機密性の高い情報をローカル環境で運用。次世代のAI活用を提案するサードウェーブ

「使う人のこと」を考えた
製品作りやサービス提供を実践

──サードウェーブと言えば、「ドスパラ」を全国に展開し、ゲーミング用をはじめとする最新高性能CPU・GPUを搭載したハイスペックPCを提供する国産PCメーカーとして知られています。個人がゲームや趣味を楽しむためだけでなく、法人向けのPCについても納入実績が豊富だと伺いました。

サードウェーブ・鈴木由希子氏(以下、鈴木) ノートPCからワークステーションまで、法人業務に対応した多様なマシンを提供しています。一般的な業務に使われるものから、製造・建設分野のプロフェッショナルが使用する3D CAD、解析シミュレーションなどのソフトウエアが快適に使えるハイスペックPCまで、あらゆるニーズにお応えできるのが強みであると自負しています。

──「人々の創造活動の可能性を最大限にする」というのが、サードウェーブのミッションだそうですね。

鈴木 「創造活動」という言葉は、特定のクリエイターの仕事だけを指すものではありません。あらゆる業種、職種の方々が日々向き合っている仕事も、すべて新しい価値を創り上げているわけですよね。その活動を制限することなく、パフォーマンスを最大限に発揮していただけるようなハードウエアやソリューションを提供したいというのが、このミッションに込められた私たちの思いです。

清水 サードウェーブが「使う人のこと」を考えた製品作りやサービス提供を行っていることは、ユーザーの一人として強く実感しています。

──ミッションを果たすために、サードウェーブではどんな製品作りやサービス提供を行っているのでしょうか。

鈴木 まず、私たちの強みは、高性能CPU・GPUにおける高い調達力です。当社はPCメーカーとして40年以上の歴史を持ち、その中でNVIDIAとは長年にわたり取引・協業関係を築いてきました。その一環として、現在は NVIDIAパートナーネットワーク(NVIDIA Partner Network)にも参画しています。高性能CPU・GPUにおける高い調達力の強みを活かして、お客様から注文をいただければ、最短3日でご要望通りのスペックのPCを出荷できます。カスタマイズに関しては、数千通りのバリエーションに対応可能です。

 また、24時間365日の電話サポートや、ピックアップ修理、オンサイト修理など、充実したサポートメニューも用意しています。

鈴木 氏
株式会社サードウェーブ
法人事業統括本部
法人マーケティング本部
営業企画部 部長
鈴木 由希子

清水 サードウェーブの圧倒的な調達力の強さは、私も実感しています。常に最新のCPUやGPUがしっかり確保されているからこそ、どんなPCでも短期間で出荷できるのでしょうね。

──サードウェーブのPCは、排熱性能や静音性の高さにも定評があります。

鈴木 独自開発のPCケースによって、2つの性能を両立させています。高い静音性は長時間PCに向き合うゲーミングのニーズに対応したものですが、ビジネスの利用シーンでも、ファンの音は集中力を削ぎ、ストレスをためる原因にもなりやすい。お客様のビジネスの「創造活動を最大限にする」ためにも、静音性にはとことんこだわっています。

清水 以前、部下がサードウェーブの工場を見学させてもらったことがあるのですが、排熱性能と静音性を高めるためにサーモグラフィを使って試験を繰り返し、最適なエアフローを設計するなど、科学的エビデンスに基づいた製品作りを行っていることに感銘を受けていたのを覚えています。

 私は動画でしか見ていませんが、熱を効率よく外に送り出すためには、PC本体の構造設計にも工夫が必要ですが、その点でも、長年PC作りに携わり、PCを知り尽くしたエンジニアの方の知識と経験が活かされていると感じました。まさに、プロの職人集団です。

ハードウエアだけでなく、
AIソリューションも提供

清水 AI活用の基盤をクラウドからオンプレミスにシフトするにあたり、大きな問題となるのが温度管理です。高性能GPUは非常に高熱を発します。その点、排熱性能が優れているサードウェーブのPCは、「ローカルAI」シフトに適したハードウエアだと言えそうです。

──排熱性能や静音性の高さが評価され、導入に至った事例はありますか。

鈴木 チームラボ様が、京都市で2025年10月にオープンしたアートミュージアム「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」に導入いただいています。複雑なアートを表現するアプリケーションを動かすため、通常よりもスペックと排熱性が高いマシンが要求されましたが、おかけでより多くの実験と検証を短期間で繰り返すことが可能となり、開発効率が改善したと伺っています。

 また、常時サポートできることも、アート表現を止めることができないミュージアムにとっては欠かせない要素だったそうで、高くご評価いただいています。

──サードウェーブでは、企業の「ローカルAI」シフトを支援するため、ハードウエアだけでなく、AIソリューションも提供されているそうですね。

潮田 2023年にAIを使ったアプリケーションの開発をスタートしました。現在、「ローカルLLM」をはじめとする各種AIソリューションをハードウエアとともに提供しています。

 我々サードウェーブの強みは、アプリケーションだけでなく、AIの能力を最大限に引き出す計算資源(GPU)もセットで提供できることです。まず、お客様がAIをどう活用したいのかをヒアリングし、それに合ったソリューションを一緒に創り上げると同時に、どれだけのGPUが必要とされるのかを検討して、ハードウエアスペックを固めます。これらの手順を踏むことで、最適かつ快適な「ローカルAI」環境が実現できるようになるのです。

株式会社サードウェーブ・フィナンシャル
システム本部
営業推進部 部長
潮田 一志
潮田 氏

──どのような企業からの引き合いが増えているのでしょうか。

潮田 やはり、機密性の高い情報を持っておられる官公庁や金融機関、医療機関、製造業などのお客様からの問い合わせが多いですね。AIを活用したいけれど、情報をクラウドに上げるのは不安。とはいえ、AIを使わないことには、業務の効率化や自動化が進まないと悩んでおられる企業からご相談をいただくケースが増えています。

清水 AIのローカル化は、今後いや応なく進んでいくはずです。機密情報を外部に出したくないというのも大きな理由ですが、最近ではAIエージェントやエージェンティックAIをローカル環境で動かしたいというニーズも高まっています。とはいえ、企業のIT投資予算には限度があるため、やりたいことに合わせてハードウエアのスペックを調整できるというのは非常にありがたい。ハードとソリューションを同時に提案できるサードウェーブの価値は、かなり大きいのではないかと思います。

──今後、サードウェーブのAIソリューションはどのように進化していくのでしょうか。また、企業の「ローカルAI」シフトを支援するサードウェーブの取り組みについて、清水さんはどう見られていますか。

潮田 2025年10月に、提携しているインドのアンナ大学をはじめとした大卒生、院卒生など70人を迎え入れました。今後もAI人材の採用を強化しつつ、ソリューションの進化と充実を図っていきます。

清水 先ほども言ったように、サードウェーブの「お客様を応援したい」という真摯な姿勢は本物です。「ローカルAI」を活用・構築していく上で、圧倒的に信頼できるパートナーと言えるのではないでしょうか。

鈴木 ありがとうございます。サードウェーブはこれからも、AI活用に最適な環境づくりをハードウエアとソリューションの両面で徹底追求していきます。ぜひ、ご期待ください。

清水氏/鈴木氏/潮田氏