オービックビジネスコンサルタント

新基準で
経理業務はこう変わる!
3つの業務課題と
その対応策とは

新リース会計基準は企業の財務と会計処理に大きな影響を及ぼす。これまで非リース扱いだった契約で、一転してリース扱いになるものがあるからだ。これに伴う会計業務の複雑化は避けられない。しかし「まだ会計方針が確定していない」という企業も多い。新基準によって何がどう変わり、どのような会計処理が必要になるのか。ポイントとなる3つの業務課題にフォーカスし、効果的な対策を考察していく。

リースをオンバランス化する
新基準で会計業務が複雑化

株式会社オービックビジネスコンサルタント 営業本部 営業推進部 マーケティンググループ 主任 荒巻 翔平氏
株式会社オービックビジネスコンサルタント
営業本部 営業推進部
マーケティンググループ
主任
荒巻 翔平
 新リース会計基準では、原則としてリース契約はすべてオンバランス化が必須となる。これまで費用として損益計上していたものを、資産や負債として計上することになる。不動産の賃貸借契約や運送委託契約なども条件が合致すればリースになる。

 経営への影響もさることながら、経理など現場業務の混乱は必至だ。「リースに関する会計業務が複雑化し、その業務負担はこれまでの3 ~ 5倍に増加すると言われています」とオービックビジネスコンサルタント(以下、OBC)の荒巻 翔平氏は指摘する。

 想定される業務負担は大きく3つあるという。「適用準備」「適用初年度」「適用後」の業務だ。

 適用準備業務は、まず「何がリース対象になるか」を識別する。その上ですべてのリースをオンバランスした場合の影響額を試算する。試算した将来への影響額を基に、会計方針や処理方法の見直しも必要になる。

 適用初年度の業務は、すべてのリース契約に対し、過去にさかのぼって使用権資産・リース負債の遡及計算を行う。「新たな基準に基づく計算業務への対応が必須です。業務負荷を鑑みて経過措置も適用できますが、それでも業務負担は発生するので先を見据えた準備が必要です」と荒巻氏は述べる。

 適用後も契約条件やリース期間、リース料が変更になれば、その都度、資産・負債額を見直す。「そのため、計算業務への対応と仕訳伝票の起票の対応は、適用後も永続的に必要になります」と荒巻氏は続ける。

新基準対応機能を標準実装
会計業務を効率化し精度も向上

 新基準は2027年4月から強制適用される。システム対応などを考えると時間的な猶予は少ない。「逆算すると、2025年度内に『会計方針の策定』と『システム選定』まで準備を進めておく必要があります」と荒巻氏は語る。

 どこから手を付け、何をどこまでやればいいのか――。OBCは、新リース会計基準への対応に悩む企業担当者に向け、対応ロードマップを整備し、全フェーズで支援を提供している。そのソリューションの1つが『固定資産奉行V ERPクラウド』だ。国内累計80万以上の導入実績を誇る「奉行シリーズ」の一環として、導入・運用が容易なSaaS型の固定資産管理システムを提供。新リース会計基準に対応し、企業が直面する3つの主要な業務課題の解決を力強くサポートする(図1)。
図1
『固定資産奉行V ERPクラウド』の新基準対応機能
図1 『固定資産奉行V ERPクラウド』の新基準対応機能
新リース会計基準に伴う3つの業務課題に必要な機能を網羅。適用準備から初年度対応、適用後まで、新たに求められる作業をトータルにカバーし、会計処理の精度と業務効率の向上を実現する
 適用準備における契約内容のリース識別業務では、各契約書の内容を精査し、リース対象かどうかを判断する必要がある。OBCでは、契約書類をPDF化して専用アプリに取り込むだけで、AIエージェントが自動的にリース対象かどうかを判定。判定結果に基づき、『固定資産奉行V ERPクラウド』へリース資産としてそのまま登録できるツールを、今後提供予定だ。財務諸表への影響額試算では、オンバランス対象の資産数、遡及計算方法ごとの影響額や自己資本比率を容易に計算できる。「リース料やリース期間など最低限の情報を入力するだけで、B/SやP/Lに与える影響額を試算します」(荒巻氏)。

 適用初年度に必要な遡及計算を効率化する機能もある。新たにリースと識別した契約情報をリース登録すると、期首時点の資産・負債残高及び累積的影響額などを自動計算する。適用初年度の期首時点で計上すべき仕訳金額を容易に確認できるようになる。

 適用後業務に必要な機能も充実している。新基準に基づくリース取引区分を自動判定。使用権資産、リース負債、減価償却費、支払利息などを自動計算し、月次の会計処理を効率化する。リース期間、リース料や数量などの変更に伴うリース負債の見直しにも柔軟に対応可能だ(図2)。
図2
リース負債の見直し機能
図2 リース負債の見直し機能
現在の契約情報を参考にしながら、変更後の新たな契約情報を入力するだけで、リース負債などの見直しと仕訳伝票まで自動作成する。複雑な計算業務や仕訳処理の手間を削減し、ヒューマンエラーの心配もなくなる
 これまで非リースとしていたものがリース扱いになる一方で、税務基準はそのままなので会計との不一致が懸念される。その差額の申告調整を自動化する機能も今後提供予定だ。「そうした新機能は追加費用なく、自動更新で利用できます」と荒巻氏は述べる。

SaaS型なので導入・運用が容易
中小企業向けローコストモデルも

 『固定資産奉行V ERPクラウド』は分かりやすいGUI画面で、直感的に操作できるのが特徴だ。例えば、リースのオンバランス金額を遡及計算する場合は、適用する遡及計算方法を条件設定で指定するだけで、使用権資産・リース負債の帳簿価額を自動計算する。計上する仕訳金額はリースごとに一覧で確認が可能だ。

 仕訳伝票も会計システムへ手間なくデータ連携できる。財務会計システム「勘定奉行クラウド」との連携はもちろん、他社会計システムともオプションを活用することでシームレスな連携を可能にする。

 『固定資産奉行V ERPクラウド』は新リース会計基準に標準機能で対応している。オプションなどの追加導入は必要なく、プログラム自動アップデートで利用可能になる。「SaaSサービスなので、将来の法改正にも迅速かつ柔軟に対応します。お客様はシステムのアップデートや改修の手間はかかりません」(荒巻氏)。

 提供モデルには2種類ある。資産件数1万件(最大10万件まで拡張可能)まで対応する中堅・大企業向けモデルと、グループ子会社や中小企業でも利用しやすいローコストモデルだ。対応資産件数は1000件までだが、新リース会計基準対応機能はすべて標準実装。「中小企業でも手間とコストを抑えて、新リース会計基準に迅速に対応できます」と荒巻氏は語る。

 『固定資産奉行V ERPクラウド』は、固定資産のライフサイクル管理や、煩雑な業務を効率化する多彩な機能を実装している。そこに新リース会計基準対応の新機能が標準装備されたわけだ。これを活用することで、新基準対応を機に、固定資産管理業務のデジタル化を加速できるだろう。