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自治体DXフォーラム 2024 Summer 限界突破のDX
川口弘行

自治体における生成型AIの活用を
次のステージへ導くアプローチ

多くの自治体が注目する「生成型AI」。その真価を引き出すには、目覚ましい勢いで追加される最新機能をすぐに使える環境を整えることが肝心だ。ただ、三層分離型のネットワークを使う自治体が、外部のクラウドサービスを利用することは容易ではない。川口弘行合同会社は、自治体が直面するこのジレンマを解消することで、職員の業務や住民サービスを次のステージに導く支援を提供している。

LGWAN-ASPの生成型AIと
実際の活用ステージにずれがある

川口弘行合同会社 代表社員 川口 弘行氏
川口弘行合同会社
代表社員
川口 弘行
 自治体における生成型AI活用の動きが活発化している。これについて、東京都港区をはじめ全国各地の自治体でCIO補佐官を務める川口 弘行氏は、「自治体の生成型AI活用は、大きく3つのステージで進化のロードマップを捉えることができます」と説明する(図1)。

 ステージ1は、ユーザーが生成型AIにテキストベースで何がしかの入力を行い、それに対する回答を得ている段階だ。最もベーシックな活用フェーズである。

 ステージ2は、WordやExcelなどのOfficeファイルやPDF、動画、音声、画像などのデータを直接入力し、回答やアドバイスを得るフェーズ。情報を事前に学習させて検索・分析の精度を高める「RAG(Retrieval-AugmentedGeneration)」の活用も、このフェーズに位置付けられるという。  「業務マニュアルをAIに学習させて、職員の問い合わせに対応できるようにする仕組みを構築する。このような取り組みがステージ2の活用例といえます」と川口氏は紹介する。

 そしてステージ3になると、もはやユーザーがAIを使っていると感じることはない。いつも利用している業務システムの裏側でAIが稼働し、業務をサポートしてくれる状態だ。文章を自動生成するAIアシスタントなどがその例といえる。

 「多くの自治体の生成型AI活用はステージ1にあります。活用用途を模索しながら、いろいろ試している段階ですが、一方でLGWAN-ASPに登録されている生成型AIサービスは、課金体系も含めて特定用途に特化したものが多いのが現状。ここにずれがあるため、なかなか活用が進んでいないのです」と川口氏。結果、十分な効果が得られず、徐々に使われなくなってしまうケースも多いという。

三層分離型ネットワーク環境で
ChatGPT Plusを安全に利用する

 そこで川口氏が提案しているのが、セキュリティーを十分に確保した上で、外部クラウドサービスの「ChatGPT Plus」を利用する方法である。「ファイル直接読み込みなどのステージ2の機能が利用できるほか、猛烈なスピードで追加される新機能もいち早く活用できます」と川口氏は利点を述べる。

 それではセキュリティーはどのように確保するのか。αモデルのネットワークを採用している自治体の場合、外部クラウドサービスを利用する際にはLGWAN接続系のデバイスから直接接続(ローカルブレークアウト)する仕組みを構築する必要がある。その際のセキュリティーを強化するソリューションとして、同社は「Sanitizer AIGateway」を提供している(図2)。  「これを使うことで、自治体ネットワークにおけるインターネット分離の形態を維持したまま、LGWAN系のデバイスからChatGPT Plusの全機能にセキュアにアクセスできるようになります」(川口氏)。具体的には、SanitizerAI Gatewayを庁内のインターネット系とLGWAN接続系の間に配置する。その上で、LGWAN 接続系のデバイス上から専用ブラウザーを使ってアクセスすることで、通信経路に関わるセキュリティーリスクを低減する仕組みだ。

 専用ブラウザーはChatGPT Plus以外にアクセスできないようにしている。ファイルアップロードの監視やログ取得のほか、ファイルダウンロードに際しては無害化(Sanitize)システムを経由させることでリスクを排除するという。「このような方法を選択肢に加えることで、生成型AI活用の幅を広げ、取り組みを加速することができるでしょう」と川口氏は説明する。

 Sanitizer AI Gatewayを利用し、ステージ2の生成型AI活用にトライしている自治体の例が愛媛県新居浜市だ。市議会の会議録を学習させることで、過去の議論や答弁の内容、発言者の検索などを行えるようにしていく予定だという。「ユーザー固有の環境構築は、ChatGPT Plusの『GPTs』を用いることで簡単に行えます。私もやってみましたが、30分程度でつくることができました」と川口氏は語る。

IT調達支援サービスによって
高度な生成型AI活用も支援

 加えて同社は、自治体の生成型AI活用をステージ3へ導くソリューションも用意している。それが「procureTech(プロキュアテック)」だ。同社が培ってきた推論型AIと生成型AI(ChatGPT)を組み合わせた、自治体向けIT調達支援サービスである。

 Excelで作成したIT調達の企画書をprocureTechに投入することで調達仕様書を自動生成できる。それをコンサルタントや職員が回覧・チェックするとともに、再びChatGPTを使いながらブラッシュアップしていくことで、容易に調達仕様書を作成できるという。ほかにもRFI(情報提供依頼書)やプロポーザル審査表、見積費用総括表なども同様の手法で生成可能だ。

 「契約・調達関連の事務作業に苦労されている自治体職員の方は多いでしょう。procureTechの提供を通じて、その負担の軽減、および業務の効率化と品質向上に貢献できればと考えています」と川口氏は強調する。

 人口減少時代に突入した日本において、自治体における生成型AI活用は避けて通れないミッションといえる。川口氏は、これまで複数の自治体でCIO補佐官を務めた経験と実績を生かすとともに、それをソリューション化することで、広く全国の自治体をサポートしたいと考えている。生成型AI活用の選択肢を広げ、自治体業務の生産性向上を図る上で、同社の提案とソリューションは検討に値するものといえるだろう。
お問い合わせ
株式会社NTTデータ
川口弘行合同会社 TEL:03-6715-2685
URL:https://www.kawaguchi.com
E-mail:sales@kawaguchi.com
procureTech(プロキュアテック):https://www.procuretech.jp/