「人の持つ能力を解き放つ」

生成AIとServiceNowのプラットフォームの融合が日本企業の力になる

日本企業には本来、世界に負けない強さがある。その強さを最大限発揮し、世界で躍進するためには何が必要か? カギを握るのは、生成AIなどの最新テクノロジーによる生産性向上や従業員の働きやすさを実現する変革だ。生成AIを活用し、本来日本企業が持つ強みを解き放つためのヒントについて、NECの小玉 浩 執行役 Corporate EVP 兼 CIO 兼 コーポレートIT・デジタル部門長、ServiceNowのポール・スミス CCO(チーフ・コマーシャル・オフィサー)、ServiceNow Japanの鈴木 正敏 執行役員社長による対談を実施した。

日本の労働力不足を補うためには
生成AIの活用が不可欠

──2022年に革新的な生成AIエンジンが登場して以来、世界中の企業がビジネスにおける可能性を試すための試行錯誤を重ねています。なぜ、これほど生成AIを活用しようとする機運が高まっているのでしょうか?

ServiceNow ポール氏(以下、ポール氏):競争力を維持したい企業は、急速に進化するAI技術の重要性を理解しており、その波に乗り遅れることを避けたいと考えています。

 生成AIが登場する以前から、世界中の企業は、従業員に良好な労働環境を提供し、技術的課題を解消し、システムを統合することで、生産性と売り上げの向上を実現する方法に頭を悩ませてきました。

 生成AIの登場によって、多くの企業は、そうした課題を解決するための有効な手段を手に入れたのです。AIの実験段階から実装段階に移行した企業では、生産性の向上、顧客や従業員のエクスペリエンス改善、コスト効率の向上といった実質的な成果を早速実感しています。

ポール氏
ServiceNow
CCO(チーフ・コマーシャル・オフィサー)
ポール・スミス
2020年7月にEMEA担当SVP兼ゼネラルマネージャーとしてServiceNowに入社。2021年1月にEMEA担当プレジデントに昇格。2022年1月より現職。テクノロジー業界で20年にわたり上級管理職を務めた経験を持つ。イノベーションを活用した業務改革、レガシーなビジネスモデルの課題解決に情熱を注いでいる。

──生成AIは、ビジネス領域でどのように活用されようとしているのでしょうか?

ポール氏:私たちServiceNowは世界中のお客様にソリューションを提供していますが、生成AIに関するお客様の取り組みを見ると、大きく3つのアプローチがあります。

 最初のアプローチは、個々のタスクに特化した複数の生成AIパイロットプロジェクトの実施に重点を置いています。2つ目のアプローチは、大規模な生成AIプラットフォームの構築に注力します。3つ目のアプローチは、顧客のニーズに合わせたカスタマイズ可能な独自の大規模言語モデル(LLM)の開発に重点を置いています。手法は異なりますが、いずれも生産性向上を目指し、生成AIへの積極的な投資を共通の目標としています。

 ServiceNowでは、生成AIの価値は、それを支えるプラットフォームや接続されるシステム、データによって決まると考えています。つまり、生成AIを単体で使用するのではなく、プラットフォームに統合することが不可欠です。これにより、データとアクションが一体化し、よりシンプルさと拡張性が実現されます。

──グローバル企業のCCOとして、ポールさんは日本市場の可能性をどう見ていますか?

ポール氏:ServiceNowにとって、日本は非常に重要な市場です。私たちは2023年1月、日本を、米国、欧州、アジアに続く4番目の本社直轄マーケットとしました。

 日本は世界でも有数の経済大国ですし、ITおよびAIへの投資額も莫大なものとなっています。一方で、日本では高齢化の進展により、2028年までに155万人もの労働力不足が予想されているという調査結果もあります。

 この不足を補うために生成AIは、日本における競争力強化とビジネス成長をけん引する不可欠なものとなるでしょう。これらの点から、私たちは日本市場をとても有望視しているとともに、成長する可能性も大いに秘めていると感じています。