20名で行っていた問い合わせ対応が
たった1名でも可能に
トプコンがリリースしたITSMを基盤とするITサービスの社内ポータルは、問い合わせの内容によって選べるサービスカタログ、よくある問い合わせ内容の解決方法を網羅したFAQ、問い合わせに関するキーワードを入力すれば、該当するサービスや解決方法が表示される検索窓などで構成されている。
社内ユーザーがこのポータルを使って問い合わせやリクエストをすると、インシデントチケットが起票され、それに基づいて対応するIT部門の担当者が自動的にアサインされる。担当者が処理を完了すると、問い合わせやリクエストを行ったユーザーに自動通知され、インシデントチケットが回収される仕組みだ。
最初にチケットを受け取った担当者(一次受け)が問題を処理できない場合は、二次受け、三次受けの担当者にチケットが自動的に回され、解決されたところでユーザーに通知が届く。ユーザーは、問い合わせた内容を誰が、どこまで処理しているのかをポータル上で確かめることもできる。電話によるやり取りのように、受け付けた担当者すらどこまで処理が進んでいるのか分からず、待たされてイライラすることはない。
トプコンはこの社内ポータルの開発を、ServiceNowの導入支援に関する経験が豊富なSIerに委託。このSIerは、ITSMによる社内ポータル構築のためのテンプレートを用意していたので、わずか5ヵ月でリリースすることができた。
中島氏は、社内ポータルの導入効果について、「電話によるやり取りをなくし、すべて社内ポータル経由にしたことによって、問い合わせ担当者の工数が削減されたことが大きな成果です」と語る。
かつては約20名の担当者が1日中、問い合わせに対応していたが、今ではたった1名の担当者だけで対応できるようになった。
「あらかじめ400以上のFAQを用意しているので、よくある問題はユーザー自身で解決できます。その分、少ない人数でも十分に対応できるようになりました。他の担当者に電話で解決を依頼する必要がなくなったことも、大幅な省力化に結びついています」(中島氏)
日本国内だけでなく
アジア全域で社内ポータルを活用
一方で、ユーザーからの問い合わせ件数は、社内ポータルのリリースによって大幅に増えたという。電話のように、待たされたり、たらい回しにされたりすることがなく、いつでも問い合わせが受理されるからだ。対応のスピードも、電話による問い合わせに比べると格段に速まり、多少遅れたとしても、どこまで進んでいるのかが把握できるので安心である。
しかも、FAQに基づいた回答が得られるので、かつてのように担当者ごとにバラバラの答えが返ってくることはない。このように、サービスの品質が著しく向上したことが、問い合わせ件数の増加に結び付いているようだ。
「社内ポータルをリリースして以来、ユーザーからの問い合わせは月400件ほど寄せられるようになりました。それをたった1名の担当者が一次受けとして処理しているのですから、省力化の効果は絶大です。その分、IT部門の担当者はDXに関連する業務に専念できるようになり、一方で問い合わせをするユーザーのサービスに対する満足度も上がるのですから、一石二鳥の効果が得られていると言えます」と中島氏は語る。
トプコンは、このITサービスのための社内ポータルを、日本国内だけでなく、アジア全域の拠点で利用している。同社は、グローバルにおけるデジタル基盤の共通化を進めており、その一環として、日本のIT部門がアジア全域のITサービス管理を行うことにしたのだ。
「以前は、それぞれの国・地域がバラバラにITサービス管理を行っており、どの拠点がどんなIT資産を持っているのか分かりませんでした。そこで、私自身がすべてのアジア拠点を実際に回って状況を把握し、その上で社内ポータルを構築したのです」と中島氏は説明する。
同社がServiceNowのITSMを社内ポータルの基盤として選定したのは、マルチリンガルに対応しており、グローバルに利用できることも理由の一つであった。
トプコンはすでにServiceNowのプラットフォームを社内DX基盤の一つとして、ITサービス管理以外の領域で広く活用し始め、各現地法人からの在庫確認や、発送問い合わせ機能にも拡大している。「今後は総務や営業などの問い合わせ対応にも使っていきたい。お客様からの問い合わせを受け付けるコンタクトセンターに導入することも視野に入れています」と中島氏は明かす。
ServiceNowの活用によって、トプコンのDXはさらに前進しそうだ。
