真の“SX”に挑む企業たち Striving for a sustainable future

NIPPON EXPRESSホールディングス

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豊かな未来を社会インフラで支える物流企業として、グループ・グローバルでの企業価値創造の実現に挑戦

グローバルや
人権といったテーマを
マテリアリティに反映

「マテリアリティの見直しにあたっては、NXグループと当社で最低でも週に1度のミーティングの場を設けました。その際、PwCコンサルティング側が企業価値や課題を細分化したロジックツリーを作成し、現状の把握や他社のベンチマーク、取り組みの優先順位といった点について壁打ちをしながら議論を深めていきました」(森本氏)

こうした見直しを経たマテリアリティは、23年に以下のような事業に関する3項目と事業基盤に関する2項目、合わせて5項目に整理された。

図3

再編成されたマテリアリティは、事業に関するものが「サステナブル・ソリューションの開発・強化」「グローバル・サプライチェーンの強靭化」「気候変動への対応強化」の3つ、事業基盤に関するものが「イノベーションを生む人財力の向上」「人権の尊重と責任ある企業活動の実現」の2つ。合計5つとなった。

「見直し前のマテリアリティはDX推進を含む6項目でしたが、今後はDXをマテリアリティを推進するエンジンとして位置付けたため、各マテリアリティに組み込む形として5項目に整理しました」(岸田氏)

グループ・グローバルとして2037年ビジョンを掲げるNXグループにとって大きなポイントとなるのが、「グローバル・サプライチェーンの強靭化」だ。

「グローバル・サプライチェーンの強靭化は、社内のコンプライアンス・リスク統括部やDX推進部との協業で進めています。力点を置いているのは、感染症やサイバーテロといったリスク発生時でもお客様のサプライチェーンを途切れさせないことと、DXを活用した倉庫の自動化や無人運転などを通じた生産性の向上です。サステナビリティ推進部だけでは手が届かないところもあるので、分科会という形でお互いにガバナンスを掛け合いながら、グループ・グローバルのサステナビリティ経営に資する知見を結集しています」(岸田氏)

また、経営基盤に関する「イノベーションを生む人財力の向上」「人権の尊重と責任ある企業活動の実現」の2項目についても、サステナビリティ経営に資する内容となっている。

「人財力の向上では、人財戦略統括部やその下部組織のダイバーシティ推進室との協業で、エンゲージメント調査、ウェルビーイングの充実、さん付けの推進による社内コミュニケーションの円滑化などを図っています。人権尊重については、社会の要請が急速に強まるとともにビジネス上の重要性が増したテーマであり、マテリアリティとして必要な課題でした。自社で取り組むのはもちろん、物流企業として社内のみならずサプライチェーン全体の人権もスコープとして取り組んでいます」(岸田氏)

サステナビリティは
自社を考え直すキーワード
未来を信じ、変化を恐れない

22年のサステナビリティ推進部立ち上げ、23年のマテリアリティ見直し、24年度からの「経営計画2028」スタートというステップを経た、NXグループのSXの現在地とは――。岸田氏は、「まだ始まったばかり」と話す。

「会社としてサステナビリティをあらゆる事業の土台に置くという考え方は浸透しつつありますが、進捗としてはまだスタートラインに立ったところ。サステナビリティ=CO2削減、といった狭いイメージが社内に根強く残っているのも事実です。今後は『社会インフラを支える当社の事業を発展させることがサステナビリティにつながる』という点を、グループに向けて強く発信していくつもりです。

グローバルに関しては、これまで743拠点を展開していますが、今後はM&AやPMIも含めさらに拡大し、創立100周年に向けて海外市場での競争力を高める必要があります。グローバルな知見が豊富なPwCコンサルティングには、この点でサポートを期待しています。

また、サステナビリティは挑戦するだけでなく、実際に成果を上げて目標を達成してこそ意味があります。PwCコンサルティングにも協力いただきながら、グループ各社の挑戦を支援していきたいと思います」(岸田氏)

「サステナビリティは新しい取り組みなので、グループ全体で腑に落ちるには少し時間がかかります。ただ、先ほども触れたように、NXグループには真面目で謙虚な方が多いので、私たちの提案を真摯に受け止めていただいていますし、疑問点があれば質問を投げかけてもいただけます。

長期的なビジョンも頭に入れながら、各自が自分事として足元の業務で小さな成功体験を重ね、グループ内で共有していけば、サステナビリティの文化が根付いていくのではないかと思います。

また、今後は、国内だけでなく、海外グループ会社に対する支援が必要になることも承知しているので、PwCコンサルティングのグローバルネットワークを最大限に生かしたご支援を提供していきたいと考えています」(森本氏)

最後に、これまでの取り組みを通じて得た、SXを推進するためのポイントを聞いた。

「サステナビリティという言葉は、社会を取り巻く環境が不透明になっていく中で、自社がどうありたいか、どうすれば選ばれ続けるかという問いに向き合い、持続可能な未来を考え直すキーワードだと思っています。

持続するとは、すなわち未来を信じ、変化を恐れず、次の世代へと橋渡しをすることです。個社の垣根を越えた業界での協創やステークホルダーとの関わりの中で目指す全体最適を大切にしながら、みんなで新しい未来をつくっていければと考えています」(岸田氏)

森本氏は、岸田氏のこの意見に賛同を示し、それを実現するポイントとして企業理念を挙げて対話を締めくくった。

「各企業にとって企業理念とは、基本的な方針を明文化し、事業を通して実現したい未来を示すものです。企業価値と社会価値をバランスよく両立させながら、どのような世界を描くのか、信念を持って語り合っていくことがSXに取り組む上でのあるべき姿だと考えています」(森本氏)

岸田 博子 氏 森本 絵美 氏
SX(サステナビリティ・
トランスフォーメーション)
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