当社は、品川区の本社に138人、全社で357人が働いていますが、従業員の増加や、サテライト勤務・フレックスなどの定着により災害時に「今、誰がどこにいるか」を把握しづらくなりました。そこでコロナ禍を機に体制と運用を刷新。本社部門長、各拠点所長・マネージャー、CSR安全推進室所属者など23人を「事業所防災リーダー」として登録しました。災害時には初動対応、避難誘導、情報収集、社内連絡を役割分担して判断スピードを高めています。
災害情報は集めるだけでは意味がありません。そこでCSR安全推進室では気象庁・東京都などの情報を整理し、全社で日常使いしている社内コミュニケーションツールで共有できる仕組みを構築。スマホでも確認できるため閲覧率は非常に高く、豪雨・台風前の研修中止の連絡に使うなど、災害時の非常時連絡の手段として活用しています。 社員が帰宅困難者とならないためにも、災害時はむやみに移動せず安全確保を最優先にする「職場待機」が基本です。そのため3日分の備蓄を確保し、ヘルメット、飲料水、アレルギー物質不使用の非常食、ペンライトなどをセットにした防災リュックを全員に配布。簡易トイレも人数分を確保し、備蓄庫は鍵をかけず、誰でもすぐに取り出せる運用にしています。
当社ならではの備えがフォークリフトのバッテリーを電源として活用する仕組みです。外部給電器はソリューションベース板橋に常備し、本社への整備も含めて全拠点への展開を進めています。さらに品川区と災害時のフォークリフト貸与に関する協定を締結し、警察・消防向けの操作教育も行ってきました。「災害時帰宅支援ステーション」への登録や、国道15号徒歩帰宅者支援対策協議会での副会長就任など、地域連携にも取り組んでいます。
社内では消防署立会いの避難訓練やAED講習に加え、2023年から拠点ごとの参加型「防災ミーティング」を始めました。地域特性に合わせた対策の議論で理解が深まり、防災意識の向上にもつながっています。
今後も全従業員が実践訓練に参加できる仕組みづくりと、機器の更新・改善を継続予定です。「日常のコミュニケーション基盤を災害対応に接続し、地域にも力を還元する」。その積み重ねで災害時にも止まらない会社をつくっていきます。
私たちは現場で実際に動けるかを軸に、総務課3名でプロジェクトチームを組み、自社の防災を見直しました。きっかけはコロナ禍で訓練の機会が減ったうえ、地震や風水害のニュースが続いていたこと。東京都の「事業所防災リーダー」サイトなどの情報も参考にしながら、マニュアル・訓練・運用をアップデートしました。
最初に着手したのは安否確認の仕組みです。従来はメール連絡でしたが、回答のタイムラグや個人情報の扱いに不安を感じる社員もいました。そこで複数社を比較し、3社を試用したうえで、アプリ型の安否確認システムを採用。導入時の登録・初回訓練だけで終わらせず、1カ月後に再訓練を行い、報告の仕方や入力項目の漏れ等の課題を洗い出して運用を整えました。あわせて、社員・家族の不安軽減につながるよう、家族との連絡手段も周知しました。
また、「知っている」だけでは動けないと考え、防災訓練は、避難経路の確認に加え、参加者全員が消火器の体験をできる形に変更し、AEDを活用した救命講習には管理職の参加を必須化。停電を想定した事業継続計画(BCP)訓練も実施し、ポータブル電源の確保や代替手順を具体化しました。備蓄は食料・飲料水を2日分から3日分へと拡充し、地下と4階に分散して保管。食料は既存の品と更新時期をそろえることで管理負担も抑えました。ヘルメットは全社員に配付し、会議室には来訪者用も配置しました。イントラネットの掲示板では、訓練周知に加え、VR等の防災体験コンテンツも紹介し、日常の中で意識を高める工夫を続けています。
災害対策マニュアルも安否確認フローの修正やヘルメットの貸与規定の追加、関係機関連絡先の更新などを盛り込み、全面的に改訂。これからも「緊急時に誰でも動ける」組織づくりをさらに進めていきます。