Empowerment Report

エンパワーメントレポート

主体的にキャリアを切り拓く「JOBリクエスト」大阪と上海で開花したチーム発想

東京海上日動火災保険
広島自動車営業部 マツダ室ユニットリーダー

古城 彩さん

2025.02.07 掲載

東京海上日動には、「すべての社員が成長し続ける会社」の実現に向け、社員が自らのキャリアを築いていくための人事制度「JOBリクエスト」がある。キャリアビジョンを広く見据え、その実現に資するポストへ挑戦する機会を提供し、モチベーションと働きがいを高めることを狙う。2024年4月から広島自動車営業部マツダ室で勤務する古城彩さんも、この制度で自らのキャリアを切り拓(ひら)いてきた一人だ。「柔軟な発想と、一歩を踏み出す勇気。これはこの制度に応募して3年を過ごした大阪や、中国・上海での経験があったおかげだと思っています」と、自分のキャリアを振り返る。

JOBリクエストで自らキャリアを築くことを選択した古城さん

制度を活用し、新たな挑戦

 関西の大学を卒業後、2012年に東京海上日動に入社した。出身地の山口県内にある山口支店徳山支社で5年間のオフィス業務や営業を皮切りに、中国支店山口営業課で3年間、営業職として企業を訪ね歩いた。

 古城さんは「山口県内の有力企業を担当することが増えて、いろいろな方と接点を持つ機会が多くなってきた時期でした」と、当時を振り返る。仕事に不満はなかったが、「競争が激しい企業マーケットが中心となる都市圏であれば、さらに多岐にわたるお客様に接する機会があるのではないか、どんな世界があるのだろうか」と考えるようになっていった。そこで、当時相談した上司が背中を押してくれたこともあり、JOBリクエスト制度に手を挙げた。そのリクエストがかなって勤務地となったのが「大阪南支店」だった。

周囲を巻き込み、リーダーシップを磨く

チーム戦で成果を出すことを目指してきた

 大阪は山口に比べて規模が大きい企業や、今までに扱ったことのない新規事業を手掛けている企業が多く、総合的な提案をするには自身だけの情報では足りなかった。視野を広く持ち、さまざまな角度から課題を捉える必要があったため、古城さんは、社内の専門部署の社員に相談し、巻き込むことで対応していった。例えば、特定の部門の問題だけでなく、企業全体のリスクマネジメントや経営戦略に関するソリューションをお客様に提供するため、各部門の専門知識を持つ社員を巻き込んで総合提案を行った。

 また、大都市ならではのマーケット環境もあって、専門部署と連携しブローカー対応を行う経験もした。自分1人ではなく会社の多くの部署と連携することで、お客様に多岐にわたる提案が出来ることを実感したという。

 古城さんの取り組みは、お客様との信頼関係を築くことにつながり、社内では次第にチームの中心的存在として認められるようになっていった。

 「『お客様のためにみんなでやろうよ』という意見に賛成してくれる人が増え、周囲のメンバーを巻き込んで取り組んでいくことに達成感がありました。」

自身の存在意義に悩む

海外勤務に不安な思いもあったが、「チャンスだ」と前向きにとらえた

 そんなリーダーシップを発揮し始めた古城さんに、2022年秋、海外行きのチャンスが訪れた。海外トレーニーという研修制度で、海外進出企業の支援などを通じて得られる知見とネットワークを国内・海外の双方で活かし、グローバルシナジーを高めるために1年間、現地駐在ができるという。「大阪での経験を通じて、異なる視点を持つことや、さまざまな部門と連携する重要性を学びました。これらのスキルを活かして、さらに広い世界に挑戦したいと考え、この機会を『チャンスだ』と思って挑戦することにしました」と古城さんは語る。

 同年の年末になって、中国・上海に行くことを内示された。「外国語は話せないし、現地の事情もわからず、不安はありました」というが、1年間の貴重な学びは魅力的だと思った。

 上海では、ナショナルスタッフも日本語を流暢に話し、担当するお客様も日系企業で日本語が使えるため、業務上で言語が大きなトラブルになることはなかったが、ナショナルスタッフ同士の会話は中国語のため、微妙なニュアンスの違いに苦労したという。「日本では社内のメンバーとは細かく伝えなくても意思疎通に困ることがそこまでありませんでしたが、ナショナルスタッフとはその点が異なりました。例えば、同じ日本語の表現でも、中国語の文化や背景を理解していないと、意図した意味がうまく伝わりません。そのため、曖昧な表現を避けるよう心掛けました。また、より正確に伝えるために、具体例を挙げるようにし、口頭だけでなく、文章にして記録に残すことで、後から確認できるようにもしました」。こうした工夫の結果、ナショナルスタッフにも意図が正確に伝わり、連携が上手くいくようになったという。

