
2025年にシェーバー事業70周年を迎えたパナソニック。
同社のシェーバー事業の軌跡と今後目指す姿について、同社ビューティ・パーソナルケア事業部 事業部長の南波嘉行氏と、元日経BP 総合研究所 上席研究員の渡辺和博氏が特別対談を行った。
顧客視点で進化を続けた
70年の事業の歩み
パナソニック
くらしアプライアンス社 常務
ビューティ・パーソナルケア事業部 事業部長
南波嘉行氏
渡辺 シェーバー事業が70周年を迎えられたということで、ほぼ日本の戦後とともに歩んでこられたと思います。これまでの開発の流れをご紹介ください。
南波 ヒゲを短時間できれいに剃ることを追求してきたのはもちろんですが、多様化していくお客様のライフスタイルに合わせ、機能面でも進化が進みました。1980年代には水洗いができる防水タイプ、90年代にはより早く深く剃れるリニアモーター搭載機、2000年代に入ると浴室で使えるものやスキンケアシェーバーが登場します。02年に誕生したラムダッシュシリーズも3枚刃から約20年で6枚刃へと進化を遂げました。シェーバーは直接肌に触れる製品ですし、お客様のヒゲの質や角度、それぞれのクセもあるので、複雑な方程式を解くような工夫を重ねてきたという自負があります。
合同会社ヒナニモ代表
元日経BP 総合研究所
上席研究員
渡辺和博氏
渡辺 顧客起点でニーズを汲み取り、進化を遂げてこられたわけですね。23年に発売された「ラムダッシュ パームイン」(以下、パームイン)などは、まさに新しいシェービング文化を切り開いたというインパクトがあり、実際に大ヒットとなりました。
南波 シェーバーに限らず、家電は不便の解消をミッションとして技術が発展してきました。しかし、この70年間に日本人の暮らしや価値観も変化し、そこにどう寄与するかを考える時代になっていると感じます。パームインでは「感性価値」を重視して開発したことが、多くのお客様に受け入れられたのだと思います。