クラウド基盤最適化Forum
ヴィーム・ソフトウェア
システムズエンジニアリング本部
シニア・システムズ・エンジニア
安田 知弘 氏
(1)VMwareからHyper-Vへの移行では、Veeamのインスタントリカバリ機能を用いてVMwareの仮想マシンをHyper-V仮想マシンに変換し、リストアする。
「バックアップ運用での慣れた操作による移行ができるだけでなく、バックアップで利用しているVeeamライセンスを流用できるというメリットもあります。なお、Veeamが対応している移行元・移行先のハイパーバイザーのバージョンなど、詳細は当社または当社のパートナー企業にお問い合わせください」と安田氏は話す。
上図に示したように、移行のプロセスはシンプルだ。VMwareのバックアップデータを仮想ホストに直接マウントさせ、仮想マシンのデータストアとしてHyper-Vの仮想マシンを起動する。このとき、Hyper-V仮想マシンのデータストアはバックアップストレージになっているので、本来のデータストアすべき場所へのデータ移行をバックグラウンドで実行して移行が完了する。一連の操作は短時間で終わる。
「Hyper-Vへの移行というメニューを選択し、リストアポイントやリストアモードを選択するというように、管理画面の表示に沿って順番に実行するだけ。どのネットワークに接続するかといった設定は、パラメータ登録の形で行います。これらの設定内容を確認してマイグレーションのボタンを押すと、データのリストアが実行されます」(安田氏)
(2)VMwareからNutanix AHVへの移行も、基本的には同じだ。なお、Nutanix VirtIOドライバーを事前にインストールしてバックアップを取得する必要がある。
次に、(3)クラウドへの移行。VeeamがサポートしているクラウドはAWSとAzure、GCPの3種類だ。オンプレミスのストレージ、クラウドのオブジェクトストレージに保護されたバックアップデータを用い、直接クラウドインスタンスに変換してリストアする。
「まず、VMwareの仮想マシンのバックアップを取り、移行先クラウドを指定してリストアを実施します。バックアップデータを転送し、クラウドの仮想マシンのフォーマット変更後にインスタンスを立ち上げます」と安田氏。移行先クラウドが3種類のうちどれでも、同じ操作で移行プロセスを完了することができる。
(4)オンプレミスの災害対策は、災害によりオンプレミス環境を利用できない状態を想定したユースケースである。その場合、クラウド側の2次バックアップを担うオブジェクトストレージから、クラウドのインスタンスへデータをリストアすることで復旧させることができる。
同じハイパーバイザー間でデータを移行する場合は、レプリケーション機能を用いて仮想マシンを移行させることができる(5)。バックアップ運用と同じような操作性で、短時間の停止での移行が可能。また、バックアップ用に購入したライセンスの再利用もできる。
次に、Veeamのデータ保護ソリューションについて、具体的なケースを取り上げて説明したい。
まず、Microsoft 365のデータ保護である。サイバー攻撃は、Microsoft 365のデータも狙っている。Microsoft 365のデータ損失が発生した場合、そのデータを100%復旧できたケースは25%に満たないとの調査もある。
「近年、Microsoft 365のデータ保護の重要性が広く認識されるようになりました。サードパーティのバックアップ製品またはBaaS(Backup as a Service)を利用している企業は年々増えています」と安田氏はいう。サードパーティの一角であるVeeamは、企業に対して3つの選択肢を提示している。
第1に、「Veeam Backup for Microsoft 365」というソフトウェアの提供である。企業はこれをダウンロードしてサーバにインストールし、オンプレミスまたはクラウドオブジェクトストレージの好きな場所にバックアップすることができる。企業にとっては自由度の高い手法といえる。
第2に、Veeamのパートナー企業が提供するマネージドサービスである。バックアップの専門知識を持つサービスプロバイダにバックアップを委託する形だ。
第3に、今年リリースされたVeeamのバックアップサービス「Veeam Data Cloud for Microsoft 365」である。ユーザー企業の自由度という観点では、ソフトウェア提供とマネージドサービスの中間的な位置づけになる。
「Veeam Data Cloudの対象はMicrosoft 365とMicrosoft Azure。ソフトウェアでの豊富な実績に基づく信頼性の高さ、データ保護をオールインワンで提供する利便性、使いやすい日本語のGUIといった特長を持つサービスです。日本ではまず、Microsoft 365向けのバックアップ及びリストアのサービスを提供しますが、今後Microsoft Azureのバックアップ及びストレージサービスへと拡張する予定です」と安田氏。データの保管先として、Azureの日本リージョンを選択することもできるという。
Salesforceにおけるデータ保護の重要性についても、最近は広く認識されるようになった。システム開発やデータ更新、システム間連携の際など、特に人的なミスによってSalesforceのデータが失われる場合が少なくないからだ。例えば、最新データを古いデータに更新してしまうといったケースがある。
こうした課題に対応するソリューションが、「Veeam Backup for Salesforce」である。インストールは数分で完了し、Salesforceとネイティブに連携。クラウドとオンプレミス、いずれの環境でも導入することができる。また、分単位でのRPO(Recovery Point Objective)設定が可能といった様々な特長がある。
最後に、Kubernetes環境におけるバックアップ及びリストアを実現する「Kasten」について。Kubernetesネイティブで開発されたソリューションで、業界標準の暗号化など高度なセキュリティ機能を実装し、高い操作性を備えている。Kastenの機能を用いて、旧環境から新環境への移行も可能だ。ディザスタリカバリやランサムウェアからの保護といった観点でも有効に活用することができる。
Veeamのデータ保護ソリューションの守備範囲は、広がりつつある。データの価値がますます高まる時代、改めてデータ保護について考える必要がありそうだ。
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