 順調に見えた上海での勤務だが、古城さんには焦りがあった。「駐在先でチームに貢献したいという思いが強くなる一方で、日本人だからこそできる、私だからこそできる仕事を見つけられずにいました。」と振り返る。そんな古城さんの支えになったのが、駐在先や他の国、地域に駐在している先輩方や同僚だった。駐在員には駐在員同士のネットワークがあり、海外の他の拠点にいる仲間とよく相談し合っていたという。国は違っても同じような悩みを抱えている仲間や駐在先の先輩方からのさまざまなサポートや助言があり、前進できた。

 そうした実例の一つが、ナショナルスタッフとともにお客様を訪問した際に、新しい企画書を作って提案する機会が少ないことに気づいた点だ。お客様である日系企業も、現地・中国ではそれぞれの事情や課題を抱えている。そこで古城さんは、自分なりに企業研究を始めた。

 「試行錯誤しながらお客様の視点に立ち、現地での課題について仮説を立て、その解決案を提示する企画書を作成しました。日系企業を訪問し、提案すると、『いいですね。一緒に取り組みましょう』といううれしい反応が増え、それを見て同行を望むナショナルスタッフが増えていきました」

 少しずつだがこの取り組みの必要性もナショナルスタッフに伝わり、古城さんがナショナルスタッフをサポートする役割を担う場面も増えた。「日本だとソリューション営業は一般的ですが、それを上海でも広げていくことになり、これも役割の一つだと思って一生懸命取り組みました」

 発想を柔軟にしてみよう。止まっていても何も進まないので、一歩踏み出してみる。その重要性を上海で実感した。「自分の挑戦をサポートしてくれる周囲のメンバー、仲間と助け合うことができました。この経験を通じて、仕事って本当に楽しいんだなと思えるようになりました」

 長期休暇では、海外旅行に行くことが多いというが、駐在した当初は中国語に自信がなく、一人で外出することにハードルを感じていた。プライベートの時間もナショナルスタッフのサポートがなければ一人で外出することができなかったという。2024年の9月に上海に帰った際には、「お世話になったナショナルスタッフと再会し、駐在の時に『いつでも行ける』と思って行けなかった観光地を歩いてきました」と笑顔で話す。

ナショナルスタッフと食事をし、駐在時に行けなかった観光地を訪ねた

経験を組織に還元したい

 古城さんが現在所属している「広島自動車営業部マツダ室」は、広島県に本社を置く大手自動車メーカーのマツダと、その関連会社やサプライヤー(取引先)への保険営業が主業務だ。日本に帰国してからも、チームで動きながら成果を出していくことが楽しいという。これまでの経験を今の部署でどのように活かしているか聞くと、「チームのメンバーを巻き込んで、困ったら他のチームにも協力してもらう。そのように、周囲をどんどん巻き込んでやっていく。それでお客様の課題解決ができたら、みんなの喜びになります。これが大阪や中国での経験で得られたものの一つだと思います」と、古城さんは答える。「JOBリクエスト制度を活用して大阪で経験した『周囲をどんどん巻き込んでいく』仕事のやり方や、上海で実践した『課題解決型の営業スタイル』が、お客様と自組織双方の喜びにつながっているという手応えを感じつつあります」

 「特に中国での経験が大きかったです。ナショナルスタッフの皆さんは日本が好きで日系企業のことをよく知っており、日系企業の中国での業務を支援することに誇りを持っていることがわかりました。その姿勢には感動しましたし、情報をしっかり集め、日本人の私よりもその企業の文化等をよく把握していることに驚きました。我々も他国のお客様のことを把握した上で働きたいと感じました。そのためには、国内だけにとどまらず日本のメンバーや各国で働いているメンバーとの連携も重要で、少しの情報でも連携し、情報をアップデートするようにチームのメンバーにも伝えています」

 だんだんと後輩を育てていく立場になってきた古城さん。JOBリクエスト制度や海外トレーニー制度で自分なりにキャリアを切り開いてきた立場として、今はこう考えている。

 「新入社員の頃に考えていたキャリアは、3年後、5年後、10年後になると経験を積むことでどんどん変わってきます。そして、経験を通じて自分の強みや興味が見えてくることも多いです。新しい経験をすることで、自分の可能性や新たな道が広がるかもしれませんし、結果的に自分の成長につながると信じています。当社には新たな挑戦を後押しする文化が根付いており、社員一人ひとりの挑戦を積極的に支援できる制度があります。だからこそ、自分のタイミングで何か選択できるチャンスがあるなら、やはり挑戦した方がいいと後輩には伝えていきたいです。そして、これまで私の挑戦を後押ししてくれた周囲のメンバーへの恩返しとして、今度は私がその挑戦のサポートをしたいです。」

PROFILE

古城 彩(こじょう・あや)
2012年東京海上日動火災保険入社。山口支店徳山支社でオフィス業務や営業職を担当し17年から中国支店山口営業課。JOBリクエスト制度で20年大阪南支店、23年中国・上海支店で営業職の海外トレーニー。24年4月から現職。

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