
HATARABA
2024/7/18
この調査は、首都圏の従業員規模50人以上の企業に勤務するオフィス構築担当者1000人と、新卒1~4年目のオフィスワーカー(以下、「若手社員」)1000人を対象として、2024年5月に行われた。
「出社に抵抗感を抱きがちな若手社員の出社意欲を高めようと、オフィスの内装にこだわっている会社が増えています。そうした対策にはどの程度の効果があるのか。若手社員にオフィスへ前向きに出社してもらうための、大切な要素は何か――そんな疑問が出発点となって、この調査を企画しました」とHATARABAの柳沢 晃太郎氏は説明する。

調査ではオフィス環境と併せて、若手社員の出社に対する意識もリサーチされた。まずはそちらの結果から見ていきたい。「オフィスに出社するメリットは何だと思うか」との質問には、若手社員の半数近くが「対面で仕事の相談がしやすい」「働きやすい環境が整っている」「集中しやすい」と答え、出社することに意義を見いだしていることが分かる。その反面、「出社にメリットを感じていない」とした人が約1割いた。
また、回答した若手社員の6割以上がフル出社しており、その8割近くが「出社頻度を下げたい」と回答。出社頻度と出社メリットのクロス分析では、「対面で仕事の相談ができる」といった理由から、週3~4日出社する人がオフィスの意義を最も強く感じており、フル出社やフルリモートに比べ、ある程度リモートワークを交えて働く人のほうが出社に前向きであることも分かった。
肝心のオフィス環境についてはどうだろうか。ビル自体やオフィスの内装の「きれいさ・おしゃれさ」については、オフィス構築担当者の約60%が「若手が働く上でのモチベーションにつながる」と考えたのに対し、「つながる」と答えた若手は意外にも40~50%にとどまった。
一方、社食・ジム・バーといった「オフィス内福利厚生の充実」が「モチベーションにつながる」と考える担当者は約50%。「つながる」と回答した若手は約60%にも上っている。
いずれも両者の意識が極端にかけ離れているわけではないが、若い世代はビルのエクステリアやオフィスの内装といった見た目より、働く上での現実的なベネフィットを重視することを示すのではないか、と柳沢氏は推測する。
「オフィス内にフィットネスジムを設ける企業は以前からありましたが、最近はサウナまで備えるケースも見られます。社内に開設するのは無理でも近隣の施設を利用できるようにする企業もあり、こうした取り組みは心身を適宜リフレッシュすることを重視する若い世代の出社意欲を高める上でも一定の効果が期待できそうです」(柳沢氏)
ただし、オフィスの内装については会社側との意識の差はあるものの、ほぼ半数の若手が「モチベーションにつながる」と答えている。「見た目」をよくすることは必ずしも必須ではないが、一定の効果が見込めるのも確かだ。オフィス構築担当者に必要なのは、「自社の従業員の思いを把握して、施策に的確な優先順位を付けることではないでしょうか」と柳沢氏は指摘する(図1)。
この調査からは、もう1つ興味深い結果が得られている。それは、「オフィスの立地」が「働くモチベーションにつながる」とした若手社員が6割近くもいた点だ。「入社の決め手につながったか」との質問に対しても、7割強が「決め手になる」「決め手ではないものの判断材料の1つである」としている。
最寄り駅の土地柄や乗り入れ路線の数、周辺施設の充実ぶりなど、立地の良さの条件は多様だが、圧倒多数の人が気にかけるのが「駅からの距離」である。近ければ近いほど望ましいため、移転する際駅直結のオフィスビルにこだわる企業も少なくないようだ。
具体的な場所(エリア)については、業種や職種などにより重視される場合とそうでない場合があり、例えば「IT系やベンチャー企業なら渋谷エリア、外資系なら虎ノ門や六本木など港区内のエリアに構えることがブランディング戦略の1つになり得る」と柳沢氏は言う。
「ある会社は池袋にあったことから埼京線沿線に住む従業員が多かったのですが、別のエリアに移転したことで通勤しづらくなった人たちが相次いで離職しました。そこで新宿に再移転すると、埼玉方面に住む人の応募が再び増えて元の社員数に戻せたという事例があります。このように採用活動にも大きく影響する立地は、内装のように簡単に変更することはできません。若手のモチベーションに関わることも考えると、オフィス選びでは、まず立地を十分に検討することが重要だと思います」(柳沢氏)
本調査ではさらに、「若手がオフィスに求めるもの」を上位3つの選択方式で問い、その具体像を明らかにしている。その優先順位は、図2で示した通りだ。しかしオフィス構築担当者がこれら多彩な項目に配慮しながらオフィスの環境を整えるのは、決して容易なことではない。
そこでHATARABAでは「オフィス移転コンサルティング」というサービスを提供している。これは現在のオフィスの現状分析から、物件選定、賃貸借契約、内装構築やその後のアフターフォローまで、オフィス移転に関するすべての段階をサポートするもの。その大きな特徴は、単なる物件の案内・仲介にとどまらず、各企業のニーズを組んだ「移転体験」を提供している点だ。
例えば、現状分析のフェーズでは必要に応じて独自のサーベイサービスを提供している。これは、部署・役職・職種など様々な切り口でオフィスの利用状況を計測し、課題や改善点を顕在化するのだ。「出社率に見合った適正なデスク数や会議室の広さを知りたい」といった相談にも対応し、合理的なオフィス活用に向けた施策を提案するという。
このほかにも、物件選定の際に物件比較表を作成したり、契約時にはリーガルチェックを代行したり、内装構築時には内装会社の選定や各種アドバイザリー業務を行ったりと、実に多岐にわたる。なぜこうしたサポートを同社はワンストップで行えるのか。柳沢氏はその理由を次のように語る。
「創業直後は、スタートアップやベンチャー企業のサポートに力を入れ、お客様の事業成長に合わせて最適なオフィス環境を整えるお手伝いをしてきました。近年は、大手企業やメガベンチャー企業に対してご移転やオフィス課題の解決をサポートする機会もかなり増えています。こうしたこともあり、移転だけでなく今お使いのオフィスの最適化、従業員が出社したくなるオフィスづくりまで、あらゆるニーズにお応えできるのです」
オフィスは経営戦略上の重要な要素でありながら、その整備に関して専門的な知見を有する担当者がいる企業は少ない。多様な働き方への対応を迫られる中、こうしたコンサルティングサービスを活用して若手はもちろん、どの従業員にとっても快適な環境を用意することは、働く人の意欲を高めるだけではなく、企業価値そのものを向上させることにもつながりそうだ。

広報室:西條恵
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