材料・装置の擦り合わせ開発で
困難な技術課題を解決
SMICは、「第18回 国際カーエレクトロニクス技術展」に出展。「接合から放熱まで。世界を動かす技術力。」をテーマに、xEV/SDV時代の要求に応える多様な接合ソリューションを提案した。
高温域向けや中低温域向けのペーストやプリフォームなど様々な形状の材料、さらには230℃で溶融し、接合後は700℃まで耐熱性を持つSMIC独自の新接合材料「NFTLP」などを紹介した(図1)。そして今回、車載E/Eシステムの信頼性と生産性を底上げする新装置、ギ酸雰囲気真空リフロー炉「SFR-230」を初めて披露した(図2)。


図1. xEV/SDV時代の要求に応える多様な接合ソリューション
図2. 車載E/Eシステムの信頼性・生産性向上に貢献するギ酸雰囲気真空リフロー炉「SFR-230」
同社で接合技術の開発に取り組む立花芳恵氏は、メリットについて以下のように語る。「ギ酸雰囲気中でのリフローでは、フラックスが不要となり、残渣による銅板腐食が解消されます。洗浄工程が完全に不要となるため、設備投資や運用コストを低減可能です。真空引きを併用すれば、ソルダペースト使用工程よりもボイドが少なく高品質な接合が可能になります。洗浄による廃液が発生しないため環境にもやさしいです。これまでにもギ酸雰囲気中でのはんだ付け装置は存在しましたが、SFR-230では、初めてインライン化を実現し、低エネルギーでの連続生産を可能にしました」。
SMICの強みの源泉は材料開発にある。世界で初めて鉛フリーはんだへの転換を実現するなど、錫をベースとした合金開発で豊富な知見とスキルを積み上げてきた。
立花氏は、「どんなに優れた新材料を開発できても、その潜在能力を引き出すのは装置です。当社は、開発の初期段階から材料と装置を擦り合わせて開発するため、接合技術をソリューションとして提供できます。お客様にも、はんだについてのあらゆる困りごとや要望をいち早くご相談いただいています」と語る。
さらに、装置納入後も顧客からの改善要望を取り込み、技術を継続的に磨き上げる体制を整えている。SMICグループの産業分析センター(IAS)は、品質保証および顧客課題の解決を担う分析専門組織で、第三者の立場から現象を分析・解明できる点が強みだ。これにより、接合技術の妥当性を客観的に検証し、車載分野で求められる高い品質と信頼性を担保している。
自動車産業は、世界中の分散した市場を相手にするグローバル産業である。顧客企業の生産拠点は世界各地に点在している。SMICの主力製品であるソルダペーストは、輸送中に特性が変化する“生モノ”であり、重量物でもある。現地生産・現地供給が不可欠だ。
そうした中で、SMICは、欧州、アジア、米国をはじめとする世界各国に拠点を展開。各地域には、営業拠点に加え、製造拠点や研究開発拠点を配置し、地域ごとの要求に即した技術開発と安定供給を可能にしている。BCP(事業継続計画)の強化として、各製造拠点にはマザー工場である栃木工場で磨いた自動化技術を適用し、品質の安定化と人的要因による不良の削減を図っている。
価値あるxEV/SDVには、接合技術のたゆまぬ進化が不可欠だ。その実現には、この領域で深く広い知見を持ち、材料・装置の両面での継続的改善を可能にするパートナーの存在が必須になる。SMICは、まさにこの時代に求められるパートナー像そのものと言えるだろう。