ジョブ型人財マネジメントで未来を切り拓く

日立製作所がキャリア採用を

強化する背景とは

社会イノベーション事業のグローバル展開に伴い、
早くからジョブ型人財マネジメントに力を注いできた日立製作所。
2020年には採用の専門部署として「タレントアクイジション部」を設立し、キャリア採用を強化している。
同社の人財戦略にビズリーチのダイレクトリクルーティングはどのように作用しているのか。
タレントアクイジション部のキーパーソンに効果を聞いた。

日立製作所のジョブ型人財マネジメントは
事業上の“必然”だった

皆さんは「タレントアクイジション部」の所属です。日本では耳慣れない部署ですが、日立製作所では2020年にスタートしたそうですね。まずは設立の経緯を教えていただけますか。

坪井研氏(以下、坪井) 事業部ごとに配置していた採用担当者を本社に一元化し、採用力強化を図る目的で設立しました。それまでは新卒採用が中心でしたが、キャリア採用のニーズが急増したという背景があります。新卒採用とキャリア採用では明らかに採用手法が異なりますし、きちんとチームを組んでより専門性を高めていかねばならないからです。

タレントアクイジション部には40名ほどが在籍しており、新卒採用、キャリア採用それぞれで担当を分けています。キャリア採用の担当者は現在14名ほどで、同席している大貫は事業会社のHR、山本は人財紹介会社のリクルーティングアドバイザーを経て入社しました。このようにタレントアクイジション部自身も人財活用や採用活動に関する専門性を持ったメンバーをチームに加え、スキルを発揮してもらっています。

5年前までは100名ほどだったキャリア採用数が年々増え、2024年度は670名と約7倍になっています。採用市場の変化は加速度的に進んできているので、我々としてもスピードを上げて動き市場をリードしていくぐらいではないと、競合他社との人財獲得競争に勝つことはできません。ナレッジやノウハウを駆使して戦略的に人財獲得していくタレントアクイジション部として重要な役割を負っていると思っています。

日立製作所全体の採用戦略について教えてください。

坪井 日立製作所では2011年からグローバルを見据えたジョブ型人財マネジメントにシフトしてきました。現在、グローバルでは約27万人の連結従業員がいますが、事業・従業員構成はすでに海外の比率のほうが高くなっています。世界各国のタレントリソースを活用するには、同じ場所や同じ時間で働くことを前提とした日本式のメンバーシップ型では破綻してしまいます。

おかげさまで日立製作所はジョブ型人事のパイオニアとして取り上げられることが多いのですが、同じ事業に従事する日本のAさんと米国のBさんを公平に評価するには職務内容やスキル、経験で判断するしかありません。つまり、我々にとってジョブ型への移行は必然だったと言えます。

新卒採用に関しても一人ひとりのキャリアニーズとジョブマッチングを重視した「パーソナライズ採用」を深化させています。ポジションをより明確にしながら、その人のやりたいことと、当社がやってほしいことをマッチングし、適所適材の人財を採用する仕組みとなっています。

そうした人事施策の転換が積極的なキャリア採用につながっていると。

坪井 はい。社会イノベーション事業をグローバルに行う企業体へと進化していくのに連動して人財戦略も変革してきていますが、大きな狙いのひとつは人財の多様性を高めて組織を活性化することで、当社が付加価値を生み出す力を高めることにあります。これが、キャリア採用を推し進める理由です。

大貫文都氏(以下、大貫) とくにここ数年、ビジネスを取り巻く環境が大きく変化し、事業戦略上で即戦力人財が求められています。中でもIT/デジタル領域のニーズが高まっており、今年度のキャリア採用の半数以上がその領域の人財です。プロジェクトマネジメントを推進するSE(システムエンジニア)が多くを占めますが、それ以外にもクラウドエンジニア、セキュリティエンジニア、データサイエンティストなどの高度な専門スキルを持った人財も求めています。

スキルベースで求める人財にリーチ、
即戦力人財の採用に成功

キャリア採用のダイレクトリクルーティングサービスとしてビズリーチを活用していますが、導入のきっかけは。

大貫 以前は人財紹介会社からのルートが大半でしたが、新たな採用手法の1つとして全社的にダイレクトリクルーティングを検討したのがきっかけです。採用ボリュームの多い公共関連の事業部にて2021年から試験的にビズリーチを導入しました。そこで活用できる手応えを得たこともあり、2022年からは全社に拡大しています。

いろんなサービスがある中でビズリーチを選んだ決め手は何でしょうか。

大貫 まずは登録者数が多いことが挙げられますが、求職者自身が詳細にスキルや経歴を登録いただいている点にも大きなメリットを感じています。事業ラインでは即戦力の人財を求めているケースが多いので、職務経歴の登録が少ないメディアの場合、求人内容にマッチするかどうかを判断することが難しいのですが、ビズリーチは、解像度高く適切な人財を探すことができるのでマッチングに繋がりやすいです。

また、ビズリーチであればスキルベースで検索し、当社が求める要件でどのような人財が登録しているのか分かるので、あらかじめ採用市場の状況も把握できるのです。こうした使い勝手の良さ、信頼性の高さなどが決め手になりました。

