物理世界と仮想世界が遍在化。では、アクセンチュアは具体的にどのようなサービスを提供していくのでしょうか?
市川メタバースの世界を作るには、4つのコンポーネントが必要だと考えています。1つ目が「コミュニティ」です。DAO的なコミュニティデザインをどう構築していくか。2つ目が「空間コンテンツ」。ゲーミングエンジンを駆使して手触り感のあるコンテンツが必要になるでしょう。そして3つ目が「トークンエコノミー」。メタバース上でのインセンティブメカニズムをいかに設計するかがポイントになります。そして最後が「新たなデータ分析」です。データをユーザー側が持つようになれば、これまでのWeb1、Web2とは違った形のデータ分析手法が求められるようになると思います。
これらを串刺しにして、実装、運用していくことが我々のミッションだと考えています。
山根我々は、デジタルアセットプラットフォーム「Accenture token exchange infrastructure」(axia)を提供しています。ブロックチェーン技術を用いて、デジタルアセットの発行、取引、流通などを管理できるソリューションです。現在の日本の法律状況も踏まえつつ、セキュリティを担保しながら、axiaを活用した既存システムとの連携や業務プロセスへの適合などを実現していきたいと考えています。
最後に、到来するメタバース時代に向けて、メッセージをお願いいたします。
山根デジタルアセットを創造し、評価し、盛り上げていくのは個人です。メタバース・コンティニウムをベースに個人をエンパワーしていくのが、今後の企業の役割になっていくと思います。多かれ少なかれ、こうしたことができる企業が選ばれ、これまで通りのビジネスをやりたいという企業は淘汰される時代が来るでしょう。我々としては、個人をエンパワーする企業をエンパワーしていきたいですね。
※市川氏はオンラインにて取材参加
市川DAOでは、活動の「志(こころざし)」そのものに対してステーキング※ができるようになるので、どうすれば儲かるのかといった考え方は捨てなければいけない時代になるかもしれません。こうした新しい世界観では、企業のビジネスモデルもおのずと変化せざるを得ないでしょう。
※仮想通貨を保有することで報酬を受取る仕組み、ここでは個人が活動コミュニティへの参加・貢献を通じてインセンティブを受け取る仕組みを意図
大企業がプラットフォームを独占していた時代から、Web3で個人がそれぞれのデータを所有する形になったとき、大企業が顧客との関係をどのように築いていくのか。ぜひ、我々のお客様と一緒に考えていきたいです。
山根今、次世代を作っている10代20代は、テクノロジーを手段として捉えているのではなく、もうその世界の中に生きているんですね。彼らにしてみれば、テクノロジーは「核(コア)」なのです。若い時期にそのような経験をしてこなかった今の経営者がそのような感覚を持つのは難しいと言えるでしょう。重要なのは、分かった気にならずそのことを自覚し、全く別の枠組みで新しい世界観に取り組むというような割り切りだと思います。