稚内市の西方60kmの日本海に位置するの最北端の島、礼文島。
この島に魅せられたネイチャーフォトグラファーの柏倉陽介氏が、
モンベル「ストームクルーザー ジャケット」とともに旅します。

“風景の中に住みたい”
そんな気持ちになった最北の離島

稚内港からフェリーで礼文島へ。穏やかな海を眺めながら船に揺られていると、1時間ほどで美しい稜線の利尻富士が見えてくる。そこから、さらに約1時間。今回の旅の目的地である礼文島へ到着した。

ネイチャーフォトグラファーとして、北極圏やボルネオのジャングルなど世界中を旅してきた私がここ数年、最も魅せられているのが北海道の礼文島だ。きっかけとなったのは、礼文島を舞台にした映画「北のカナリアたち」の原案となった作品を書いた小説家、湊かなえさんと利尻島の利尻富士に一緒に登ったこと。すぐ目の前に見えた最北の島に興味を持ち、後日訪れてみたときに出合った絶景の数々にひと目惚れしたのだ。海岸、奇岩、丘陵、海、植生…他では目にしたことのない素晴らしい風景を前に“この風景の中に住みたい、この島を拠点に撮影活動をしてみたい”と、強く心を動かされた。こんな気持ちになったのはフォトグラファーになってから初めてのことだった。

PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

礼文島のなだらかな丘陵越しに見る利尻富士。優美なその姿はヨーロッパの名峰を思わせる。

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入江の澄んだ海の色と断崖絶壁が美しい澄海岬。高山植物が自生する西海岸の人気スポット。

ここで、簡単に礼文島を紹介しておこう。北海道の稚内市から西へ約60km、日本海に浮かぶ礼文島は利尻礼文サロベツ国立公園に指定され、固有種を含む約300種類の高山植物が春から夏にかけて次々と咲くことから“花の浮島”とも呼ばれている。太古の昔に大陸から切り離されたことから奇跡的な自然が今なお残されており、訪れた人は個性豊かな7つのトレッキングコースを散策することができる。

PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

トレッキングで訪れる人々の目を楽しませてくれる“花の浮島” こと礼文島の高山植物。
上はレブンシオガマ、左下はエゾエンゴサク、右下はイワベンケイ。

見たことのない景色を探して
海岸線をトレイル

まずは、北部エリアの景勝地が次から次に現れる岬めぐりコースへ向かった。スコトン岬、ゴロタ岬、澄海岬の3つの岬をめぐるこのコースは花だけでなく、海蝕崖(かいしょくがい)が生み出す西海岸の絶景が広がる。捉えたい景色を見つけてカメラを構えたとき、遮るものがない岬に海風がダイレクトに吹きつけてきた。私がこの島を訪れたのは5月の上旬だ。東京は半袖でも過ごすことができる初夏の気候だったが、最北の離島はまだまだ肌寒い。薄手のダウンの上からモンベルのストームクルーザー ジャケットを羽織り、ジッパーを首までしっかり上げる。軽くて風を通さず、熱がこもりにくいこのジャケットは、私の旅に欠かせない相棒だ。気候に煩わされることなく撮影に集中することができる。

ゴロタ岬で被写体を探す柏倉氏。ストームクルーザー ジャケットは
首元から顎の上部までをしっかりと覆うことができるので風よけになる。

波打つように広がるなだらかな丘陵は人や動物の姿もなく、眺めていると地球上に自分だけが存在しているかのような不思議な気分になる。あと数週間で草花が芽吹き、塗り替えたように一面が緑に変わるはず。礼文島を拠点に、季節の変化をずっと写真に収めていきたいと思う。

PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

ゴロタ岬から見える丘陵斜面。高い樹木が少ない礼文島ならではの広大な景色。

振り返ると北端のスコトン岬の方角には、切り立った海岸線とその先のトド島までを一望できる。岬の小さな集落には、縁あって私が撮影の拠点として譲り受けた古民家も目視で確認することができた。 “自分が景色の中に住んでいる”という喜びをしばし噛みしめる。

PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

島最北部のスコトン岬。奥に見える島はトドが横たわっているような形状から、その名もトド島。

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島の北東、金田ノ岬で出合ったアザラシたち。
風が弱く波の穏やかな日には、岩の上で休んでいるアザラシに出合うこともできる。

