日経ビジネス電子版 Special
「人財」への想いをデジタル化で実現

アフラックが人事領域でも
最先端を走り続ける理由

意欲と能力を最大限に発揮できる
「人財マネジメント制度」を導入

 アフラックが導入した新たな「人財マネジメント制度」は、「社歴・年齢・性別に関係なく、意欲と能力のある人財が、自律的に働き、最大限に力を発揮しながら、主体的にキャリアを構築できる環境を実現する」ための制度である。

 同社はこれまでも、人財に様々な活躍の機会を提供することで成長を遂げてきたが、時代は目まぐるしく変化している。

 「超VUCAと呼ばれる先行きの予測が困難な時代においても、お客様や社会に新たな価値を提供し、CSV経営を実践しながら企業として成長を続けていくためには、変化に機動的かつ柔軟に対応していく必要があります。そのためには、多様な価値観を持った人財が、自ら考え、一人ひとりが機動的かつ主体的に行動できる『人財マネジメント制度』を導入することが不可欠だと考えたのです」と、伊藤氏は制度改革の経緯について説明する。

 同社は、新しい「人財マネジメント制度」に沿ったキャリア形成を支援するため、人財育成プログラムも強化した。「上司との1on1ミーティングなどを通じて自らが目指すキャリアを描き、具体的にキャリア形成に取り組みたいという意欲を持つ社員は、CDP(キャリア開発計画書)を作成し、会社が提供する様々なトレーニングや自己啓発メニューを活用しています」と伊藤氏は説明する。

 CDPの作成によって将来の目標が「見える化」し、それを手に入れるための努力を会社が支援してくれるということで、社員の会社に対するエンゲージメントは高まっているという。

 このように人財を大切にするアフラックの姿勢は、入社希望者にとっても大きな魅力のようだ。実際、同社への入社を希望する学生や中途採用希望者は、年々増え続けている。

紙の書類による入社手続きに
課題を感じる

 「もともと、当社が掲げるコアバリューやCSV経営に魅力を感じて入社を希望される方は多かったのですが、キャリア形成の機会が広がったこともあって、ますます希望者が増えています」と語るのは、同社 人財戦略第二部 ビジネスパートナー課 課長代理の東條茜氏である。

アフラック生命保険株式会社
人財戦略第二部 ビジネスパートナー課
課長代理
東條 茜
2011年にアフラック入社。契約サービス部門での業務を経て、17年から人事部採用課に配属。採用業務に従事し、21年1月から現職。

 入社希望者が増えることは、企業としては重要なことである。少子化の加速とともに、優秀な人財の獲得は難しくなっているからだ。

 だが、一方で同社は、「増え続ける入社希望者に、満足度の高い対応ができていないのではないか」という課題を感じるようになった。とくにそれを痛感したのは、入社手続きの煩雑さであった。

 「例えば新卒の内定者には、入社までの数カ月間にさまざまな手続きを行ってもらいますが、やり取りの大半は紙の書類によるもので、種類や枚数は膨大でした。同じ内容を何度も手書きで記入したり、写真を撮影して貼ったりするという手間がかかります。こういった申請がほぼ初めてとなる内定者にとっては、どれから順番に手を付けたらいいのか分からないという課題もあったかと思います」と東條氏は振り返る。

 アフラックは独自のDX戦略である「DX@Aflac」を推進していることから、その先進性に魅力を感じて入社を希望する人も増えている。しかし、入社手続きが紙のままでは、「本当にDXが進んでいるのか?」と思われかねないことも懸念点であった。

 また、「紙によるやり取りのままだと、内定者が増加するにつれて、手続きを処理する私たちの業務負荷も重くなります。内定者一人ひとりの手続きがどこまで進んでいるのかをチェックし、書類の不備や遅れがあれば、電話やメールで連絡をしなければなりません。十分に対応できなければ、内定者の満足度やエンゲージメントが下がることにもなります。そうした課題を抜本的に解決するため、入社手続きをデジタル化することにしました」と東條氏は説明する。

 アフラックは、社内の業務を効率化、自動化するためのデジタルプラットフォームとして、以前からServiceNowを活用していた。そのプラットフォーム上で動く人事サービス用ソリューションのHR Service Deliveryを、デジタル化のための基盤として採用した。