そこで川口氏が提案しているのが、セキュリティーを十分に確保した上で、外部クラウドサービスの「ChatGPT Plus」を利用する方法である。「ファイル直接読み込みなどのステージ2の機能が利用できるほか、猛烈なスピードで追加される新機能もいち早く活用できます」と川口氏は利点を述べる。
それではセキュリティーはどのように確保するのか。αモデルのネットワークを採用している自治体の場合、外部クラウドサービスを利用する際にはLGWAN接続系のデバイスから直接接続(ローカルブレークアウト)する仕組みを構築する必要がある。その際のセキュリティーを強化するソリューションとして、同社は「Sanitizer AIGateway」を提供している(図2)。
「これを使うことで、自治体ネットワークにおけるインターネット分離の形態を維持したまま、LGWAN系のデバイスからChatGPT Plusの全機能にセキュアにアクセスできるようになります」(川口氏)。具体的には、SanitizerAI Gatewayを庁内のインターネット系とLGWAN接続系の間に配置する。その上で、LGWAN 接続系のデバイス上から専用ブラウザーを使ってアクセスすることで、通信経路に関わるセキュリティーリスクを低減する仕組みだ。
専用ブラウザーはChatGPT Plus以外にアクセスできないようにしている。ファイルアップロードの監視やログ取得のほか、ファイルダウンロードに際しては無害化(Sanitize)システムを経由させることでリスクを排除するという。「このような方法を選択肢に加えることで、生成型AI活用の幅を広げ、取り組みを加速することができるでしょう」と川口氏は説明する。
Sanitizer AI Gatewayを利用し、ステージ2の生成型AI活用にトライしている自治体の例が愛媛県新居浜市だ。市議会の会議録を学習させることで、過去の議論や答弁の内容、発言者の検索などを行えるようにしていく予定だという。「ユーザー固有の環境構築は、ChatGPT Plusの『GPTs』を用いることで簡単に行えます。私もやってみましたが、30分程度でつくることができました」と川口氏は語る。