物流・ロジスティクス チャンネル

物流DXの死角

IoT×生成AIで現場改善
物流クライシスを乗り越えよ

一足飛びではない物流改革。身近なDXで業務改善

物流分野では、RFID(無線ICタグ)やバーコード、QRコードなどを使った荷物のトレーサビリティは普及している。しかし多くの物流企業において、「可視化できているのは荷物だけ」といっても過言ではないだろう。可視化が重要なのは、改善のベースとなるからだ。

製造業では、ボトルネック探しのために可視化を徹底している。生産ラインの後ろで担当者がストップウォッチを持って作業時間を測定している光景は、改善の象徴としてよく紹介される光景だ。「大手物流企業において、改善の考え方や手法を取り入れるケースが増えています」とソラコムのテクノロジー・エバンジェリスト 松下享平氏は指摘し、説明をする。「荷物取扱量急増に対応できず、サービス維持が困難となる、物流クライシスが進行しています。人手不足が深刻化する中、人材採用も難しい。従業員1人ひとりや業務フローに目を向け、徹底的に改善し、生産性向上を図ることが急務です」

重要な視点は、「目の前のできる範囲から改善を進めていく」ということ。理由は2つある。1つ目は、コストをかけず、現場がアイデアを出し合い、業務効率化を実現できること。仕事との向き合い方を変える機会にもなる。2つ目は、大きな投資をしなくても、サービスとしてIoTやAI、クラウドを活用したソリューションを利用できる時代になったこと。デジタル技術という道具を上手く使うことで、苦境がチャンスに変わる。

人材不足の解消では、自動倉庫やロボットは有効な解決策となる。しかし、コストや時間を要する。投資対効果の観点から、導入のハードルは高い。「一足飛びの物流改革ではなく、今できることから1つ1つ改善を積み重ねることが大切です」と松下氏は話し、例を挙げる。

「倉庫の人員を適切に配置するためには、入荷、在庫、出荷と時間をセットにした可視化が重要なポイントとなります。例えば、配送トラックの到着時間がわかれば、『何時に倉庫前に集まってください』と、スマホのアプリを使って作業員にメッセージを送信できます。トラックを待つ時間の有効活用と、遅延の際に管理者の迅速かつ的確な判断につながります。また、AIカメラで現場を可視化することで働き方や動線の最適化が図れます」

「一足飛びではない物流改革」で取り組む課題は企業によって様々だ。課題解決に向けて、技術や製品、クラウドサービスを組み合わせるには、知見やノウハウが求められる。それらをワンストップで提供するのが、ソラコムのIoTプラットフォームだ。LTEや5G(第5世代移動通信システム)などをIoT向けに提供し、契約回線数は世界で700万以上に及ぶ。IoTとは、センサーやデバイス、カメラを使って、モノやコトをデジタル化し、データ活用による付加価値を創造すること。ソラコムのIoTプラットフォームは、低コストのIoT SIMはもとより、デバイスからクラウドまで一気通貫でサポートしており、専門領域に強みを持つパートナーと連携する基盤だ。これまでにないIoTソリューションにより現場の様々な課題解決を支援している。

ソラコムのIoTプラットフォームは、デバイス、IoT SIM、クラウドまで一気通貫でサポート。専門領域に強みを持つパートナーと連携し様々な課題を解決する

単一乾電池と同じ重さのクラウド型カメラで
様々な現場を可視化

労働集約型産業の物流は、人手に頼る要素が多い。発想を転換すると、スタッフ1人1人の生産性を高めることで、全体の効率が大幅に向上できる。何をどう改善するか。ポイントは、生成AIを活用した現場の可視化だ。

「倉庫の棚のどこが空いているか。一般的に、重量センサーや入出庫履歴を見て想定していますが、カメラの画像を見れば一目瞭然です。さらに生成AIを組み合わせることで画像分析により棚の最適化が図れます。『カメラ×生成AI』による可視化で、荷解きのタイミングや状態の確認、検品も効率化できます。品質管理や作業動線、ピッキング、ロケーションなどで、どこに問題点があるのかを、客観的に見ることも可能です。新たな気づきにつながるメリットは大きいと思います」(松下氏)

