クラウド基盤最適化Forum
サイオステクノロジー
BC&CSサービスライン
国井 駿 氏
セゾンテクノロジー
マーケティング部
部長
川田 容志 氏
システム要素のポイントの1つは、データソースやデータ活用基盤との間でデータのやり取りが発生すること。これらのデータ連携を疎結合化するツールとして重要な役割を持つのが、ETL/iPaaSである。セゾンテクノロジーは、基幹システムからのデータの抽出を含むデータ基盤でのデータ連携にETLを採用している。
「データ連携をスクラッチで1から開発すると面倒です」と川田氏は指摘する。データの連携元や連携先となる業務システムを別のシステムに入れ替えたり、データのフォーマットが変更になったりした際に、データ連携のための設定を都度変更しなければならないからである。連携先が複数システムにまたがる場合、それだけ作業量が増えてしまう。
一方、ETLを使うと、仕様変更に追従して変更が必要なポイントを、ETLツールに集約することが可能である。ETLの設定を変えるだけで済む。データの連携元システムや連携先システムには変更を加える必要がない。複数のデータ連携プログラムを独立してメンテナンスする必要もない。単一のETLツールだけで、各種システム間のデータ連携を制御可能である。
セゾンテクノロジーは、自社製品としてETLツールの「DataSpider Servista」を提供している。特徴の1つは、データの加工処理やシステム同士のマッピングなどの設定をノーコードで、GUIベースで設定できること。また、アダプターを介して、各種のシステムに接続可能である。
川田氏は、「データ活用基盤とETL/iPaaSツールを整備しただけでは十分ではありません」と指摘する。生成AIは、基幹系システムの情報を基に回答を生成するため、データの源泉となる基幹システムが安定稼働をしていることが必須条件。大本のシステムとデータが損なわれてしまうと、精度の高い回答が得られなくなる。
サイオステクノロジー
国井 駿 氏
また、近年では、クラウド環境で基幹系システムを構築するケースが増えている。このため、クラウド環境に向けた可用性対策が必要になる。「著名な企業も、クラウドのシステム障害が原因でサービス停止に陥っています」と、サイオステクノロジーの国井駿氏は指摘する。
クラウド環境では、システム障害を完全に無くすことはできない。「システム障害が起こる前提に立った対策、すなわち、発生した障害を迅速に復旧する仕組みが必要です」(国井氏)。
「クラウドが普及する以前、システム障害の原因はハードウエアが大半を占めていました。一方、クラウドの障害はソフトウエア障害と人的要因で2/3を占めます。これらへの対策がポイントです。ソフトウエア障害には対策があります」(国井氏)。
基幹システムをクラウドで構築する場合、IaaSが使われる。SaaSとは異なり、クラウドベンダーは仮想サーバーなどのインフラ基盤までしか責任を持たない。アプリケーションやOS/ミドルウエア部分はユーザー側で対策を取る必要がある。
クラウド環境の障害対策パターンは、大きく4つある。バックアップ、手動再起動、パブリッククラウドが備える機能(AWS CloudWatchの自動リカバリなど)、HA(高可用性)クラスタソフトウエア、である。
「重要なポイントは、インフラ部分だけでなくアプリケーションの障害までカバーすることと、障害からの復旧時間の短さの2つです。これらを満たす障害対策は、HAクラスタしかありません」(国井氏)。
バックアップや手動再起動といった対策は、障害からの復旧時間が長いというデメリットがある。また、パブリッククラウドが備える機能はインフラの障害対策には有効だが、アプリケーション障害はカバーしない。
サイオステクノロジーは、自社製品として、クラウド環境の障害対策に使えるHAクラスタソフトウエア「LifeKeeper」を提供している。稼働系システムと待機系システムの間でデータを同期し、障害発生時に自動で切り替える仕組みである。
LifeKeeperは、オンプレミスやクラウドを問わず実績が多く、基幹システムの可用性対策としても使われているという。「SAP ERPなどの基幹システムを幅広くサポートしているので、基幹系の周辺システムをまとめて保護できます」(国井氏)。
サイオステクノロジーとセゾンテクノロジーは、「基幹システムのデータを活用しなければ、生成AIで精度の高い回答は得られない」と主張する。このためには、データ基盤を構築し、ETL/iPaaSでデータ連携の仕組みを用意する必要がある。また、データの源泉となるクラウド上の基幹システムを安定的に稼働させるために、HAクラスタソフトウエアが必要になると説く。
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