新リース会計基準では、契約書にリース契約や賃貸借契約という文言が含まれていなくても、特定の資産を支配していればリースに該当する。これまでリースとされなかった取引がリースに該当する可能性があるわけだ。「形式上はリース契約ではないものの、実質的にリースに該当するもの、それが『隠れリース』になります」と公認会計士の川口 宏之氏は指摘する。
隠れリースが事後的に明らかになった場合、財務諸表を修正し、決算短信やIR資料も再発行しなければならない。適用準備の甘さは市場から厳しい評価を受け、企業価値や社会的信用の低下も懸念される。
リースに該当するか否か。判定基準は示されているが、その識別は難しい。例えば、ある設備を賃貸借契約した場合、借り手が独占的に利用できればリースに該当するが、利用割合が70%以下ならリースに該当しないという判断も成り立つ。しかし明確な定義があるわけではないし、利用割合の算定も難しい。
隠れリース対策は経理部門だけでは対応できない。関連部署を巻き込んで全社的に取り組む必要がある。
「コンサルティング会社など外部のサポートを受けて、グループや子会社を含めた調査方法、対応プロセスを検討するなど包括的な視点で早期に対応を進めることが重要です」と川口氏は訴える。隠れリースを事前に洗い出すことが、効果的なリスク対策になる。