グループシナジーを結集した宝ホールディングスの次の一手 成長軌道への回復を達成し、資本市場からの信頼回復を期す

PR:宝ホールディングス株式会社
2026年3月期の決算は4期連続減益という厳しい内容を踏まえ、策定した「中期経営計画2030」(2027年3月期~2031年3月期)の下、グループを挙げて構造改革に挑む宝ホールディングス。Vol.2では、新たな中期経営計画に盛り込まれた、具体的な事業ポートフォリオ戦略、既存事業の強化・拡張に向けた施策、中長期的な成長を実現する“勝ち筋”について、宝ホールディングス 代表取締役社長・木村睦氏に語ってもらった。
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2050年の“ありたい姿”を共有し、
グループ一体となって成長戦略を推進

──2050年までのありたい姿として、「宝グループ 長期Vision 2050」を策定した背景と、その概要についてお聞かせください。

木村睦氏:昨今の目まぐるしく変容する事業環境にあって、企業経営においては、従来に増して迅速な意思決定と、時に朝令暮改をも辞さない軌道修正が求められる場面が増えていることを痛切に感じています。こうした変化に対応したマネジメント力やガバナンスの強化は、前期の「中期経営計画2025」(以下、中計2025)の結果から顕在化した当社の課題でもあります。

 不確実性の高い時代だからこそ、目の前の変化に惑わされず、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献するためのぶれない価値観を、グループの全員が共有することが、企業の継続性(ゴーイングコンサーン)を担保するためには欠かせません。その“羅針盤”として2025年9月に策定したのが、「宝グループ 長期Vision 2050」(以下、長期Vision 2050)です。

宝ホールディングス
代表取締役社長
木村 睦
木村氏
宝グループ 長期Vision 2050

 ありたい姿に掲げるのは、「人々に豊かな食生活と健やかな人生を届け、バイオテクノロジーによる新たな価値創造で、世界中に笑顔を広げ続けている宝グループ。」です。

 その実現に向け、バイオテクノロジーをコアコンピタンスに、当社グループを構成する宝酒造、宝酒造インターナショナルグループ(以下、宝酒造インターナショナル)、タカラバイオグループ(以下、タカラバイオ)の3社が連携し、グループ一体となって成長戦略を推進していくシナリオを描いています。

 「酒類・日本食材」「ライフサイエンス産業支援」「新規」の3領域で、「和酒・日本食を世界の日常に」「健康を一人ひとりへ」「新しい領域で価値を創る」を提供価値に掲げ、社会における存在感の目安として、2051年3月期の連結売上高1兆円以上を掲げています。

5年計画で成長軌道への回復の実現と、
長期的な成長の道筋を確立する

──中計2025で浮かび上がってきた課題を踏まえ、2026年度からスタートした「中期経営計画2030」(以下、中計2030)で掲げる方針と目標について教えてください。

木村睦氏:中計2030は、長期Vision 2050からのバックキャストアプローチで、直近のマイルストーンとすべき目標を設定し、その達成に向けた具体的な戦略や計画を示すものと位置づけています。

 対象期間の5年を、前半2年の「体質転換/立て直し/将来への布石」、後半3年の「成長スピード加速/将来の成長ドライバー創出」のステージに分け、収益構造の課題が明らかになった、タカラバイオおよび海外日本食材卸事業の再構築・立て直しをやり切り、収益改善に注力してまいります。

 基本方針には、「長期Vision 2050実現に向けた事業ポートフォリオ戦略」「グループガバナンス/マネジメント体制の見直し」「ROIC重視の再徹底」「既存事業の収益構造改革」「グループシナジー発揮による成長の道筋の確立」の5つを掲げています。成長軌道への回復と長期的な成長の道筋を確立し、最終年度となる2030年度(2031年3月期)には、売上高4,930億円以上、営業利益378億円以上、ROIC7.0%以上、ROE10.0%以上の達成を目指します。

グループガバナンス/マネジメント体制を見直し、
ROIC重視を再徹底

──まずは、中計2025において顕在化した課題であるグループガバナンス/マネジメント体制の見直しと、注力してきたROIC経営の浸透に向けた取り組みについて教えてください。

木村睦氏:中計2025では成長・強化領域への投資を加速させたものの、投資に見合う成果が得られず、4期連続の営業減益となりました。その反省から新設したのが、「事業ポートフォリオ戦略委員会」という経営会議体です。

 これは、宝ホールディングス取締役会の諮問機関として、事業ポートフォリオ戦略や経営資源の投下方針の見直し等に関する議論や、重要度の高い投資案件について、構想・計画などの早期段階から審議を行うもので、グループ全体のガバナンス/マネジメント体制の見直しにつなげるのが狙いです。

 ROIC経営の浸透については、中計2025でも重点戦略の一つに掲げ、長期的視点で投資に対するリターンや投下資本の効率性を意識してもらうため、社内の浸透に向けた活動を継続してまいりました。今後は、この意識変革をいかに成果につなげるかが課題です。中計2030では、事業ユニット別に、WACCに基づいたROIC目標を設定して投資の実効性を高めるほか、グループ各社の経営層の評価・報酬体系を必要に応じて見直し、資本市場への意識をさらに高めてまいります。

「メーカー×流通」のシナジーで
和酒・調味料のグローバル展開を加速

──具体的な事業ポートフォリオ戦略と、各事業の成長戦略についてはどのようなシナリオを描いていますか。

木村睦氏:事業ポートフォリオ戦略においては、事業の位置づけを市場ステージ、資本効率、競争優位性の観点から、「コア」「キャッシュ」「成長」「問題」「創出」の5つに分類し、事業の評価、方向性を見定め、経営資源の投下方針を策定しています。