山本知奏氏(以下、山本) もう1つ、我々自身が採用市場の動向を把握したうえで、求人の要件を言語化できるのもメリットです。私はキャリア採用のリクルーター業務に携わっていますが、求人を出す際に現場の人たちと一緒に求める人財の要件設定に利用しています。例えばビズリーチのデータベースを見ながら「ここまで要件を絞り込むとなかなか該当者がいないので、求める人財を採用するために要件を緩和しましょう」といったコミュニケーションが可能です。

坪井 既存事業の中でもポジションが細分化してきているので、そこに充当するジョブディスクリプションをより明確にしていかねばなりません。そのうえで既存事業の枠組みを壊し、さまざまな事業と掛け合わせながら新たなソリューションにつなげていくことも考える必要があります。そうした人財にどのようにリーチしていくかが強く求められていますから、スキルの掛け合わせを学ぶ観点でも役立っています。

今の時代、採用競争を乗り切るには、採用チャネルの多角化は必要だと日々実感しています。そうした点からも、企業自らタレントを探して直接スカウトできるビズリーチは心強いです。

これまでビズリーチ経由で即戦力人財を多く採用することができているので、今後もダイレクトリクルーティングを有用なチャネルとして強化していきます。一方で人財採用はスタートに過ぎず、入社後にどれだけ活躍してもらうかが最も重要になります。我々にとって、活躍支援の体制を整備することが目下の課題です。

採用人財の活躍支援に関してはどのような取り組みをされているのでしょうか。

大貫 新卒採用の場合は入社時期も基本統一されており、まとまった対応が可能なため、組織的な教育およびサポートプログラムが用意されていますが、キャリア採用は職場に委ねてしまっている点が多いのが現状です。即戦力といえども立ち上がりを支援していかないとパフォーマンスを発揮できるまで時間がかかってしまうこともあります。立ち上げの支援に向けて、現在全社としてのオンボーディング施策を検討しながら、スモールスタートでもできるところから実施しているところです。

将来的にはグループを
巻き込んで人財流動性を高めたい

そのほか、ビズリーチと取り組んでいるプロジェクトはありますか。

大貫 人財の獲得競争の激化に伴い、企業側が人財を見極めるというよりも、求職者側が企業を選ぶという側面が強くなってきていると感じます。その考え方を面接官に浸透させる活動として「面接官トレーニング」を昨年度からビズリーチと共同で展開しています。

ここで重要なのは“いかに魅力付けをするか”ということ。求職者一人ひとりの視点に立って、日立製作所で働く意義、仕事そのもの、企業文化、福利厚生や給与といった制度などの魅力を言語化し、面談や面接で適切に伝えられるかが重要です。

昨年度はまずは面接官に研修を受けてもらうところから始めましたが、今年度は面接の構造化についても取り組む予定です。当社のコンピテンシー(行動特性)に即した評価基準を設定するとともに、当社で働く魅力についても社員から吸い上げ、言語化し全体にまた共有することで、魅力訴求力を高めていきます。

今後の展望についてはいかがでしょうか。

山本 2022年度から全社的にダイレクトリクルーティングを導入して、2023年度からは職種を拡大して一定の人数を採用できる体制を作り上げることができました。これからめざしたいのは、職種別に人財採用の戦略をしっかりと構築していくことです。SEや営業のようにボリュームを確保しなくてはならない職種、人事・総務などのコーポレート系の職種、研究開発などの専門職では採用基準が異なります。それぞれの職種に対して適切なアプローチをするために、今年度のダイレクトリクルーティングではビズリーチと協力しながら戦略を整えていきたいと考えています。

坪井 当社では将来的に日立グループ内での人財流動性を高めることを視野に入れています。現時点でも数多くのグループ会社がビズリーチを導入していますが、より一層活用していく余地はまだ大きいと思っています。

現在はグループワイドでの活用も視野に入れて、ビズリーチに協力していただきながらいろんなトライを重ねています。これらの試行錯誤で培ったノウハウをどのようにグループ内で共有して、グループ会社における採用でも結果を出していくことも我々の役割だと思っています。先ほど山本が話したように職種別にどのようなアプローチが可能なのかを精査し、社外のキャリア採用と同様にグループ内のリソースも有効活用していくつもりです。

最後に、御社のキャリア採用に興味を持っている読者に向けてメッセージをお願いします。

大貫 私自身、入社する前は、巨大な組織であるがゆえに決まり事を変えるのは難しいのではないかと想像していました。ところが日立製作所には自らがやりたいことを提案して実践できるフィールドが多く、良い意味で驚きました。当社のバリューでも「開拓者精神」を掲げていますが、根底にはチャレンジして変えていける文化がある。ぜひ日立製作所という大きなフィールドを逆に利用してほしいと思います。

山本 多様な人財を採用するためのナレッジがどんどん蓄積されてきています。そのナレッジを日立製作所のみならず、グループ内でも連携することで自分自身の活躍フィールドを開拓できる土壌があります。実際に入社していただく人、配属される部署の人、そして我々のようなHRの全員が幸せになるような採用環境を今後もよりブラッシュアップしていきたいですね。

坪井 当社の事業はさまざまな社会課題の解決にアプローチできる領域がたくさんあります。「日立には、あなたのやりたいことを叶えられる仕事があります」――これが我々の伝えたいメッセージです。日立製作所の事業の面白さをいろんな人に知っていただき、その面白さをより多くの人たちと分かち合っていきたい。その結果が採用の強化に結実すると信じています。

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