出産・育休直後に、夫の転勤に伴い福岡から東京へ。コロナ禍中の2021年に復職し、初めての子育てを経験しながら法人向け営業という新たな役割にも挑戦してきたのが、アフラック生命東京統括提携支社の後藤美咲さんだ。24年1月には支社次長に昇進。ワークライフバランスをとりながらキャリアを重ねる後藤さんにとっての「自分らしい働き方」をインタビューする。
働く時間が限られているからこそ、信頼される存在に
アフラック生命保険東京統括提携支社で、株式会社かんぽ生命保険(以下、「かんぽ生命」)の法人営業を担当する後藤美咲さん。担当する4拠点それぞれに週1回ずつ半日滞在し、かんぽ生命の法人営業担当者の活動をサポートしている。
かんぽ生命法人営業推進部(東京エリア駐在)の松本ありささんは、「約150名の法人営業担当者を担当いただいていますが、一人ひとりにきめ細かく対応いただいています」と後藤さんに信頼を寄せる。
同専門役の山野智大さんも「成約した社員に『おめでとうございます』というオリジナルのメッセージカードを渡されていると知って驚きました。気配りだけでなく、社員に寄り添った親身なフォローにより、成約を後押しいただくケースも多いのです。社員はそういった成功体験を積んで成長し、後藤さんを頼りにしています」と語る。実際、後藤さんの拠点滞在中にかんぽ生命の法人営業担当者が続々と相談に来るほどだ。
かんぽ生命の拠点に定期的に足を運び、法人営業担当者と対話する。(左から後藤さん、かんぽ生命の松本さん、宮本支店長、山野専門役)
後藤さんは、19年に第一子を出産後、1年半の育児休業を取得してから復帰。社内結婚した夫が東京転勤になったことにあわせて、自身も東京に勤務地を変更して復職した。主に個人のお客様に対する営業を支援していた福岡時代と違い、初めて法人のお客様に対する営業を中心に支援することになり、新たに学ぶことも多かった。何より、クライアントであるかんぽ生命との関係性づくりには、最も力を注いできたという。
「子育てと仕事を両立するために、短時間勤務制度とフレックスタイム制度を活用しています。仕事に慣れない中でもとにかく迅速、正確、丁寧を心がけて、しっかり成果を出すこと。また、限られた時間でパフォーマンスを上げながら、かんぽ生命様や支社のメンバーから信頼してもらうことを心がけてきました」(後藤さん)
かんぽ生命東京中央法人支店 支店長の宮本和浩さんも、後藤さんを応援するひとりだ。「子育てと仕事の両立は大変だろうと思いますが、仕事のクオリティーが高く安心して任せられます。どんなときも笑顔で頑張る姿には、いつも感心しています」と言う。
「頑張りすぎない」ことの大切さに気づく
初めての子育てと東京転勤、しかも復職した21年のタイミングでは、まだコロナ禍が続いていた。復職当初はリモートワークが中心だったため、支社のメンバーともオンラインでのやり取りがほとんど。それでも定期的に出社してリアルで会う機会を重ねていくことで、チームとの一体感を得られるようになった。
上司やチームメンバーとこまめに連携して、業務の共有を欠かさない
特に心強かったのが、当時の支社長のサポートだ。東京に来たばかりで慣れない子育てと新しい職場環境に気を張る後藤さんに「困ったことがあったらいつでも相談してね」と声をかけ、「もし子どもの体調不良でクライアントとのミーティングに行けないときは、私が代わりに行くから大丈夫」とまで言ってくれたという。
「支社長自らが、何かあったときはフォローするから心配しないでと言ってくださって、本当にありがたかったです」。周囲のあたたかいサポートに恵まれながら仕事と子育ての両立に邁進していく。しかし、それでも心が折れそうになることは少なくなかった。
「特に復職後1年間は、子どもが熱を出し、保育園からお迎えの要請が頻繁にありました。育休中に予期せぬコロナ禍となっただけでなく、復職してしばらくは常に気持ちが張り詰めていたせいか、あまり記憶がないほど。満足に仕事ができないことへのフラストレーションや周囲に申し訳ない気持ちが強かったですね」
周りには営業社員として働きながら幼い子どもを育てている仲間がいなかったが、アフラックでは社内で定期的に仕事と育児の両立に向けた研修を実施している。後藤さんも積極的に参加して、先輩の声を参考にしてきた。特に心に残っているのは、同じような経験をしてきた先輩社員の「ムリをして何でも自分でやろうと頑張りすぎなくてもいい」というアドバイスだ。「その言葉を聞いて、心がふっと軽くなりました。自分の中で無意識に頑張りすぎていた部分が、解放された気がします」と振り返る。
もうひとつ印象的だったのは、子育てをしながら自分のキャリアをどう考えていけばいいのかという不安への答えだ。昇進しても子育てと仕事を両立できるのか不安を感じていたが、「大変な時期が永遠に続くわけではない。キャリアも子育てもあきらめないで」という声に勇気づけられたという。
復職1年目は、子どもの体調不良などにより、急な予定変更が頻発し、思うように仕事ができないことへのフラストレーションも
