
NEC
2024/2/27
パンデミック、国際情勢の急変、為替の急激な変動といった世界的な事象に加え、生成AIやVR、ロボット、次世代モビリティーなど急速に進化する技術──。この数年間、企業は実に様々な環境変化への対応を求められてきた。文字通りVUCA(ブーカ=変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代である。
VUCA時代の競争に勝ち抜くため、経験や勘に依存するのではなく、蓄積した膨大なデータを価値に変換して、ビジネス成果を生み出すことが重要となっている。例えば製造業では、生産プロセスの改善、需要予測の精度向上、故障予兆などエンジニアリングチェーンマネジメント(ECM)、サプライチェーンマネジメント(SCM)の領域でデータ活用が進んでいる。また、保険業では、既存の保険の販売にとどまらず、ヘルスデータなど顧客データを駆使して、新しいサービスを提供するなど新たな事業展開を進めている。こうしたDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みは、VUCA対応において成否のカギを握る。
しかし、日本においては「DXが進まない」という課題を抱えている企業も少なくないのではないか。様々な調査が、そのことを示している。NECがまとめた「NEC DX経営の羅針盤2023」という資料もその1つ。同資料は、アンケート調査を行い、企業のDXの進捗状況や実態を明らかにしているが、その中で「社会とビジネスイノベーション」「顧客体験変革」「業務変革・デジタルプラットフォーム変革」という経営課題に関するDXの状況を聞いたところ、「あまり実現できておらず、業界平均には達していないと思う」または「ほとんど実現できていない」と回答した途上企業、そして、未着手の企業が、かなりの割合を占めた。社会とビジネスイノベーション、顧客体験向上について言えば、途上企業と未着手の企業が半数を超えている。
では、何が日本企業のDXを阻んでいるのか──。大きな理由の1つが人材不足であろう。
そこで次ページから、DX人材の育成を数多く手がけてきたNECのキーパーソンに、その具体的な方法について詳しく聞いていく。同社では他社に先駆け早くからDX人材の育成に取り組み、そこで得たノウハウを基に顧客企業のDX人材育成を支援している。既に多くの成果を上げており、事例も紹介しながら、日本企業のDX人材育成についての「要諦」を明らかにしていく。