ロボット分野を対象にしたアナログ・デバイセズの主要テクノロジーは次のとおりである。
これらのテクノロジーを組み合わせながら、EMIの多い環境でも堅牢な接続を実現する「コネクティビティ」、カメラやレーダーを活用した「パーセプション(認知)」、モーターなどの異常をAIで検知する「インテリジェンス」、効率的なバッテリ制御を実現する「パワー・マネジメント」、自己位置や姿勢を高精度に推定する「ローカライゼーション」、モーターを効率的に駆動する「モーション」などの各機能を実装した小型モジュールや基板などの開発と提案を進めている(図1)。
このうちモーションに関しては、2022年に買収した旧Trinamicのモータードライブ・ソリューションを提案する。ブラシレスDCモーターおよびステッピングモーターを高性能に制御できるのが特長であり、アナログ・デバイセズがモジュラー実装の検証用に開発したモバイル・ロボットにも搭載されている。
「ロボットや建機、農機の開発においても効率性が求められる中、開発エンジニアの確保も難しくなっています。お客様の開発負担を減らしてタイム・トゥ・マーケットに少しでも貢献するために、より使いやすいプロダクショングレードのモジュールや基板での提供に努めていきます」と須藤氏は説明する。
従来からある評価ボードやリファレンス・デザインではなく、よりアプリケーションに近い形での提案を通じて、ロボットメーカーや建機・農機メーカーの課題にアプローチしていく狙いだ。
アナログ・デバイセズはエコシステム・パートナーとの取り組みも強化している。既に自動運転ソフトウエアの開発を手掛けるティアフォーや、電波センシング技術を持つサクラテックから成果が生まれている(図2)。須藤氏は「餅は餅屋の考え方で、特定の技術領域を得意とするパートナー企業と一丸となって、お客様が使いやすいソリューションを増やしていきます」と述べる。


また、インダストリアル分野でグローバル・パートナー企業との協業を加速するためにアイルランドにあるリムリック工場に隣接したコラボレーション拠点「ADI Catalyst™」をベースに、医薬品やヘルスケア製品の製造を手掛ける業界大手のジョンソン・エンド・ジョンソン他とロボット関連技術の開発を進めている。
以上、アナログ・デバイセズの取り組みの一端を紹介した。ロボットの活用は、製造、農業、建築・土木の他、物流、医療、介護など、各種業界でさらに進むことは確実だ。「高い技術力を持つ日本のロボットメーカーや建機・農機メーカーのお客様の課題に寄り添っていきたいと考えています」と須藤氏は展望する。
インテリジェント性を高めたロボットやヒューマノイド型ロボットをはじめとする次世代ロボット開発の強力な味方になってくれるだろう。