ServiceNowとの
戦略的協業を加速させる
NECでは企業価値の向上のために、事業戦略、事業ポートフォリオ、財務戦略、文化、人を重要要素と位置付けている。
「その中でも人の変革は、非常に重要だと考えています。従業員の『変わろう』とする意識を醸成し、『変わる』ための行動を促すことが、すべての改革の原動力となるからです。そんな意識と行動の変革を支援する環境づくりのため、当社は社内システムを仮想的に統合するOne NEC System化という構想を掲げました」と小玉氏は明かす。
この構想を速やかに実現するため、NECは社内のみならず、異業種やアカデミアなど様々なパートナーとの協業を模索した。その中で出会ったのが、ServiceNowであった。
「ServiceNowは、Now Platformという単一プラットフォームで様々なシステムをつなぎ、それによって卓越した顧客体験や従業員体験、飛躍的な生産性向上を実現するという明確なコンセプトを持っています。しかも、コンセプトを具現化するための豊富なサービス群やアーキテクチャが整備されており、One NEC System化を一緒に実現するのにふさわしいパートナーであると認識しました」(小玉氏)
もう一つ、小玉氏がServiceNowに共感を覚えたのが、自らシステムの導入・構築や運用の経験を積み、その知見を顧客や社会に還元するという姿勢である。これは、「社内のDX」で培った経験やノウハウを「お客様のDX」「社会のDX」に還元するというNECの考え方と完全に一致する。
「先ほど触れたように、NECには、自社がゼロ番目のクライアントとして、先進的な取り組みを行うという『クライアントゼロ』の考え方があります。ServiceNowも全く同じ考え方のもと、開発したソリューションをまず自らが試し、ブラッシュアップをしたものをお客様に提供しているという話をうかがって、ますます共感が強まりました」(小玉氏)
小玉氏をはじめとするNECの経営層は、2021年以降、ビル・マクダーモットCEOをはじめとするServiceNowのエグゼクティブと密接なコミュニケーションを重ね、2022年には両社の戦略的協業を加速させることで合意した。
こうして、NECの「コーポレート・トランスフォーメーション」におけるServiceNowの活用は本格化していく。「NECとServiceNowがワンチームとなって、自分たちが得た経験、ノウハウをお客様や社会に還元していくという方向性が定まりました」と小玉氏は語る。
ITサービスの問い合わせ窓口を集約
リードタイムが最大57%も短縮
NECによるServiceNowの導入プロジェクトは、2020年に始まっているが、NECは手始めにServiceNowのInspire Valueプログラムを利用して、自社のデジタル成熟度を診断した。
「導入の効果が早期に出るポイントを明らかにして、優先順位付けをするためです。診断の結果、具体的に我々が最初に対応すべきポイントは、従業員エクスペリエンスのとくに、社内ITサービスの窓口の高度化への対応だと認識させられました」
そう語るのは、ServiceNow CoE 責任者として従業員エクスペリエンス向上施策をリードする同社 コーポレートIT・デジタル部門 経営システム統括部 上席プロフェッショナルの井戸川 誠氏である。
課題として浮かび上がったのは、社内のITサービスの問い合わせ窓口が500以上もあり、社員がどの窓口に問い合わせたらいいのか分かりにくいことであった。
「当時は、社内の多くのITサービス窓口がそれぞれの専用サイトやシステムで問い合わせに対応しており、窓口を探す手間がかかるだけでなく、システムごとに異なるUIや操作方法に戸惑う社員も少なくありませんでした。そこで、まずはServiceNowのIT Service Management(ITSM)を導入し、窓口の集約とUIの一元化を図ることにしたのです」と説明するのは、NECでServiceNowの導入プロジェクトを担当するコーポレートIT・デジタル部門 経営システム統括部 プロフェッショナルの武田 亮介氏だ。

コーポレートIT・デジタル部門 経営システム統括部
プロフェッショナル
武田 亮介 氏

コーポレートIT・デジタル部門 経営システム統括部
上席プロフェッショナル
井戸川 誠 氏
従来は、専用サイトやシステム、電話、電子メールなど、受付手段が統一されていないことも課題であった。そこで、ITSMを使ってITサービス専用の問い合わせポータルを作り、500以上あった窓口のうち、とくに利用率の高い137の窓口をこのポータルに集約することにした。
これによって、主な問い合わせはポータルで行えるようになり、操作方法に迷うこともなくなった。「その上、各サービスや手続きに関するFAQを集約し、ポータル上で調べられるようにしたので、問い合わせをしなくても自己解決できる割合が高まりました。結果的に従業員エクスペリエンスは向上し、窓口担当者の業務負荷も軽減されるという効果が表れています」と武田氏は語る。
窓口担当者側にも、問い合わせを受けると関連するナレッジ記事を自動提案する機能を設けたことで、回答のリードタイムが最大57%短縮されるという効果も出ているそうだ。
「社員によるポータルを使った問い合わせ件数は月間約2万件、ナレッジ記事の参照は月間約13万ビューに上っており、活用が進んでいることを実感しています」(武田氏)
社内DX ServiceNow Blueprint
ServiceNow で実現する業務DX(統合エクスペリエンス)
