業務変革から人材再配置まで業務効率化の次の課題として浮上するのが創出された人材の再配置です。どのようなサポートを行っていますか。
安本まず考え方として、BPOによる余力創出を適材適所の契機と捉え、過去の経験や評判といった狭い視点ではなく、人材の供給側(対象者)と需要側(再配置先)の実態、要件を解像度高く視覚化することが大前提となります。
人材を創出する「from」から候補先の「to」に再配置する上で、何が求められるのか。スキル・資質要件を明確にし、照らし合わせて対象者のスキル・資質をアセスメントし、そのギャップをどう転換するか、「how」の議論まで落とし込むわけです。
その一連のリスキル(スキル再構築)を支援するサービスとして、2020年9月から始動させたのが「タレント・ディスカバリー・プログラム」です。従来のトレーニングプログラムと異なる点は、膨大な数のDXプロジェクトやBPOを手掛けてきた当社の知見、ノウハウを基にしたプログラムを提供できることです。コンサルタントを講師に、カテゴリー・業務ごとに実践的な講座をラインアップし、目指す変革人材レベルや現状スキルに応じて、自由に講座を選択できるのも特徴です(図2)。
図2:「タレント・ディスカバリー・プログラム」概要
トレーニングプログラムに加え、先ほどご紹介した「伴走型BPO」は日本企業に合った新たなBPOスタイルとして人材育成の観点でも有効な手段です。アクセンチュアメンバーとともに社内SSCでデジタルBPRを進める中で、DXスキルだけでなくコンサルタントの持つ課題解決・ロジカルシンキングの能力も体得してゆくことができます。
最後に、BPOを検討されている企業、読者の方にメッセージをお願いします。
安本多くの日本企業において構造改革が求められていますが、こうした改革を進める上で人材の再配置は避けて通れない課題です。BPOにも企業の実態に合わせた様々なやり方があり、社内で人材の流動化を図ることで、新たなタレント発掘も実現します。当社のような外部リソースも活用し、今こそ変革への一歩を踏み出していただければと願っています。
山形BPOの本質的な意味は「ノンコアのコア化による生産性の飛躍的向上」だと捉えています。「あなたのやっている業務はノンコアです」と言われてモチベーションが上がる人はいないと思います。生産性向上の源泉は、煎じ詰めるとその業務に従事する人材のモチベーションです。
BPOは、そしてBPOノウハウを注入した社内SSCは、社内でノンコアとされてきた業務を預かって徹底的に効率化するか、徹底的に高度化するか、いずれにせよ徹底進化させることをコア業務とした組織です。BPO・SSCにノンコア業務を託した社員はコア業務に注力する。ノンコア業務を託されたBPO・SSCはそれらにコア業務として向き合う。結果、企業のすべての業務はコア業務として取り組まれ、高いモチベーションのなかで飛躍的生産性向上を実現してゆく。これがBPOの持つ本質的な意味だと考えています。
コロナ禍がもたらす変化にどう対応するかという視点とともに、コロナ禍がもたらす変化をどう利用するかという視点も非常に重要です。いつかやらなければならなかった構造改革を一気に進める契機とも言える今、ぜひBPOを活用したトランスフォーメーションを検討いただき、企業価値向上を実現していただければと考えています。