ServiceNow World Forum Tokyo 2025 Special Review for CRM 優れたワークフローとAIで「おもてなし」を実現 ServiceNow CRMがもたらす新たな顧客体験
顧客サービス向上のため
ServiceNow CRMを使ってポータルを開発
ServiceNow CRMは、金融機関のカスタマーエクスペリエンスを向上するソリューションとしても活用されている。「農林中央金庫が挑むDXを通じた組織風土改革への道のり ~内製化から外販への挑戦・最新技術の活用~」のセッションで、顧客向けポータルサイトをServiceNow CRMで構築しようとしている事例を紹介したのは、農林中央金庫(農林中金) IT統括部 DX共創グループ 部長代理の黒澤 歩氏である。
農林中⾦は、農林⽔産業の協同組織をバックボーンとする全国⾦融機関であり、預⾦や貸し出しなどの業務も⾏っている。
ServiceNowは、日本の多くの金融機関に採用されており、農林中金もDXの一環として導入を決断した。その当初の狙いは、陳腐化していたグループウェアのワークフロー機能や、パッケージをカスタマイズして利用していたオンプレミスの決済ワークフローシステムなどを、ServiceNowの洗練されたデジタルワークフローに置き換えることにあった。
「社内すべてのワークフローをServiceNowに集約し、業務の整流化と開発の内製化を実現したいと考えました」と、黒澤氏は導入の理由について説明した。
農林中金は、ローコード開発の手法で様々なアプリが簡単に作れるServiceNowのApp Engineを使い、手作業で行っていた様々な申請・承認の業務を簡素化した。当初から、職員が自ら業務プロセスを見直し、それに合ったアプリを開発する内製化を目指していたが、その理想は徐々に現実へと近づいているようだ。
「将来的には、内製で作り上げたシステムやアプリを外販していくことも視野に入れています」と黒澤氏は語った。
その一方、顧客サービス向上のため、農林中金がServiceNow CRMを使用して開発を進めているのが、「農林中金クライアントポータル」だ。
ServiceNowのファイナンシャルサービスオペレーション(FSO)を活用することで、スクラッチ開発に比べて費用対効果の高い開発ができると判断。現在、構築を進めており、2025年度中のリリースを目指している。
FSOはServiceNow CRMをベースとし、金融機関の業務に特化したワークフローが標準搭載されたソリューションだ。ServiceNowでは金融機関以外にも製造業や通信業、政府機関向けなど業種特化のCRMソリューションを用意している。
黒澤氏は、「証書借入や専用当座貸越の電⼦契約の締結や、専用当座貸越の実行申込、融資残⾼の照会、各種問い合わせなどがポータル経由でできるようになる予定です。将来的には生成AIなどを活用して利便性を高めていきたい」と語った。
また、農林中金は、AIエージェントを使って社内サービスへの問い合わせ対応を自動化することなども検討している。
黒澤氏は、「社内FAQのナレッジをServiceNowに蓄積し、それを基に回答を行わせることで、AIエージェントの回答精度はどんどん上がっていくはず。お客様へのサービスも含め、今後もAIを徹底活用し、しっかりと育て上げていきます」と未来を見据えた。
IT統括部
DX共創グループ部長代理
黒澤 歩 氏
公共、金融機関、通信、製造業などで
効果が期待できる
ここまで見てきたように、ServiceNow CRMは、日本でも自治体や事業会社、金融機関など、様々な事業体で活用されている。
その機能は年々進化を遂げており、「ServiceNow World Forum Tokyo 2025」でも、いくつかのソリューションのアップデート情報が紹介された。
大きく進化した点の1つが、CPQ(Configure、Price、Quote)ソリューションの強化だ。
特別セッション「CRM Solution Keynote ~AI時代のCRMのあり方を考える~」に登壇したServiceNow CRMの開発ヘッドであるジョン・ボール氏は、「セールスプロセスにおいて重要なCPQ(製品構成、価格設定、見積もり)のプロセスは、とくにハイテク、製造、医療の分野で複雑化し、業務が破たんしている企業も少なくありません。ServiceNowは、2024年にLogik.aiという企業を買収し、同社が開発したCPQソリューションをServiceNowのプラットフォームに統合しました。これによって、ユーザー企業のCPQ管理は格段に向上するはずです」と語った。
また、ServiceNow CRMには、外部のデータをコピーせずに取り込めるゼロコピー対応のプラットフォームやワークフローが備わっているが、これらは、AIを活用する上で非常に頼もしい土台となる。
ボール氏は、「モダンなCRMには、生成AIやエージェンティックAI、および従来の機械学習を含むAIが不可欠です。ServiceNow CRMには、それらを効果的に機能させられる土台が整っているのです」と説明した。
ボール氏に続いて特別セッションに登壇したのは、ServiceNow Japan CRMワークフロー営業本部 本部長の坪田 駆氏である。
坪田氏は、「ServiceNowは日本市場に非常に大きくコミットしています。なぜなら、経済規模だけでなく、日本が持つ可能性、とくに『おもてなし』の心に象徴されるカスタマーサービスの強みを信じているからです。日本はServiceNow CRMによって最大の成長市場の1つであり、グローバル市場の成長スピードが2倍であるのに対し、日本は4倍でビジネスが拡大しています」と語った。
さらに坪田氏は、「日本において、とくにServiceNow CRMが効果を発揮するのは、公共、金融機関、通信、製造業などの基幹産業です。これらの業界は、一時的な顧客接点だけでなく、ライフサイクル全体を通じて顧客接点を管理し、発展させることがビジネスにおいて重要だからです」と説明した。
部門をまたぐ複雑なバリューチェーンやワークフローを一元的に処理し、最高の顧客体験を提供できるのが、「ServiceNow CRM」の大きな強みだ。
坪田氏は、「カスタマーエクスペリエンスを最大化するServiceNow CRMで、持続的なビジネスの成長を目指していただきたい」と語り特別セッションを締めくくった。
EVP & GM
CRM & Industry Workflows
ジョン・ボール 氏
CRMワークフロー営業本部
本部長
坪田 駆 氏


