マンパワー不足の中、日本企業の99%以上を占めると言われる中堅・中小企業を対象としたマーケティング施策に課題を抱えていた日本マイクロソフト。この課題に対し、電通デジタルはマーケティングモデルのリデザインを提案。両社はどのようにプロジェクトを進め、課題解決を実現したのか、取り組みを紹介する。
——日本マイクロソフトでは、中堅・中小企業を対象とするマーケティング施策で、電通デジタルが提案した「BtoC&B」という新たなマーケティングモデルを採用し、課題を克服されたと伺いました。当時、どのような課題をお持ちだったのでしょうか。
日本マイクロソフト・鈴木哉氏(以下、鈴木)当社の中堅・中小企業向け事業は、営業担当が直接製品を販売するのではなく、提携する販売パートナー様の営業活動を通して各企業様にご購入いただくというビジネスモデルです。
販売パートナー様は、当然ながら他社製品も扱っていますので、マーケティング担当としては、いかに当社の製品を優先的に扱っていただくかが重要です。しかし、中堅・中小企業向けのマーケティング担当が私を含め2人しかいなかったため、なかなか販売パートナー様との連携強化にまで手が回り切らないという課題がありました。
また、最終的にご購入いただく中堅・中小企業の決定権者へのアプローチにおいても、有効なコミュニケーションをいかに構築するかが課題となっていました。少ないマンパワーでこうした課題を克服するため、広くお声掛けし、施策をご提案いただく形になったというのが経緯です。

鈴木
日本マイクロソフト株式会社
マーケティング&オペレーションズ部門
モダンワーク&セキュリティビジネス本部
エグゼクティブプロダクトマーケティングマネージャー
2002年に日本マイクロソフト入社。新製品発売に関するプロジェクトマネージャー職、競合対策、市場調査部門の本部長職を経て、15年より「Microsoft 365」ビジネス本部にて、中堅・中小企業向けのマーケティングリード職を担当。
——こうした呼びかけに対して、電通デジタルはどのような考え方で新たなマーケティングモデルを構築、提案したのでしょうか。
電通デジタル・相原孝文氏(以下、相原)わずか2人の担当者で販売パートナー様と中堅・中小企業の決定権者の双方にアプローチするのは、かなり困難です。そのため、1つの施策でこの両者を同時にアクティベートできる手法を考える必要がありました。
そこで中堅・中小企業に向けたBtoCと販売パートナー様に向けたBtoBを別々に考えるのではなく、両者を融合させた「BtoC&B」を実現することを目指したわけです。
同一施策でBtoBにもBtoCにも効くモデルをリデザインしたことで、販売パートナーと中堅・中小企業が同じ文脈で会話できる構造を実現。両者のコミュニケーションがスムーズになり、企業サイドから販売パートナーにマイクロソフト製品を“逆指名”するケースも出てきている
電通デジタル・井村友美氏(以下、井村)最初に鈴木様からお話を伺った際、今までのマーケティング手法から変えていきたい強い意志を感じたので、単にマーケティング構想を示すだけでなく、「BtoC&B」を実現できるような具体的な施策も含め、フルパッケージでご提案しようと考えました。
この事業リデザインチームは、クリエイティブ発想でマーケティングモデルを開発することを得意とするチームのため、戦略からアウトプットまでスピード感を持って、一気通貫で提案できるという点は強みだったと思います。
——電通デジタルからの提案を採用した決め手はどこにありましたか。
鈴木BtoCとBtoBを融合するという考え方は、従来とは視点の違う新しいものでした。考え方の筋道も納得できるものでしたし、電通デジタルさんからは具体的な施策もセットでご提案いただき、腹落ち感があったのが採用を決めた理由です。