従来、カメラやネットワークを使った可視化システムは、多くの費用と時間を要した。ソラコムのクラウド型カメラサービス「ソラカメ」は、これまでの監視カメラの常識を覆す。「監視カメラは高額で、手軽に『ここを見てみよう』といったニーズからは遠い設備です。ソラカメは、カメラで撮影したデータをクラウドにあげる仕組みとなっています。カメラの機能をシンプルにすることでコストを大幅に削減できました。また単一乾電池1本と同じ重さのため、どこでも簡単に設置できます」と松下氏は話し、こう強調する。

「ソラカメは、電源とWi-Fiがあれば工事の必要がなく、スマホを通じて5分の簡単セットアップですぐに利用できます。初期費用3980円~、クラウド利用料月額990円~/台です。録画映像はセキュアなクラウドに保存されるので、現場にレコーダー装置などを置く必要もありません。

1台から利用できるため、『ここを可視化したい』というニーズに対し、トライアルも容易に行えます。さらに、IoT SIMと中継器をセットにした「ソラカメ専用セルラーパック」により無線環境がなくても利用できます。倉庫の様々なシーンはもとより、輸送におけるトラックに設置することで空荷率の把握も可能です。パートナーやお客様のアイデア次第で、新たな気づきを持つソリューションが生まれるのもソラカメのアドバンテージとなります」

低価格でどこでも簡単に設置。初期費用3980円~と手軽に見たいところを可視化できる

センサーやカメラなどのデバイス、データを蓄積するクラウドストレージ、分析する生成AIをつなぐためにはスキルが必要となる。それらをWebブラウザで指定し、ローコードでIoTアプリケーションを開発できるサービスがSORACOM Flux(フラックス)だ。IoTデータ活用の裾野を広げる。「例えば、これまでカメラ動画から輸送トラックが到着したことをAIで判定させるためには、大規模な機械学習の仕組みが必要でした。SORACOM Fluxを利用すれば、生成AIに対し『到着してる?』と会話で問い合わせるアプリも容易に開発できます。当社のメンバーは、自宅前の置き配を確認するアプリを2日間でつくりました。カメラ設置、データ活用、AIによる判定まで、スピード感を持って実現できます」(松下氏)

デバイス、AI、クラウド間の流れを自在に制御し、ローコードでIoTアプリを開発できる

社内物流で複数社にまたがる位置情報の一元管理を実現

ソラコムのIoTプラットフォームにおいて、国内導入事例では、輸送中や出荷現場の温湿度の記録・管理などセンサーを活用したケースも多い。また、社内物流の課題を解決した事例もある。輸送トラックにおける位置情報の課題は、1社で完結していない場合に情報が分断されるという点だ。独自の素材・ソリューション事業を展開するAGCは、社内物流において複数の運送会社を利用していた。位置情報を一元管理するために、ソラコムのGPSマルチユニットをすべての運送会社に配布。全体最適の観点から、稼働分析により輸送力と問題点を把握し輸送密度の向上につなげている。

1台に位置情報(GPS)、温度、湿度、加速度センサーと充電式バッテリー、省電力通信LTE-Mを内蔵。長時間のセンシングとデータ送信を実現する

ソラコムのGPSマルチユニット導入により、位置情報を活用することで短期間かつコストを抑えながら競争力強化が図れる。物流は、輸送と倉庫を両輪とするサービスだ。IoTプラットフォームのもと輸送と倉庫をデータでつなぐことにより、サプライチェーン全体の効率化にも寄与する。

ビッグバン的に物流改革を行う時代ではない。企業ごとに課題が異なり、配送先・配送元も細分化しているからだ。ソラコムのIoTプラットフォームは、デバイス、IoT SIM、クラウド、IoTアプリ開発環境を使って、パートナーがソリューションを開発・提供。それらを適材適所で利用し身近なDXを進めることが、物流企業における成長の礎となる。ソラコムは物流業界のお客様に寄り添い、課題解決を支援していく。

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株式会社ソラコム

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