Empowerment Report

エンパワーメントレポート

一般職から総合職に挑戦、
「女性向けがん商品」を開発

明治安田生命保険
商品開発部 商品開発室 主任スタッフ

島田 温子さん

2023.10.18 掲載

事務職(一般職)として入社し、入社14年目にスタッフ職(総合職)に挑戦。商品開発部でチームリーダーとして「がん検診支援給付金付女性がん保障特約」を商品化させたのが、主任スタッフの島田温子さんだ。長年の事務職としてのキャリアから、予想もしていなかったスタッフ職への転身のきっかけ、そして「がん検診受診による早期発見で、お客さまの健康で、笑顔あふれる未来を守りたい」という強い想いで挑んだ商品開発の秘話を語る。

「縁の下の力持ち」からのステップアップ

 自分の長所は「柔軟性と順応性」と語る島田温子さん。保険という目に見えない商品を扱う面白みや幅広く人と関われることに魅力を感じ、明治安田生命保険に事務職として入社した。「人前に出たり、人を統率するのは苦手。縁の下の力持ちとして上の人を支えて、組織の成功を一緒に喜ぶことのほうが向いている」と、事務職を希望した理由を語る。

 入社5年目には「MoT運動(現Kizuna運動)」という部署ごとの小集団活動により、組織の一体化を図る全社プロジェクトで、上野支社のリーダーに。各営業所の取り組み状況の活動をポイント化して 相撲の番付表に当てはめることで、所属員のやる気を引き出し、特別社長賞を受賞したという。

 入社10年目には、それまでのキャリアを買われて本社事務部門である契約サービス部へ異動。手続き電子化や保険料のキャッシュレス化の事務開発を担当することとなる。

 「同じ事務でも事務開発は、それまでの総務や会計管理、手続き関係とは全く違いました。資料を作って会議で報告したり、上の人を説得するなど企画色の強い仕事は経験がなく、最初は本当に大変でした。パワーポイントの作り方も一から教えてもらう感じだったんです(笑)。他部門の人と仕事をすることが多く、人脈が広がったことは大きなプラスになりましたね」

 当時、事務開発部門では島田さん以外、全員がスタッフ職。必然的に島田さんもスタッフと同じ仕事をこなすようになる。ワークフローシステムを刷新する開発では、事務開発を取りまとめるなど、その仕事ぶりを周囲も大きく評価。スタッフと同等の頑張りを見せる島田さんに、上司が勧めたのが「スタッフ職(総合職)への挑戦」だ。

意気に感じた、会社のサポート

 せっかくだから、もう一段階上の職務に就き将来につなげてはどうか──。そんな上司の言葉に、当初は尻込みをしたと言う。

 「当社のスタッフ職は人の上に立って束ねることも多く、自信がありませんでした。そんなときに、ずっと尊敬している事務からスタッフに変わった女性の先輩がアドバイスをくれたんです」

 “次にいつ、成長のチャンスが来るかわからない。人の上に立つポジションが嫌なら、それが回ってきそうなときに断ることもできると思う。今からそれを不安に思ってあきらめるのは、もったいないんじゃない?”

 そんな先輩の言葉が後押しとなり、スタッフ職への挑戦を決意。1年後には、スタッフとして丸の内本社の商品開発部に異動することになる。

 「それまでは“事務なのにがんばっていて偉いね”という言葉に励まされると同時に、甘えていた部分もあったと思います。いつまでもそれではいけないと、スタッフという立場でもう一度仕事に向き合うことを決意しました」

 同時に、会社が用意した職種変更者向けの充実したサポートからも、「いろいろな人に活躍の場を与えよう」という会社の強い意思を感じたと言う。また、そこで出会った自分と同じようなキャリアの分岐点にいる女性職員たちとのつながりも、大きな財産となっていった。

商品開発と事務部門の架け橋に

 2017年、入社14年目を迎えた島田さんは、スタッフとして商品開発部へ異動となる。事務畑一筋だった島田さんにとって、業務内容もそこで働く人たちもまったく違う世界だった。

 「事務開発はある程度決められたレールの上で新しいものを考えるというイメージ。それに対して商品開発部では、まったくのゼロから新商品を作り上げていきます。アイデアや発想、資料の集め方、人をどう説得するか。商品開発部の人たちからの学びはたくさんありました」