“アウトドアを知る作り手”のこだわりを感じる
ストームクルーザー ジャケット

突然、パラパラと小雨が降ってきた。ストームクルーザー ジャケットに内蔵されたフードを取り出しすっぽりと被る。フードが工夫されていて、被っても視界が狭くならないのがいい。山道では常に視界を確保することは非常に大切で、撮影がしやすいことはもちろん、足元が見えないと道を踏み外すことにもなりかねないので、安全性の面からもフードの設計には妥協できない。また、礼文島などの寒冷地や夏山での撮影の際には雨や汗で体を濡らさないことが大切だ。雨が染み込んでくることや、汗で湿ったアンダーウェアのまま行動していると体が冷え、どんどん体温が低下してしまう。首元も袖口もしっかりガードでき、防水性も透湿性も優れたストームクルーザー ジャケットはそんな時にも頼もしい。

顔の周囲、首周り、ひさしの上下の三方向から調整できる独自設計のトライアクスルフード。
ひさしは先端に芯を入れ、雨を効果的に遮るが視界は遮らない。

そして、シンプルな作りで動きやすいのも、私がこのジャケットを選ぶ理由だ。リュックを背負ったり下ろしたりといった動作の時にも引っ張られたりゴワついたりせず自由に腕を動かすことができる。絶妙な薄さや動きやすさ、随所に見られるディテールの工夫など、モンベルの製品は都会の机の上ではなく、実際にアウトドアで行動し、着たり使ったりして考えられているのだろう。遥か礼文島の地でその機能性を実感する時、作り手へのシンパシーが静かに湧いてくる。

縫製箇所を極限まで減らすことで防水性と動きやすさを追求した
独自のカットパターンが施されているストームクルーザー ジャケット。
腕の上げ下げなどあらゆる動作をスムーズにこなせて、耐久性にも優れている。
最低限の機材だけでもそれなりの荷物になってしまうという柏倉氏。
ストームクルーザー ジャケットは小さく畳んで付属の収納袋に入れると筒型のウェットティッシュ程度に収まる。
リュックにも軽々と収納可能だ。
モンベルのスペリオダウンジャケットの上にストームクルーザー ジャケットを重ね着するのが定番パターンという柏倉氏。
ストームクルーザー ジャケットはゴアテックスメンブレンの裏地に、極めて薄いニット素材を使用。
防水透湿性を備えた素材で透湿性・軽量性に優れ、耐久性を向上させながらも軽量化を実現。

自然の中で味わう感動の瞬間を
写真を通して伝えていきたい

雨がおさまったので、島の南部の桃岩展望台コースに向かい撮影を再開しよう。礼文島では、さまざまな奇岩に出合えることも魅力の一つだ。何百万年もの間、厳しい雨風や波にさらされ、削られて出来上がった岩の形は、天候や見る角度でも表情が変わり人智の及ばない自然の偉大さを感じさせる。桃岩展望台では左右にそびえる断崖の間から猫岩と海を見下ろすことができた。

PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

桃岩展望台から猫岩を望む。礼文島の西側は人工的な建設物もほとんどないため、
手付かずの自然をそのまま写真に切り取ることができる。

PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

海の上に猫が背を丸めて座っているかのように見える猫岩。

PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

桃のように見えることから桃岩と呼ばれる巨岩。付近一帯は島内でも有数の高山植物群落で、観光スポットとしても人気。

目の前に次々と自然がつくり出した絶景が繰り広げられ、新鮮な驚きや感動を味わうことができる礼文島。撮影の合間には自分の生きている地球上の好きな場所、好きな景色をどうしたら大切に残していくことができるかと自問自答する時間もあった。自然は時に人間に厳しい顔を見せることもあり、気候の変動や地球温暖化のスピードも決して甘く見ることはできないと感じている。礼文島の景色や動物、植物の姿を撮影することで、これからも写真を通して自然の美しさや雄大さ、厳しさを伝えていくことができたらと考えている。

PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

ゴロタ岬からの夜景。今にも落ちてきそうなほどの満天の天の川が楽しめる。
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モンベル
ストームクルーザー ジャケット

フォトグラファーの柏倉陽介氏が愛用中。卓越した防水性・透湿性・軽量性を全て備えた究極のレインウエア。

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柏倉 陽介
(かしわくら ようすけ)

1978年生まれ。大学探検部で大自然と出合いネイチャーフォトグラファーに。主な撮影分野は自然風景、自然と対峙する人間、環境保護など多岐にわたる。米ナショナル ジオグラフィック国際フォトコンテスト 自然部門入賞、ワイルドライフフォトグラファー・オブザイヤー Highly Commended、パリ写真賞「PX3」地球写真部門1位など主要な国際写真賞に多数入賞。作品は米国立スミソニアン自然史博物館、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)、世界大都市気候先導グループ(C40)会議などに展示された。ナショナルジオ グラフィック日本版Webサイトに加え、ドイツ博物館やロンドン自然史博物館発行誌、LensCulture誌ほか国内外のメディアに掲載。礼文島に設けた新たな拠点をベースに、撮影活動に加え自然写真の運営を準備中。

柏倉陽介公式サイト

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