30,000人の個人情報に基づきサービス提供
人事・総務や経理・財務といった間接業務をグループ企業で集約するシェアードサービスの有効性が再注目されている。NTT DATA(海外グループ会社を除く)では、1992 年に設立されたNTT データマネジメントサービスがその役割を担っており、現在はNTT データグループ社を始めとする国内グループ約50社にサービス提供している。
対象となる業務の幅は広く、人事給与や福利厚生、社会保険や労働・就業関連といった労務関連から、採用手続きまで対応する。「トータル30,000人以上が対象で、大事な個人情報を預かり管理しています。ミスが許されない世界であるため、かなり神経を使います」と同社人事サービス事業部 課長である杉田美緒氏は心境を吐露する。
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NTT データマネジメントサービス
コーポレートサービス事業本部
人事サービス事業部 課長- 杉田美緒氏
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入社書類だけで年間17,000枚の紙処理に忙殺
採用・入社手続きサービスは、NTT データ(※)と国内グループ会社9社に提供している。「従来の入社手続きでは、紙ベースで入社書類の郵送や回収をしてきました。給与口座や通勤経路の申請書類以外にも、案内書類や記入例といった書面があり、A4 用紙を年間17,000 枚ほど使っていました。これらの書類を印刷・封入してミスが無いようダブルチェックするといった手作業は多大な労力を要し、時期によっては皆で夜遅くまで対応せざるを得ませんでした」と人事サービス事業部課長代理の横山哲也氏は打ち明ける。
(※)2023 年の持株会社体制移行前のNTT データ、現在のNTT データグループ、NTT データ、NTT DATA, Inc.(国内)
そのような時、コロナ禍による出社制限が始まり、テレワークを推奨する方針が打ち出された。「このままでは業務を続けられなくなるとの危機感からクラウドシステムの調査に着手しました」(横山氏)。同社にとって業務と直結する大規模なクラウドシステムの導入は初めてのこと、システムの選定やセキュリティの審査、各所との調整を慎重に進めていった。
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NTT データマネジメントサービス
コーポレートサービス事業本部
人事サービス事業部 課長代理- 横山哲也氏
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理想の業務に適合する柔軟性と構築体制を評価
まず22社のサービスを調査して6社に絞り、そこから徹底的な最終選考を行い、Techouse(テックハウス)の『クラウドハウス』を選んだ。決め手となったのは大きく2 点だ。1 つは機能の柔軟性。同種のクラウドシステムは、予め決められた申請項目があり、それに業務を合わせるしかないものだが、『クラウドハウス』は必要な申請項目を自由に積み上げられるのが特徴。「理想として描いた申請業務プロセスに適合できる点を評価しました」(横山氏)。もう1つはシステムの構築支援体制。導入時から専任のカスタマーサクセス担当が付き構築作業を行う、この専任対応は導入完了後も継続し、法改正等の仕様変更にも迅速に対応する。「構築や問い合わせ対応だけでなく、社内の審査や手続き、連携面まで担当者が丁寧に対応してくれ、大変心強かったです」(横山氏)
『クラウドハウス』を導入したのは2022年。週に1~2回ペースで定例会議を設け、カスタマーサクセス担当者と開発の進捗状況を共有。密なコミュニケーションによりスムーズな立ち上げにつながった。現在では、入社手続き以外にも、雇用保険や年末調整、住宅関連書類、労働時間に関するアンケート回収などのシステム化にまで適用範囲が広がっている。
担当者の心理的安全性にも好影響
『クラウドハウス労務』の導入によって得られたメリットは多岐に渡る。「まず何より個人情報の漏洩リスクと、情報登録ミスのリスクを限りなくゼロにできたこと」(杉田氏)。紙の書類には大きな紛失リスクが付きまとう。また、記入ミスや打鍵入力ミスも心配だ。これがクラウドハウスによりデジタル化され、情報はシステム内で完結するようになった。さらに、申請者の情報入力時に徹底的な自動チェックが行われるため、業務担当者によるチェック漏れや、紙書類からの打鍵入力によるミスも無くなった。「業務の高速化や効率化に加え、業務担当者の心理的安全性を確保できたことは大きいと評価しています」(杉田氏)。さらにペーパーレス化が進んだことでテレワークでの業務遂行が容易になり、働き方改革にもつながっている。
また、申請等を行う国内グループ会社の従業員や内定者側の手間も格段に効率化された。例えば、申請情報の入力や承認された書類の確認もスマホ1 つでできる。紙ベースでは頻繁にあった誤字・脱字や記載漏れによる差し戻しもほとんどなくなり、ミス無くスピーディーに申請が進むようになった。「従業員のインターフェースについて、申請画面は上から順に追うだけで済むようにテンプレート化されており、わかりやすさから問い合わせ対応が激減しました。また口座情報などの誤りやすい入力項目はプルダウン方式にするなど、ミスを防ぐ機能も行き届いています」(横山氏)
このように、シェアードサービスの提供先である従業員の満足度が向上したことに加え、国内グループ会社の経営側からも、紙書類が無くなったことで保管場所問題が解消され、ファイルなどの備品調達も不要になったこと等、デジタル化の効果が評価されている。

バックオフィスDX プラットフォームへ
「クラウドサービスのメリットを授受できる方がもっと広がってほしい」と横山氏は話す。NTT DATA(海外グループ会社を除く)は4.4 万人を超えるが、中には独自のシステムを持つ規模ではない小型のグループ会社もあり、『クラウドハウス』であれば各社のバックオフィス業務をさらに効率化できる余地がある。ただ、採用や人事でのポリシーは各社各様で、簡単にスケールメリットを活かせるものでもない。バックオフィス業務そのものの棚卸や整理も必要になるだろう。
人事サービス事業部ではシェアードサービスに加え、上流に当たるコンサルティングにも事業領域を広げている。「今後はサービス提供先であるグループ企業のお困りごとを、データドリブンでコンサルティングを組み合わせて解決することが求められていくはず。クラウドハウスによるシェアードDX プラットフォームを生かし、NTT DATA(海外グループ会社を除く)全体のバックオフィス改革に貢献していきたいです」と杉田氏は語る。
シェアードサービスDX がもたらす影響は限りないといえる。
大手企業グループのDX を支える
「クラウドハウス労務」
スクラッチを超えるクラウドを標榜するこのセミオーダー型サービスは、クラウドサービスでありながら、各社特有の業務フローや従業員ニーズに即したカスタマイズを行える点が最大の特長。チェックロジックを組み込んだUIで、現場の従業員は入力しやすく、人事部はチェックレスで済む。メーカー構築型なので、専任担当者が構築を主導してくれるのもうれしいポイントだ。NTTデータ以外にも、トヨタグループなどの企業グループが申請基盤として採用している。
チェックロジックが組み込まれた従業員の申請画面

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