Empowerment Report

エンパワーメントレポート

地域の安心、保険で支える

東京海上日動火災保険 中国損害サービス部 山口損害サービス課課長代理

深堀 いづみさん

2022.09.29 掲載

地震や大雨など自然災害が多発する日本。そんな自然災害による「もしも」に備えるのが損害保険だ。2018年に起きた西日本豪雨では多くの人が河川の氾濫やがけ崩れなどによる被害を受ける中、損保会社は被災者がいち早く普段の生活に戻れるようにするため対応に努めた。東京海上日動火災保険中国損害サービス部の深堀いづみさんもその一人。深堀さんは「地域の安心を支えるのが保険の使命」と強調する。

全国から応援入り対応

被災直後は保険加入者から問い合わせの電話が殺到したという

 叩きつけるような雨で前も見えない――。2018年7月初旬のある日。当時の勤務地、広島にいる同僚からのメールで深堀さんは不安を募らせた。その頃、深堀さんは同年6月に起きた大阪北部地震の保険対応の応援のため、災害対策室を置く東京にいた。

 深堀さんの不安は現実のものになる。6月28日から7月8日の間に西日本を中心に降った記録的大雨により多くの地域で河川氾濫やがけ崩れが発生。家屋の全半壊2万663棟、家屋浸水2万9766棟という過去まれにみる甚大な被害をもたらした。

 西日本の各地で浸水や土砂崩れなどが起きる中、7月7日に広島に戻った深堀さんはそのまま保険金支払いの対応に奔走することになった。

 急きょ中国損害サービス部内に設置した災害対策室では当初、広島のスタッフで対応していたが、到底手が回らない。自身も被災しながら業務に当たる社員もいた。そこで中国エリアをはじめ全国の各事業所から応援部隊が集まり、一丸となって対応に当たった。

お客様の感謝の声に涙

災害発生によるあらゆる事態に迅速に対応するのが担当者の務めと考える

 濁流に車を流されたり土砂で家が壊れたりと、これまで経験したことのない規模と被害の深刻さを目の当たりにして対応に戸惑うこともあったが、深堀さんら対策室メンバーが心掛けたのは迅速な対応。「『車が流されて、これから仕事に行けない』といったお客様の声を受けて一刻を争う対応が求められる中、スピード重視で決まったところからどんどん進めていった」。

 電話やメールで対応しながら、問題が起きたらその都度メンバー間で情報共有して業務フローを変える試行錯誤の毎日。「忙しすぎてとにかく大変だった」と当時を振り返る。

 多忙を極めた日々の中でも忘れられないことがある。被災者から「こんなに早く保険金を支払ってもらえて、どうにかこれからの生活につなげられる」と感謝の言葉をかけられたときは涙がこらえきれなかった。

 一方で保険代理店からは「お客様にもっと強く保険を勧めておけばよかった」と後悔の声も聞いた。深堀さんは「保険会社の使命や必要性を痛感した」という。

最新技術、損害状況の迅速把握に生かす

職場では最前線で対応する現場社員と会社との橋渡し役になることを常に心がける

 事故や災害など不測の事態に頼りになる損害保険。東京海上日動は「お客様や地域社会の“いざ”をお守りする」をパーパス(存在意義)に掲げ、損害状況の確認に人工衛星を活用するなど最新技術を駆使し、迅速な保険金支払いにつなげる取り組みを行っている。

 拡張現実(AR)を使った防災・減災につながるサービスも提供。「西日本豪雨のときの経験や反省が今の当社の取り組みに生かされていると感じる」と深堀さんは話す。

 近年はデジタル技術をフル活用し、災害時の保険対応の応援を遠隔地でもできる仕組みを整えたことも、対応のスピードアップにつながっている。以前は応援部隊の宿泊の手配や移動など物理的な負担があった。「災害は現地対応が基本だが、リモート応援をうまく活用することで機動的に人員を配置でき、現地に派遣される社員のサポートも効率的にできる」という。

目標は自身の上司・先輩 後進育成に意欲

コロナ禍前の趣味は旅行を兼ねて全国の事業所の社員たちに会いに行くこと(新潟県佐渡市にて、本人中央)

 広島の大学で心理学を専攻していた深堀さんは、「困っている人が少しでも安心した生活に戻れるように手助けができる仕事がしたい」という理由から損害保険会社への就職を希望。「人が温かく、平和への思いが強い」広島に対する愛着もあり、転居を伴う転勤がないエリアコースとして10年に東京海上日動に入社した。

 西日本豪雨が起きる直前の18年4月には中国損害サービス部全体の業務をサポートする役職に就き、部内の拠点担当メンバーの人材育成に従事してきた。「より広いエリアで勤務し、力をつけたい」という思いが芽生え、昨年には中国エリア内で転勤を伴うエリアコース・ワイド型にキャリア変更。自身の出身地でもある山口に配属となり、人材育成や災害対応に当たる。

 東京海上日動の良さに「男女の垣根なく同じ仕事をして正当な評価をしてもらえる点と、社員同士の距離が近い点」を挙げる。入社以来、課を牽引する役割を担う先輩の女性社員の姿を数多く見てきた。「若手社員の気持ちも理解してくれる、憧れの存在」という。

 自身が中堅社員となった現在、目標とするのはこれまでサポートしてくれた上司や先輩社員だ。「いまの仕事の専門性やスキルを高めながら後輩社員の人材育成にも積極的に携わっていきたい」。深堀さんは目を輝かせてそう語った。

PROFILE

深堀 いづみ(ふかほり・いづみ)
2010年東京海上日動火災保険にエリアコースで入社。中国損害サービス部広島損害サービス第1課、同部長席をへて21年エリアコース・ワイド型として山口損害サービス課課長代理。

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