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N e w F u t u r e

Vol.16 ウェルビーイングの実現が、
企業の成長に直結する

ウェルビーイングは
複利で積み上げていくべきもの

 ウェルビーイングを実現するためには、企業の取り組みは多岐にわたりそうです。どう考えて始めるべきでしょうか。

海津アクセンチュアでは「Net Better Off(正味幸福度の向上)」というフレームワークを用いて、社内のウェルビーイングを統合的に推進しています(図1)。これは、従業員が企業に求める要素を「金銭」「雇用」「感情と精神」「人間関係」「身体」「目的意識」の6項目に分類したものです。

 このフレームワークは、世界10カ国・15の業界において3200人の幹部層、1万5600人以上の従業員を対象にした働く環境についての調査に基づき導かれました。6項目から改善を図ることで、潜在的部分を含めた社員のパフォーマンス発揮の最大化を促せることが確認されています。6項目それぞれについて設定されている質問に答えることで、自社のスコアを出すことができます。

 ウェルビーイングに関する取り組みは漠然としたイメージを持っている企業が多いと思いますが、数値として科学的に捉えることも必要だと思います。

図1 図1

図1:「Net Better Off」フレームワーク

古嶋大事なのは、これらのスコアの絶対値を他社と比較しても意味がないということです。企業は自社の数値を定点観測して、何をしたらどう変わったのかを知ることが重要です。

 最後に、ウェルビーイングに取り組む企業にメッセージをお願いします。

海津ウェルビーイングは、企業が今いる個々の社員に施策を提供して、そこで終わりではありません。伝播し、広がっていくものだと思います。1人の魅力的な社員が生まれれば、その家族も幸せになり、未来の社員や未来の優良顧客になるかもしれません。短期的には小さな前進でも、長い期間に複利のように積み上がっていくものです。企業は積極的に取り組む価値があると思っています。

小林複利の考え方、すごく共感します。経営者もマネジャーもメンバーも、1回しかない人生を生きる人間です。まずは一人ひとりが自分にとってのウェル、自分らしい人生とは何だろうと改めて考えることが、第一歩だと思います。

 そして企業のトップリーダーは、自社のウェルはこれですということを従業員に発信していくことが重要です。当社の社長である三木谷は、全社会議の朝会で、自分が考えるウェルビーイングについて時間をかけて語りかけました。

 三木谷は自身が仲間と共に目的に向かって突き進んできた、ウェルビーイングを体現する人間であるからこそ、説得力があるのです。「この指止まれ」という感じで、トップが自ら目指しているもの、大事にしていることを語り、そこに仲間を集める。当社ではある意味、CEOこそがCWOであり、ウェルビーイングを体現する象徴的な存在でもあります。

 その上で企業としては、ウェルビーイングの取り組みを定点で観測し、可視化する仕組みを作ることが重要だと思います。

古嶋楽天さんの取り組みをうかがって分かったのは、ウェルビーイングは、企業にとってコストではないということです。また、網羅的に施策を広げる必要はなく、自社の企業文化に合わせて考えればいいということも言えます。

 一方の従業員も、企業がすべて用意してくれなければ、自分は変われないと思い込まないほうがいいでしょう。自分の仕事と人生をより良くするために、自ら積極的に働きかけることも、重要だと思います。

小林氏、海津氏、古嶋氏
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