実際、その言葉通り、復職2年目になると子どもの体力がつき、仕事に支障をきたすことも激減した。「仕事と子育ての切り替えのペースがつかめるようになり、どちらも大変さよりも楽しさが勝るようになりました」と振り返る。
もちろん、子育てと仕事を上手く両立するためにさまざまな工夫も重ねている。TO DOリストは優先順位をつけてスマートフォンで管理。重要なメールにはフラグをつけて見落としや対応漏れを防ぐことを徹底している。電車での移動中も出来る仕事は片付けるなど、時間を有効活用している。突発的に休まざるをえないときに備えて、普段からチームメンバーとコミュニケーションを重ね、引き継ぎなどのバックアップも欠かさない。明日、必ず仕事ができるとは限らない。今できることはその日のうちに終わらせることを徹底する中で、効率的な仕事のやり方も習得した。
昇進への不安、先輩の助言で解消
子どもは4歳となり、良好なワークライフバランスに満足感を抱いていたが、上司から次のキャリアのステップとして「支社次長」を打診される。時短で働く自分にできるだろうか。そんな不安を解消するために、同じように子育てをしながら支社次長として活躍している先輩社員に面談を申し込んで話を聞かせてもらった。
その先輩からのアドバイスは、「支社次長にもいろいろなスタイルがあっていい。先頭に立ってメンバーをバリバリひっぱる人もいれば、みんなが働きやすいようにリーダーシップを発揮するのもひとつのあり方。自分の強みを生かしてチームに貢献すればいい」というものだった。その言葉を聞いて、自分自身が「支社次長とはこうあるべきだ」と型にはめ込んでいたことに改めて気づかされた後藤さん。「私の強みはコミュニケーション力です。自分は、その強みを生かした支社次長像を目指せばいいんだ」と腑に落ちた。不安要素だった時短勤務も、「効率的な働き方に長けている」とプラスに捉えることができるようになったという。
24年1月、支社次長に昇進。部下の育成という新たな業務にも挑戦する日々が始まった。「まだまだこれからですが、人を育てるということでは、子育てと似ている部分があると感じています。子育ての経験をうまく仕事にも生かしていけたらと思っています」
自分のキャリアプランに掲げていた、「35歳までに支社次長に昇進する」という目標は達成した。そして今、次のステップとして管理監督者を目指していきたい、と後藤さんは意欲を燃やす。さらに、あとに続く後輩社員にも、子育てとキャリアをあきらめずに進んでほしいとエールを送る。「私も上司や支社のメンバーから応援し続けてもらったことで、昇進への道をあきらめずにここまで来ることができました。役員からも、『頑張っていることを会社はちゃんと見ているよ』と言われて、感激したことを覚えています。次は、私が後輩社員に自分の経験を伝えていく立場です。試練に感じることがあっても絶対に乗り越えられますし、その後には、成長した自分が待っているはずです」
自分自身の今後の昇進も視野に入れながら「あとに続く後輩社員の力にもなりたい」と語る後藤さん
金曜夜は子どもとプチ・パーティー
社内で活躍の場を広げながらも、プライベートでは4歳になる娘の子育てをエンジョイしている。実は後藤さんが支社次長に昇進したのと時期を同じくして、夫が福岡に転勤。今は、母子2人暮らしを気楽に楽しんでいる。「娘は保育園、私は仕事と平日は忙しく過ごしているので、金曜日の夜はテイクアウトや外食をする日と決めて楽しんでいます。娘は金曜の夜を『パーティー』と呼んで毎週楽しみにしてくれているようです。『今週もお疲れさま!』とビールとジュースで乾杯するのがささやかな幸せです」と微笑ましい日常を明かしてくれた。
仕事ではクライアントであるかんぽ生命やチームメンバーとの信頼関係を構築し、プライベートではパパ友・ママ友たちと助け合いながら、子育て時間を楽しむ。そんなふうに仕事とプライベートのバランスを上手にとっている姿を夫も心から応援してくれている。
子どもの成長とともに、母として、そして働く一個人として大きく成長できた4年間。その経験を次の世代につなぎながら、自身もまた新たなキャリアを目指す後藤さん。人生を思い切り楽しむライフスタイルが、時折浮かべる笑顔に表れていた。
PROFILE
後藤 美咲(ごとう・みさき)
大学卒業後、2012年にアフラック福岡総合支社に新卒で入社。総務グループ、営業グループを経て、18年、金融法人第一営業部九州・沖縄金融法人支社で日本郵便の営業担当、19年、提携金融第二営業部九州・沖縄第一提携金融支社で営業サポートを担う。19年10月に長女を出産。その後、夫の転勤に伴い東京へ。21年4月に復職し、提携金融第一営業部第二提携金融支社で株式会社かんぽ生命保険法人営業部の担当営業となる。組織変更により、22年6月から東京第一提携支社、23年1月から東京統括提携支社となり、引き続き株式会社かんぽ生命保険法人営業部の担当営業を担う。24年1月に支社次長に昇進し、現在に至る。現在、夫は福岡に単身赴任中のため、東京で4歳の娘と2人暮らしをしている。