長期Vision 2050実現に向けた事業ポートフォリオ戦略

長期Vision 2050実現に向けた事業ポートフォリオ戦略

 まずは「問題」と位置づけるバイオ事業の、「遺伝子医療」における遺伝子治療の自社臨床開発プロジェクト中止と、「CDMO」におけるGMP細胞加工受託からの撤退を決定しました。さらに今後2年間で、両事業の継続可否を見極めてまいります。

 「成長」領域の海外日本食材卸事業についても、売り上げに見合う収益が獲得できていないという収益構造を見直すべく、宝酒造インターナショナルが主体的に関与し収益性を高め、成長事業として今後も位置づけるのか見極めを進める計画です。具体的には、オペレーション改善や物流効率化で販管費率を抑える一方、水産品や調味料など高付加価値商材の拡販により、売上総利益率の改善を図る戦略です。また、新設した事業ポートフォリオ戦略委員会を核に継続的に見直しを行い、経営環境の変化に強い事業体への変革を実現してまいります。

 その他事業ユニットについては、「和酒」を国内・海外の両市場で強化し、コア事業として持続的に成長させるための取り組みを進めます。

 国内においては、中長期的な競争力の維持に向けた製造拠点への投資を確実に実行するとともに、収益力向上に向け、重点ブランドの育成や、低アルコール・ノンアルコールを含めた新商品開発等を遂行します。

 海外においては、宝酒造と宝酒造インターナショナルとの協業体制を深化させ、「和酒」に「だし」などの調味料も加え、輸出の柱となる商品ラインアップを強化します。また、メーカーとしての商品開発力・技術力に、地域・営業力・販売チャネルといった、宝グループが持つ様々なアセットを組み合わせ市場創造力を高めることで、「和酒」のグローバルな拡大にチャレンジします。

 もう一つコアと位置づけるのは、バイオ事業の「試薬」です。タカラバイオの黒字化に向けた抜本的構造改革を進めながら、お客様のニーズに対応しカスタムメイドで製品を提供していくBtoB領域に注力します。また、Spatial(空間解析技術)を生かした付加価値の高い先端分野での製品開発を進め、競争力を発揮していく計画です。

「主体性を称賛する」組織風土を醸成し、
新たな事業確立を目指す

──食とライフサイエンス以外の、新たな価値創造に向けた新規事業創出の進捗や、新しいものを生み出すチャレンジングな組織風土の醸成に向けた取り組みについて、お聞かせください。

木村睦氏:新規事業については、サステナビリティ・ポリシーにおいても、重要課題(マテリアリティ)として位置づけました。既存事業の強化に加え、バイオテクノロジーを活用した新規事業の開発を通じて、新たな社会価値と事業価値の創出を目指しています。

 従来からの社内ビジネスコンテスト「starTreasure」においても応募数が増加し、新規事業創出に向けた機運が高まる中、CVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)の設立、新規事業開発部の設置などの新たな仕組みも構築しました。中計2030期間中に、将来の収益の柱となり得る事業を2件上市することを目標に掲げています。

 また、厳しい事業環境を乗り越え、次の成長につなげていくには、グループとしての一体感の醸成や共通の価値観の浸透が、これまで以上に重要になっています。長期Vision 2050では「越えてつながる×刷新し続ける×主体性を称賛する」組織風土の醸成を掲げ、自ら考え、挑戦し、主体的に行動する社員を称賛する文化の強化に取り組んでまいります。

 チャレンジングな組織風土を醸成する上では、自ら手を挙げて挑戦する社員が活躍できる環境づくりを進めていくことが肝要です。 宝酒造、宝酒造インターナショナル、タカラバイオ、3社それぞれの強みを生かしながら、組織や事業の垣根を越えた交流や議論を促進し、新たな発想や価値創出につなげていきたいと考えています。

「資本市場」を意識した視点を育み、
投資家からの信頼を回復する

──宝グループは、2025年9月15日に創立100周年を迎えました。次の100年に向けた意気込みをお聞かせください。

木村睦氏:幾度もの歴史のうねりを乗り越え、100周年という節目を迎えることができたのは、日ごろから当社グループを支えてくださっているステークホルダーの皆様のおかげであり、深く感謝しています。

 しかし、100年は通過点にすぎません。そして現在、当社グループは歴史的にも極めて厳しい状況に置かれています。この危機的状況を乗り越えていくには、トップとして構造改革を断行するとともに、社員一人ひとりの意識改革が不可欠です。会社全体の意識改革に向けて、私が折に触れて社員に伝えているのが、上場企業のグループに属するメンバーとして、会社を存続させるということはどういうことか、資本市場からの視点を意識して考えてほしい、ということです。

 宝グループとしての役割を主体的に考え、日々、自分に求められている役割を模索し、現状に満足することなく、高い目標に挑戦し続ける姿勢をグループ全体に根付かせていかねばならない。そう決意を新たにしています。

 そのための“羅針盤”が長期Vision 2050であり、中計2030は、市場へのメッセージとして、危機的状況を何としても乗り越えるという固い決意で策定しました。この5年間は、宝グループの真価が問われる正念場として覚悟を決めています。次の100年に向けて、中計2030に掲げる施策をしっかりとやり切り、成果を上げ、資本市場の信頼回復を必ずや果たしてまいります。これからの宝グループに、どうぞご期待ください。