Empowerment Report

エンパワーメントレポート

お客様や地域社会の“いざ”をお守りしたい

東京海上日動火災保険 九州損害サービス第2部 火災新種損害サービス課 マネージャー

下川 貴代美さん

2022.04.04 掲載

近年、地震や豪雨など自然災害に見舞われることが多くなった。思ってもみなかったような災害で、一瞬にして長年住み続けてきた家、家財を失うこともある。そんなとき、復興への後押しをしてくれるのが損害保険だ。2016年、熊本地震が発生した際、自らも被災しながら、現地で保険金支払いの対応に奔走した、東京海上日動火災保険の下川貴代美さんに当時の模様をうかがった。

自身も被災しながら、契約者のために奔走

被災者の声に「少しでもお役に立てている」と実感

 入社以来、台風などの自然災害の対応を度々経験してきた。しかし、震度6クラスの地震は初めての経験、発生直後は仕事どころか生活すらままならない状態だった。余震は続き、水もガスも通じない。そんな中、地震発生翌日から保険金支払い対応が始まる。市電が使えず、徒歩で出勤する。見慣れた風景が一変していた。壊れた建物、避難所に集まる人々……。

 会社には、契約者からの連絡が殺到した。東京海上日動では、いち早く東京にバックオフィスを設置し、常設のフリーダイヤルと合わせて、多くの被災者に対応した。連絡を受けてから保険金支払いに至るまでのうち、半分ほどの作業を東京にいる社員が遠隔で対応したことで、熊本にいた社員は、被災状況を現場で確認する「立ち会い業務」などに注力できた。

 地震などの自然災害では、物件ごとの被災状況や実際にどれだけ被害が出ているか、一軒一軒回って確認する必要がある。膨大な立ち会い業務は、遅い時間まで続く。懐中電灯で照らして、小さなひびでも見逃さないよう目を凝らす。判断を誤らないよう、丁寧に対応した。

 付随する事務作業も膨大だ。当然、現地スタッフだけでは手が回らない。全国から応援が集まり、新人から管理職まで多くの社員が熊本に集結した。

 寝る場所や食事にも事欠く中、懸命に働く応援メンバーの姿に「これこそが東京海上日動の強み」「本当にこの会社でよかった」と感動を覚えたという。被災者からのお礼の声は、対策室の統括として態勢やチームワークの強化に努めた下川さんの耳にも届く。「被災されたお客様に少しでもお役に立てている」という実感が湧く。

 保険代理店も、立ち会い業務や顧客対応で多忙を極めた。震災後は、保険金の支払いに追われながらも、地震保険未加入だった顧客へ加入を促した。

経験を生かし、改善を提言

さらに高度な防災・減災サービスの提供を

 東京海上日動のパーパス(存在意義)は、「お客様や地域社会の“いざ”を支え、お守りする」こと。震災直後は対応に忙殺されたが、落ち着いてくると「何かあったときにきちんと補償が受けられる商品・サービスなどを日頃から考えるようになった」という。被害の査定はそれぞれで、請求書類も案件によって異なる。被災された顧客に煩雑な作業を強いることに課題も感じた。

 そうした課題は、会社にレポートを提出する機会に提言した。例えば、立ち会い業務に出向くにも、熊本地震当時は全件電話でアポを取っていたが、顧客がウェブ上で空き状況を見ながら自身で予約できれば、その分双方の手間が減る。今では、スマートフォンなどを通じて、ウェブ上で書類や写真を送信できる仕組みも導入された。

 コロナ禍もあり、今では当時のように大勢が集まる体制での応援は難しい。人の手を介さずに、遠隔地からでも支払いできる体制やシステムが構築された。「1日でも早く保険金をお支払いするために、着実に仕組みが改善されていることをうれしく思う」という。

 改善すべきことは社内にとどまらない。「自治体などとの連携も必要」と下川さんは語る。保険金の支払いに加え、その情報を、例えばどの地域の被害が大きかったかなどのデータに加工し、自治体の対応にも生かすという考え方だ。企業や行政など多くの関係者が集めた情報を掛け合わせることで、さらに高度な防災・減災サービスの提供につながるのではないかという。

パーパスを体現するためのチャレンジは続く

背中を押してチャレンジを促す

 「お客様のためになり、社会貢献につながる仕事がしたい」と感じて入社を決めたという下川さん。早くから仕事を任される社風や自由闊達な雰囲気も肌に合った。08年には、社内のチャレンジ制度で東京本社勤務も経験した。熊本の後は、鹿児島でチームリーダーを担った。「勤務地ごとに特性があり、扱う保険が違ったりするのはすごく勉強になる。人との出会いで考えが広がったり、視座が高まったりし、いざというときに対応できる幅が広がった」と常に前向きだ。現在は、社内副業制度を活用し、新たな領域の業務にも挑戦している。

 4月からは九州損害サービス第2部火災新種損害サービス課に異動、初めてマネジメントも担う。一緒に働くメンバーとの会話の中から、やってみたいことや変えてみたいことをキャッチし、さりげなく背中を押して、少しずつチャレンジできるように心がけたいという。

 「私も周りの方々にサポートしていただいてきた。今度は逆に、サポートする立場もしっかりと担い、仕事が社会課題の解決につながるやりがいをメンバーに感じながら働いてもらいたい」。下川さんの新たなチャレンジが始まろうとしている。

PROFILE

下川 貴代美(しもかわ・きよみ)
2001年入社。宮崎支店・宮崎中央支社で営業支社を経験後、延岡、東京、宮崎、熊本、鹿児島で損害サービスの業務に携わり、22年4月より現職。

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