 当初は「場違いなところに来てしまった」という戸惑いのほうが大きく、必死にくらいつく日々。しかし、アンテナを高くして情報を収集し、年下の職員にも頭を下げて仕事を一から教えてもらう努力が身を結び、1年後には商品開発部の仕事に面白みを感じられるほどに成長していた。

 「着任当時は約40人いる商品開発部で事務部門出身は私ひとりでした。これは商品開発に欠かせない事務部門との架け橋という役割を期待されてここに来たということだと思っています。また、あとに続く後輩たちに多様なキャリアアップを示すロールモデルとしても、がんばらなければという気持ちがあります」

がん検診の受診率を上げる商品を

 2021年、島田さんは4人のメンバーのリーダーとして、女性向け商品の開発をスタート。1年後に、同社が健康寿命延伸をめざし推進する「みんなの健活プロジェクト」の一環として「がん検診支援給付金付女性がん保障特約」を発売する。

 ベースとなったのは商品開発部に異動した直後、『夢物語でいいから』と言われて考えたアイデアだった。

 「なんとか女性特有のがんで苦しむ人を減らせないかと考えたのが発端です。欧米は乳がん検診の受診率が8割なのに、日本はたったの4割程度。がんは早期発見をすることが何より重要ですが、日本はがん検診の受診率が低いから早期発見ができずに罹患率も死亡率も高い。そこを保険商品の力で解決できないかと考えました」

 しかし、本格的に動き出してみると、すぐに「そもそも保険商品として成立しないのでは?」という壁にぶつかる。島田さんが考えていたのは、「がん検診を受診することで給付が受けられる」商品だったが、「がん検診を受診すること」と「保険」は結びつかないという問題に直面したのだ。

 では、どうすれば、がん検診を受診したら給付が受けられる仕組みが作れるのか。社内外の有識者から様々な見解を取得し、試行錯誤を重ねてたどり着いたのが、「がん検診を受診すること」に加え、「異常指摘がないこと」を給付要件にすることだった。「この商品開発をしたことで、改めて保険の定義や役割について深く学ぶことができた」と島田さんは振り返る。

 「商品化のゴーサインが出たときは本当にうれしくて、これまでにない大きな達成感を味わいました」

これからも新たな挑戦に意欲

 女性向け商品開発の経験は、商品を作るだけでなく、リーダーとしてチームを率いるというチャレンジでもあった。緊張と不安、そして大きな責任感で挑んだチームリーダーの仕事。その助けになったのは、これまで多くの優秀なリーダーたちのもとで、その仕事をサポートしてきた経験だった。

 「たくさんのリーダーたちの優れたやり方を真似して、仕事のやり方をフォーマット化。効率的に問題点を潰して次のステップに進めるようにすることで、メンバー一丸となって仕事に取り組むことができました」

 スタッフとして、そしてリーダーとしての経験を重ねたことは、自分への自信ややりがいを深めてくれた。マネジメント層に直接プレゼンするなどその距離が近づくことで、事業や組織運営に対する視野も大きく広がっている。

商品開発チームのメンバーと

 これまで事務、事務開発、商品開発を経験してきたが、「今はまた新しい何かを開発したい」と言う島田さん。同時に、「まったく違う角度で会社全体を見られるような職務にも興味がある」とこれからの展望を語る。

 「入社当時は、今のようなキャリアを歩むとはまったく想像していませんでした。昔の自分が今の私を見たら本当にびっくりするでしょうね(笑)。新しい道に挑戦することで、着実に自分の成長を感じていますし、キャリアへの夢も広がっています」

 常に目の前の道にまっすぐ向き合い、壁にぶつかりながら挑戦し続けてきた島田さん。その笑顔の向こうには、また新しい未来への扉が待っているはずだ。

PROFILE

島田 温子(しまだ・あつこ)
2003年、新卒で明治安田生命保険に入社し、上野支社に事務職として配属。同支社王子営業所、上野営業部、千代田支社有楽町営業部を経て、2012年に契約サービス部契約サービス開発グループに異動。2016年に職制転換でスタッフ職(総合職)となり、商品開発部商品開発室に配属。2017年より現職。

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