle AI Database@Azure テクニカル・アーキテクチャ
低レイテンシで実現するミッションクリティカルなデータ活用

Oracle AI Database@Azure テクニカル・アーキテクチャ 低レイテンシで実現するミッションクリティカルなデータ活用
Azureのビジネスアプリで発生する非構造化データ、基幹システムの構造化データはOracle AI Database@Azureに統合され、生成AIで推論を実行できる