会計監査に従事する約2000人がサステナビリティに関する知識を習得
なぜPwC Japan有限責任監査法人は、「サステナビリティ」をプライオリティーテーマに掲げているのか。
それは、人々の間で環境や人的資本のガバナンスに対する懸念が高まり続けており、それに最優先で向き合うことは企業価値向上につながる上、トラストギャップを埋める抜本的な取り組みになると考えているからである。
ただし、「これまで財務会計を専門としてきたため、新たな領域としてサステナビリティに取り組むことは大きな挑戦でした。ですが、監査人である私たち自身が、会計に関する知識だけでなく、複雑で多岐にわたるサステナビリティ関連の知識をしっかり習得しなければ、ステークホルダーの皆様に納得しご安心いただける保証サービスは提供できないのです」と遠藤氏は語る。
小澤准教授も、サステナビリティの情報開示・保証においては、“人財”が重要だと話す。
「基準などが徐々に定まってくれば、今度はその開示、保証、監査を正確にできる人財が求められます。そこで初めて、ステークホルダーが開示・監査の結果を理解し利用することができるようになるのですが、会計・監査と比較するとまだ歴史の浅いサステナビリティの領域では、この分野における知見を有した人財の確保が非常に重要になります」
PwC Japan有限責任監査法人では、新たな教育研修プログラムを策定し、サステナビリティ領域に関する教育を実施している。これまでに初期研修を履修したメンバーは2000人以上に上り、監査部門所属の対象者は全員が履修を終えたという※1。
この他にもPwC Japanグループではサステナビリティに関連する様々な知識を持った人財が数多く活躍している。そうしたグループの総合力を生かし、より高度で信頼性の高い保証サービスが提供できることも、同監査法人の大きな強みだ。
遠藤氏は、「グループ内の他のメンバーと会話をするにしても、保証サービスの担当者自身がサステナビリティに関する知識を十分に身に付けていないとコミュニケーションが成立しません。教育研修プログラムには、そうした共通言語を身に付けてもらい、グループ一体となってより良いサービスを提供する土台づくりの狙いもあります」と語る。
※1:出所:PwC Japan監査法人、サステナビリティ保証の初期研修を監査部門所属の対象者全員を含む2,000人超が受講完了
「財サス一体」の監査・保証体制でワンストップのサービスを提供
もう1つ、PwC Japan有限責任監査法人がサステナビリティ情報の保証サービスを提供する上で大きな強みとしているのが、「財サス一体」の監査・保証体制を構築している点だ。文字通り、財務会計の監査もサステナビリティ開示の保証も、同じメンバーがワンストップで実施するというものだ。
「相互に深く関わり合っている財務とサステナビリティの活動を関連づけながらサービスを提供できることが大きな価値だと思います」と遠藤氏は言う。
例えば、会計監査の項目には、固定資産や売り上げ・仕入れの監査手続きなども含まれるが、これらの手続きを通じて、サステナビリティ情報開示の正確性や整合性を検証する機会も得られるという。
「生産設備の件数や規模と比べ、開示されているGHG排出量が少ないのではないかとか、売り上げや仕入れ規模に照らし合わせると、トラックによる輸送量は多いはずなので、より大量のGHGを排出しているのではないか、といった疑問が浮かび上がってくるわけです。会計上の数字とビジネスの状況は密接に結びついているので、会計監査のメンバーがサステナビリティの保証まで担当することには大きな意味があるのです」(遠藤氏)
小澤准教授は「会計監査を通じて、企業のあらゆる側面を把握し、独立的な立場から評価ができる点も、監査法人はサステナビリティ情報の開示・保証の担い手として最適任です。『間違いや不正は起こり得る』という前提に立って、健全な懐疑心を発揮しながら監査や保証のサービスを提供できることは、トラストギャップを埋める上で非常に重要な要素だと言えます」と話す。
サステナビリティ情報の開示・保証の重要性は、間違いなく今後ますます高まっていくだろう。最後に、小澤准教授は次のように語った。
「これからの企業は、社会の急速な変化に柔軟に対応し、持続可能な存在であり続けることが求められています。そのためには、サステナビリティ情報の開示と、それに対する反響を基に、正しい行動ができているか、その行動はステークホルダーに評価されているかを検証し続けることが大切です。開示内容に信頼を付与する保証が伴えば、ステークホルダーの理解を得ながら、より良い未来を築き上げられるはず。それが結果的に企業価値の向上にもつながることでしょう」
遠藤氏も「これからは、自社評価がしっかりできる企業であることと、それを外部にきちんと説明できる企業であることが求められます。PwC Japan有限責任監査法人はそれらをサポートし、ステークホルダーが求めるトラストギャップを埋めることで、社会への貢献と企業価値向上を支援してまいります」と語った。
遠藤氏がモデレーターを務めたセミナー「規制の“先”を見据える 効果的なサステナビリティ情報開示」が2025年1月22日に開催された。
ISSB/SSBJ、CSRDに代表される法定開示の潮流の本質とは何か。
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規制の“先”を見据える 効果的なサステナビリティ情報開示