世界をリードするパワー半導体メーカーのインフィニオン テクノロジーズ ジャパン(以下、インフィニオン)は、脱炭素社会の実現に向けて、製品の進化や大規模工場の刷新を進めている。同社の取り組みについて語った。
インフィニオンでは、自社の事業活動に伴うCO₂排出量削減を推し進めるのと同時に、社会のより高効率な電力活用と省エネルギー化を後押しする製品を積極供給。自社努力による2030年までのカーボンニュートラル達成と、社会の要請に応える製品とソリューションの提供による環境メリット創出の両面から、脱炭素社会の実現に貢献していく。
こうしたアプローチの下で進める取り組みの成果は、既に定量的に見えてきている。現時点でのサプライチェーンも含めた自社事業でのCO₂排出量と、脱炭素に資する自社製品・ソリューションの提供による世界での削減量の比率は、1対45と大きく社会の脱炭素化に貢献していることを示す値となっている。
当社は、2030年までの自社事業活動でのカーボンニュートラル達成を目指して、多角的な施策を実施している。そして、2023年時点でのCO₂排出量を2019年比で56.8%削減。多くの外部機関から高い評価を得ている。
各生産拠点では、生産工程で使用するPFC(パーフルオロカーボン)を含む温室効果ガス(GHG)の直接排出を回避。同時に生産活動などに伴うエネルギー効率向上に優先的に取り組んでいる。
さらに、欧州と北米、マレーシアの製造拠点では、既にグリーンエネルギー100%で稼働できる体制を整えた。その他のアジア地域の拠点でも、2025年度には同様の体制を整える予定である。
当社は、事業活動が環境に与える影響を、スコープ3(サプライチェーンからのGHG排出量)も対象とする「科学的根拠に基づく目標設定(SBT)」に則り算出している。全排出量のうち、スコープ3が約85%を占める。当社は、半導体業界でいち早くプロダクト・カーボン・フットプリント(PCF)データの提供を開始して、これに対応している。
一方、環境メリット創出の面では、4つの切り口から製品・ソリューションを高度化し、提供することで社会の脱炭素化に貢献していく。「グリーンエネルギー活用」「電力変換チェーンのデジタル化」「クリーンな電化」「エネルギー効率の向上」である。
まず、自動車の電動化やAI需要で増大するデータセンターの消費電力削減には、高度なパワーエレクトロニクスの導入が欠かせない。この領域には、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)など新半導体材料をベースにしたパワー半導体に、マイコンやセンサーを合わせた高効率なソリューションを提供していく。
また水素活用でも、整流器向け製品の提供などで貢献していく。水素は、電力では動かせない大出力な動力源・熱源に対応する。再生可能エネルギーの効果的な活用で、近年重要性が高まっている。
さらに、省エネルギー化と居住性・快適性を両立させた、スマートビルの導入拡大を支援。ビル運用は、世界のエネルギー消費の約30%を占めている。ここでは、効果的な電力ソリューションに加え、予知保全や状態監視などによる効率的なエネルギー管理を実現するセンサー、コントローラーなどを投入していく。