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多店舗経営を勝ち抜くカギは「データドリブンな意思決定力」 AI分析とデータ共有・活用強化、専門家が語る「秘訣」とは?

多店舗経営を勝ち抜くカギは「データドリブンな意思決定力」 
AI分析とデータ共有・活用強化、専門家が語る「秘訣」とは?

プロパティデータバンク

2024/3/28

データ活用と共有を進めるだけで、意思決定速度が飛躍的に向上

 前ページで挙げたような、情報の散在と業務の属人化はどうして起こってしまうのか。

杉山 真一氏
杉山 真一氏
プロパティデータバンク株式会社 管理部 フロンティア事業推進担当 担当部長

 「情報が散在し、共有されていないことはもちろんですが、分析や判断に至るプロセスやノウハウが組織として共有されていないことも要因です」と話すのはプロパティデータバンクの杉山 真一氏だ。

 これにより経営層の意思決定に時間がかかったり、判断を間違えたりするリスクが高くなってしまう。「そればかりか、競合他社に候補案件を奪われたり、一足先のキャンペーンやイベントで出し抜かれたりしてしまうことも少なくありません」(杉山氏)。

 こうした課題を解消するには、店舗開発や既存店運営におけるビジネス情報の流れを「丸ごと見える化」することが必要だ。その上で組織的な取り組みを促進し、店舗価値向上に向けた施策を迅速に実行していくわけだ。

 この実現に向けて、プロパティデータバンクが提供するのが店舗開発支援クラウド「@commerce(アットコマース)」である。これは、店舗ライフサイクルマネジメントをトータルに支援し、出店検討から既存店の運営管理、改善までワンストップで行えるサービスだ(図1)。

図1●店舗価値向上のサイクル
図1●店舗価値向上のサイクル
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情報共有を促進し、データ分析による知見を活用することで、業務の効率化と意思決定のスピード化を実現。店舗開発と既存店運営をワンストップでサポートし、売り上げ拡大につなげる
岸裏 直也氏
岸裏 直也氏
プロパティデータバンク株式会社 管理部 フロンティア事業推進担当

 「@commerceは人に依存していた情報の一元管理を実現し、収集した情報をAIで分析します。そのため人が行うよりもはるかに早く、膨大な情報の中から、条件やニーズにマッチした情報を即座に抽出できるようになります」とプロパティデータバンクの岸裏 直也氏は語る。

既存店情報×GISデータで勝ちパターンをつくる

 @commerceの利用は、データを集約することが前提となる。既存店の売り上げデータ、物件の契約書類やクレーム情報などのほか、出店検討のために担当者が収集した物件情報などを@commerceに登録する。

 これにより、情報の見える化と組織内での情報共有が可能になる。例えば、出店検討の場合を想定してみよう。検討中案件から過去に検討した案件まで一元管理されているため、案件のリスト化や絞り込み、ステータス管理、成功/失敗の要因分析などを容易に行える。さらに、登録された案件情報は自動でMAP上に展開されるため、候補案件の管理や比較検討を視覚的に判断することが可能だ。

 候補案件周辺の最新のGISデータとも連携できる。具体的には、人口動態や年齢分布、商業統計や総務省の家計調査、推計消費など多様なデータを取り込める。今後、曜日や時間帯の人流も加える予定だ。

 ここに競合店舗情報を加えれば、より高度な分析も可能になる(図2)。「例えば、半径500mのエリアを調べ、飽和状態と判断すれば出店しない。集客が見込めるなら、差別化を図り出店する。そういう判断の正確さと迅速さがアップします」と岸裏氏は述べる。

図2●競合店リストのサンプル画面
図2●競合店リストのサンプル画面
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エリアを指定すれば、競合数や立地関係を瞬時に確認できる。営業時間や口コミ評価などの競合店情報を登録すれば、商圏の成熟度や機会の大きさを測定する。出店する場合は差別化ポイントの検討などに注力できる

 さらに注目したいのは、出店後の売り上げなどの予測も行える点だ。「当社がアサインしたデータサイエンティストが既存店の売り上げデータや最新のGISデータを活用し、各社専用の分析モデルを作成します。それをシステムに組み込むことで、投資額と収支を基にした売り上げ予測や傾向分析を行い、その結果を即座にレポート化します」(杉山氏)。

 ロードサイド店か、SC(ショッピングセンター)店か。大規模店か、サテライト店か。分析モデルは店舗形態や規模など、様々なパターンを作成できる。売り上げだけでなく、入店客数などの予測にも対応するという。

 傾向分析を活用すれば、“勝ちパターン”も見えてくる。「例えば、月間売り上げ1000万円以上という目標を設定し、これをクリアしている既存店をピックアップする。その店舗条件やエリア特性などの合致率が高ければ、新規店舗でも目標達成できる可能性が高くなります」と岸裏氏は説明する。

 既存店の課題把握や改善施策の立案も可能だ。店舗ごと・ポートフォリオごとの収支状況を見える化すれば、期末の売り上げ予測も立てやすくなる。

 「売り上げが伸び悩み、立て直しを図る場合は、店舗改修やイベントなどの経費計画やスケジュール管理、それによる売り上げ予測も行えます。適切な運営指示やリソース配分の最適化にも役立つはずです」と岸裏氏は続ける。思い切って業態転換を考えた場合も、既存店の情報を基に、エリア特性などを加味した売上予測が可能だという。

 これらに加え、事務作業を効率化する点も大きなメリットだ。散在しがちな各種の契約書類なども一元化できるため、改修時の業者手配、店舗契約の更新や見直しなどもスムーズに対応できるようになる。

不動産の価値向上を支援するノウハウと技術が強み

 なぜこうしたサービスをプロパティデータバンクが提供できるのか。それは同社が2000年10月の創業時から不動産の運用に特化した総合資産運用管理クラウドサービスを展開し、20年以上にわたって物件の価値向上を支援してきたからだ。加えて近年は、データサイエンス事業を立ち上げ、AI技術の活用を推進。アセットマネジメントを支援するデータ分析サービスやデータ取得・販売サービスなども行っている。

 物件の価値向上を求めるのは、不動産のオーナーもテナントも同じ。小売りの場合なら、立地を生かし、いかに集客を図るかが重要になる。「不動産のアセットマネジメントとデータサイエンスのノウハウと技術を活用することで、テナントの求める価値向上をご支援できます。@commerceは当社の経験と強みを集結したサービスです」と杉山氏は語る。

 システムは国内3拠点のデータセンターで同時稼働している。24時間365日の監視および障害対応に加え、高度なセキュリティー対策も実装する。ISMS認証(ISO27001:2013)、品質マネジメントシステム(ISO9001:2015)を取得した設備で堅牢性・安定性も高い。大切なデータを安心して運用できるという。

 どこに出店するか。既存店でどんなキャンペーンが有効か。従来は店舗の開発・管理担当者や店長クラスの人材の経験に頼ることが多かった。その判断が正しいのか、軌道修正が必要なのか。評価する手段が限られていたが、@commerceを活用すればデータに基づく最適解が得られる。様々な提案やアイデアの妥当性をデータで検証することもできる。人の判断をサポートするだけでなく、仕事に対する評価の透明性を高めることにもつながるという。

 出店を加速し、既存店の課題を改善する。多店舗展開企業の“日常”は多忙を極める。ここにデータの力を活用すれば、新しい風景が見えてくるだろう。@commerceは“勝てる店づくり”を支援する有力なソリューションといえるだろう。

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