New Future 日経ビジネス 電子版SPECIAL

N e w F u t u r e

Vol.8 日本の製造業が
これから訪れるチャンスを
つかむためにすべきこと

製造業が次のステージで
勝つために必要な戦略とは

河野大企業が、既存のビジネスモデルを破壊していくには相当なエネルギーが必要です。島田さんのような強いDXリーダーがいない企業では、どうすればいいのでしょうか。

島田たいしたことはしていませんよ。私が心掛けているのは、いわゆる「チャラ男」になること。これは、著名な大学教授の方が提唱されている方法ですが、いつもの仕事の範囲を飛び出して、一番詳しいと思う人に話を聞きに行くことです。それが、ネットワークのハブを広げ、スケールフリー化する第一歩になります。

 ただし、教えてもらうだけではだめです。自分も情報を出さなければいけません。ifLinkのコミュニティ(一般社団法人ifLinkオープンコミュニティ)でも、参加者には「何をギブできますか?」ということを求めています。

島田氏と加藤氏

河野考え方と同時に、仕組みとしてデータを提供し、受け取る仕組みを整えることもDXの1つのポイントです。ただし、手段が目的化することは避けなければいけません。アクセンチュアでは、顧客企業のデジタル化の目的がはっきりするまで、とことん議論をさせてもらっています。

 また直近では、アクセンチュアはディアイスクエアから製造業向けコンサルティング部門の事業譲渡を受けました。製造業のDXに関して、考え方だけでなく、実装のところまで一貫して伴走できる体制を整えるためです。グローバルでも体制強化を積極的に加速しています。

島田製造業のデジタル化は、通常のシステムインテグレーションとは違って専門性が高いディープな世界ですから、そうした取り組みは必要でしょう。

河野これからの製造業には、いろいろな道があると思います。例えばものづくりに関して、世界一の品質とコストの企業を目指すということもあり得ます。ですが、その道を選べる企業はごく一部です。多くの製造業は、これまで関わってこなかった領域に足を踏み入れ、生まれ変わらなければいけません。製造業の成長のためには4つのチャレンジがあると考えています(図2)。

図2 図2

図2:成長のキーを実現するためのチャレンジ

島田チャンスはあります。最初にお話ししたとおり、サイバーな世界からフィジカルの世界に競争の舞台が変わってきているのです。次の時代の勝者は、まだ決まっていません。はっきりしているのは、次のステージでの勝利を目指すとき、東芝1社では無理だということです。みんなで知恵を持ち寄り、挑戦していければと思います。

河野私が統括している製造業向けDX支援組織「インダストリーX」は、年々陣容を拡大しています。もともとアクセンチュアにいた人材だけでなく、半導体、自動車、製薬など、各業界の事業会社から「日本の製造業を変えたい」という思いで集まった社員も多く、彼らの会話からは、新しいビジネスのヒントが次々とあふれ出てきます。このオープンさを、顧客企業の支援の場でも作っていくことが大事だと思っています。

 ぜひ製造業に関わる皆さんと一丸となり、日本の製造業全体の変革を実現し、新しい時代のチャンスと成功を共につかみ取っていきたいと考えています。

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