しかし活用実態はイノベーティブと言えるのか
生成AIの機能に着目することなかれ
新価値創出には本質の理解が不可欠
新たな価値創出を可能にする
「構造分解と新結合」
「大きなお話をします。現在の世の中においては、すべてのモノゴトは構造を持っていると言えます」と山本氏は語る。
例えば、目の前に置かれているパソコン。このプロダクトは、液晶ディスプレーやCPU、メモリー、ディスクなどの主要部品で構成されており、さらにそれらの部品もより小さなベースコンポーネントから成り立っている。
また社会課題もしかり。例えば「高齢化社会」という最上位の課題の構造を分解していけば、介護難民問題や認知症問題などに分解することができる。「社会課題の最上位階層について、一度は耳にした言葉が並ぶものの、なかなか自分事化できません。しかし構造を掘り下げていくと、おそらくは自分の身の回りで発生している事象に行き着くのではないでしょうか」(山本氏)。
次に企業活動の例を見てみたい。企業活動は何らかの社会課題解決につながる場合が多く、例えばエコカー開発は環境問題に対する企業の取り組みの一つと言えるだろう。「世の中の構造を読み解き、世の中の動きに企業の動きを関連付けることができるようになるとどうなるでしょうか。まさに企業にとっては先行きが見えない世の中における意思決定の羅針盤を手に入れることに等しいのではないでしょうか」と山本氏は語る。
別の例として、キャリア構築にも同様のことが言える。世の中の動きに対して、自身のキャリアとして有している専門性や経験を重ね合わせることができれば、まだ見ぬキャリア開拓につながるかもしれない。「この構造を読み解くことと、全く異なる要素を掛け合わせることこそが新たな価値創出の切り口であると考えています」(山本氏)。
このように生成AIは、企業がイノベーションを目指す上で、構造分解した外的要因と自社の事業活動を、「掛け合わせる力」で新たに結合することで、自社の意外な強みや、思わぬ事象の解決に役立つ方法といった、独自の価値提案を可能にする。
多様化する世の中においては、掛け合わせのパラメーターはほぼ無限に近い。しかし生成AIは、人にはできない速度での演算が可能であり、処理を分散させることでさらなるスループット向上が見込める。掛け合わせからのシミュレーションにより、まだ見ぬ価値の創出につなげることができるだろう。
構造分解と新結合
「オーストリアの経済学者、ヨーゼフ・シュンペーターは、イノベーションは『既存の知と既存の知の組み合わせから生まれる』と語っています。現在では、既存の知は構造を持っています。世の中は多様化しており、構造における構成要素の掛け合わせはもはや人間ではさばききることはできないでしょう。この『構造分解と新結合』を行い、人間では出せないような答えを導き出してくれるのが生成AIの力です」と山本氏は説明する。
総合力で実現する
イノベーティブな生成AI活用
EY Japanは、生成AI活用と従来培ってきた経営コンサルティングの知見を組み合わせ、業務の効率化にとどまらない企業の新たな価値創出を支援するコンサルティングサービスを提供している。
企業の将来構想をEY Japanグループ全体で伴走支援
「アルゴリズム開発も進めており、学術論文の理論なども教え込ませた上で、飛躍的な発想を生み出せる生成AIを創り上げます。さらに、技術支援のみならず、イノベーションを目指すクライアント企業の生成AI活用を、経営戦略やM&A戦略などもカバーするEY Japanの総合力をもって包括的にサポートできるのが、当社の大きな強みです」と山本氏は語る。
後編では、生成AIを活用すると、具体的にどのようなイノベーションが生まれるのか、ユースケースを見ていきたい。
