New Future 日経ビジネス 電子版SPECIAL

N e w F u t u r e

Vol.11 顧客と企業の関係を深化させる
アクセンチュア ソングが目指すもの

新組織名「ソング」に込めた思い

 アクセンチュア ソングの前身、アクセンチュア インタラクティブをリードしてきた黒川氏はこう語る。

「先ほどお話ししたような社会変化を受け、当社に対する企業からの要望と期待は、より本質的で、規模が大きなものになっています。つまり、マーケティングなど個別機能の支援ではなく、事業戦略の再定義や組織再編を含めた大きな変革を強力に支援する体制に我々自身が進化する必要があると考えました。その形が『アクセンチュア ソング』です」

 アクセンチュア ソングは同社の中で唯一、提供する機能を示していない組織名だ。ソングとは文字通り「歌」を表すが、歌は国境や人種、時代をも越えて人々をつなぎ、共感を呼ぶものである。「歌は技術と感性が融合して創られ、人の心を動かします。『テクノロジーと人間の創意工夫で、まだ見ぬ未来を実現する』というアクセンチュアのパーパスと呼応しつつ、私たちが提供するビジネス価値が、企業と生活者の間の共感を生み出すような存在になれればという思いを込めています」(黒川氏)。

 これまでは、同社が買収したクリエイティブエージェンシーやデザインスタジオなど含め、アクセンチュアで顧客体験価値の向上を支援する人材はそれぞれ連携し“足し算”の支援を行ってきた。それを、アクセンチュア ソングという名のもとに集結していくことで“掛け算”で価値を提供する、全員が1チームとして企業の変革を支援する体制を整えた。「これからはそれぞれの専門分野に閉じることなく、各自の専門性を生かしながら一丸となってお客様企業のビジネス成長をご支援していきます」(黒川氏)。

 では、アクセンチュア ソングでは具体的にどのようなサービスを提供するのか。「当社の調査では、経営層の88%が、顧客と従業員が自社のビジネスよりも速く変化していると回答しています。このギャップを埋めるために、アクセンチュア ソングでは3つの角度から企業変革を支援します」と黒川氏は言う(下図)。

図1 図1

アクセンチュア ソングが支援する顧客接点の変革アジェンダ

 1つ目は、そもそもどのようなサービス・製品を作るか。「自社が作れるもの、作りたいもの」ではなく、顧客が社会や企業をどう捉えているかを知り、本当に求めるものを提供し続けていく必要がある。その仕組み作りから支援する。

 2つ目は、どのように顧客と長期的な関係を築き、深めるか。真の意味でパーソナライズした体験とサービスを提供し、その対価を企業が得る形に、生活者としての顧客との関係性を変えていく支援を行う。

 そして3つ目が、どのように販売・提供するか。単純なオンライン/オフラインという区分ではなく、SNSを含め増加を続ける多様なチャネルを適材適所で使い分け、シームレスに顧客体験を作り上げなければいけない。そのための知見とテクノロジーを提供する。

 これら3つの角度からのアプローチの先にあるのが「フロントオフィス・トランスフォーメーション」、すなわち顧客接点を担う経営基盤の変革だ。「これらの機能は、常に改善していく必要があります。そのために、お客様企業が顧客体験の改善を継続的に行い、変化に対応し続けられる組織に変わるお手伝いをします」(黒川氏)。

 もちろん、さらにその先にアクセンチュアの総合力をもってバックオフィスの変革も支援できるのが同社の強みだ。

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