主催者講演①【デジタル・サイバーセキュリティ】 : 経済産業省

我が国の産業競争力強化に向けた
デジタル・サイバーセキュリティ分野の
官民投資ロードマップについて

経済産業省

商務情報政策局
情報経済課長

守谷 学

 これまで生成AIは、インターネット上の膨大なテキストデータを学習して発展してきた。しかし、そうした公開データはすでに掘り尽くされつつあるとされる。
「次の焦点は企業内に眠る産業データだ。特にフィジカルAIでは、非構造データをいかに確保し、AIに学ばせていくかが問われる。製造業をはじめとする産業の現場とタッグを組み、そのノウハウをAIに移転していくことに日本の勝機がある」と守谷氏は述べる。

 その実現には、データをAIが理解しやすい形に整える「AI-Ready」化や、企業・業界を超えて連携させるデータスペースが欠かせない。一方で、企業内データは営業秘密や競争力の源泉でもある。守谷氏は「機密性の高いノウハウを守りながら使える環境を、技術と制度・契約の両面で整える必要がある」と指摘する。

 セキュリティもAI前提へとシフトする。攻撃・防御の双方が同技術を駆使する時代に、制御系システムや製造現場を多く持つ日本の特性を生かし、国内産業の実態に即した国産セキュリティ製品・サービスを育てる考えだ。

 AI活用を支えるには、クラウド、データセンター、電力や通信といったインフラも不可欠となる。両者を一体で捉える「ワット・ビット連携」や蓄電池・電源システムの強化を進め、2035年までに国内クラウド市場30兆円を目指す。

 自動運転技術では、AIで認識から経路判断までを一気通貫で行うE2E技術等が焦点となる。守谷氏は「日本の自動車産業の強みを生かし、国産E2E搭載車の量産や安全性評価、データエコシステムを整え、AIを産業実装へつなげていく」と今後の方針を明らかにし、講演を終えた。

主催者講演②【資源・エネルギー・安全保障・GX】 : 経済産業省

GX政策の現状と
官民一体でのロードマップ

経済産業省

GXグループ
GX投資促進課長

清水 淳太郎

 中東情勢でエネルギー安定供給への関心が高まるなか、AI普及による電力需要増や資源・部素材の供給リスクも顕在化している。GXは今や、脱炭素政策にとどまらず、エネルギー安全保障と産業競争力を左右する重要テーマとなった。

 世界では極端な脱炭素路線は後退しつつあるものの、グローバル企業からサプライヤーに対する排出削減への要請は続く。自国の競争力強化や国産エネルギーの確保と一体で、エネルギー環境政策を進める動きが強まっている。

 清水氏は「GXは立ち止まるものではなく、むしろ一層推進していくことが必要だ。エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素を同時に追求していかなければならない」と述べる。

 同政策では、20兆円規模の先行投資支援を通じて、150兆円超の官民投資を目指している。日本成長戦略ではその流れを踏まえ、従来の重点16分野に加え、ペロブスカイト太陽電池や洋上風力、次世代型地熱、次世代革新炉、水素等、グリーン鉄、GXケミカルの7技術・製品について、官民投資ロードマップを策定した。公共調達などによる初期市場の形成から海外展開までを見据えて市場構築を一体で進めるほか、産業クラスターやデータセンターの集積を推進する。地域への投資と脱炭素電源整備の好循環を生み出し、地元の雇用創出にもつなげる考えだ。

 清水氏は「大量生産だけで競争力を持つ国と戦うのは容易ではない」とし、日本が強みを持つ高度なレシピやすり合わせ技術を起点に、初期需要の創出や市場ルールづくりまで官民で描く重要性を指摘。GXを企業の成長戦略と位置付け、足元の省エネやAI活用から将来の革新技術まで、時間軸を分けて投資を進める必要性を訴えた。

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主催者講演①【デジタル・サイバーセキュリティ】

経済産業省

我が国の産業競争力強化に向けたデジタル・サイバーセキュリティ分野の官民投資ロードマップについて

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