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特集

企業の節電に貢献、エコなPC節電テクニック
2012年7月19日公開

企業の節電に貢献、エコなPC節電テクニック

オフィスの節電対策に詳しい岡村秀昭氏が、節電の必要性や節電設定のポイントなどについて基礎から解説する。レッツノートならではの節電機能についても触れる。





電力不足は全国に拡大。継続性のある節電対策が求められる

岡村秀昭(おかむら・ひであき)<br>フリーランスライター。PC関連記事を多数手がける。雑誌「日経パソコン」において、特集記事「企業のIT節電マニュアル」や連載記事「作って覚える Excel 2003 節電試算表」を執筆するなど節電について造詣が深い。
岡村秀昭(おかむら・ひであき)
フリーランスライター。PC関連記事を多数手がける。雑誌「日経パソコン」において、特集記事「企業のIT節電マニュアル」や連載記事「作って覚える Excel 2003 節電試算表」を執筆するなど節電について造詣が深い。

 2011年3月に発生した東日本大震災による被害と、安全性再確認のための定期点検によって、国内の原子力発電所は2012年7月時点で一部を除き、ほとんどが稼働停止中です。震災前には国内総発電量の約3割を担っていた原子力発電所の大部分の停止により、日本国内はかつてない電力不足状態に陥ることが予測されます。2011年には、東京電力や東北電力管内での電力不足が主に問題になりましたが、2012年には関西電力や九州電力、北海道電力、四国電力管内でも電力不足が予想されるなど、影響は全国に拡大しています。しかもこの状態は今後しばらくは継続する見込みです。また、火力発電所への依存が高まることや、新規発電所の建設などを理由に、各電力会社は電気料金の値上げを予定しています。こうした電力不足や電気料金値上げを受けて、オフィスや家庭における節電がこれまで以上に求められています。

 それでは節電のポイントはどこにあるのでしょうか。資源エネルギー庁の推計による平均的なオフィスビルの夏の午後2時台の用途別電力消費割合は図1の通りです。空調、照明、OA機器で全体の9割弱を占めており、これらの分野での節電対策が特に重要だと分かります。このうち、空調、照明での節電対策はすでに多くの企業で実施されていますが、私はOA機器での節電対策にも力を入れるべきだと考えます。

 OA機器の電力消費割合は全体の16%とあまり大きくありませんが、この分野での節電対策に注力すべき理由が2つあります。

 一つは、空調や照明での節電対策と異なり「我慢を強いない節電対策」が可能だからです。節電というと「暑い(または寒い)」「暗い」といった不快さ、不便さを我慢するイメージがありますが、OA機器の代表格であるパソコンでの節電対策はそうではありません。パソコンは、最新機種になればなるほど一般に省電力かつ高速だからです。例えば、2006年頃のデスクトップパソコンの消費電力は100Wを超えていましたが、現在では50W程度と半減しています。ノートパソコンの方は元々省電力ですが、それでも2006年頃のモデルが40W程度の消費電力だったのに対し、現在では20W程度とこちらも半減しています。その一方で、性能の方は、数倍~数10倍も向上しています。つまり、節電対策として新機種への置き換えを実施すれば、むしろ快適さを手に入れられるのです。ユーザーに我慢を強いないことで、継続性のある節電効果が期待できます。もちろん、新機種導入にはコストがかかりますが、パソコンの更新はどの道いつかのタイミングでやるべきこと。この状況を好機と捉えて置き換えを進めるのもよいと思います。また、既存のパソコンを使いつづける場合でも、後述するようなちょっとした設定や工夫で、作業効率を落とさずに節電できます。

 もう一つの理由は、熱の発生を減らせることです。パソコンが消費する電力はその大部分が最終的に熱となって放出されます。パソコンの節電対策によって熱の発生量が減れば、夏場の空調にかかる消費電力も同時に減らせます。また、デスクトップパソコンを省電力なノートパソコンに置き換えれば、それだけで節電対策になりますし、持ち運びしやすいというノートパソコンの特性を生かして勤務スペースを集中させることで、空調や照明の使用を効率化できます。

画面の輝度調節とスリープ活用が省電力設定のポイント

 パソコンの設定や運用を見直すことでも消費電力を削減できます。効果的なのはディスプレイの輝度の適正化と、システムの動作を一時的に停止する「スリープ」の活用です。

 パソコンの消費電力は、ディスプレイの輝度を上げる(明るくする)と増え、下げる(暗くする)と減ります。店頭販売時の見栄えなどを考慮して、出荷時にはディスプレイの輝度は一般に最大値に設定されています。これを、見づらくならない範囲で下げることで省電力化できます。輝度低下による節電効果は、5~20%とかなり大きいのでぜひ実施したいものです。離席する場合には、ディスプレイの電源を切るようにしましょう。後述するように、自動的にディスプレイの電源を切るように設定することもできます。なお、スクリーンセーバーは節電には逆効果ですから、使用を控えることをお勧めします。

 パソコンの消費電力は、WindowsをシャットダウンしてPCの電源を切断することで最小化できます。そのため、長時間離席する場合などに、こまめにシャットダウンすることが節電には重要です。しかし、Windowsを一度シャットダウンしてしまうと、作業再開には、Windowsやアプリケーションソフトの再起動が必要になって手間や時間がかかります。また、電力の消費も無視できません。2~3年前までの旧機種(消費電力が20W、起動処理に60秒かかる)で、シャットダウンや起動処理をすると、1200W秒もの電力が消費されることになります。そのため、シャットダウンの頻度を上げすぎてもかえって非効率です。

 Windowsには、システムの動作を一時的に止める「スリープ」と「休止状態」の2種類の休止モードがあります。スリープは、OSやアプリケーションの実行状態をメモリー上に保存してからシステムを停止するモードです。メモリー上のデータを維持しておくためなどにわずかな電力を消費しますが、通常稼働時よりも大幅に消費電力を減らせます。復帰時には以前のパソコンの状態が再現され、すぐに作業を再開できます。休止状態は、OSやアプリケーション実行状態情報をディスクに保存してからシステムを停止するモードです。スリープと違ってメモリーへの電力供給も停止しますので消費電力はさらに少なくなります。ただし、休止状態への移行やそこからの復帰にはやや時間がかかります。短時間の離席時などに活用したいのが、このうちのスリープモードです。スリープの利点は、スリープ前の作業をすぐに再開できることと、システムの休止と復帰にかかる時間が合計でも10秒程度と極めて短く、休止や復帰処理時の消費電力を抑えられることです。20Wの消費電力のノートパソコンであれば、200W秒程度の電力しか消費しません。

 ただし、スリープ状態の継続にはシャットダウン時よりも電力を消費しますので、長時間の使用は好ましくありません。おおよその目安としては、1時間半以上席を離れる場合にはシャットダウン、それ以下の時間であればスリープを使うのがよいでしょう。

 ディスプレイの輝度を下げる設定や、一定時間Windowsを操作しない場合に、ディスプレイの電源を切ったり、スリープやシャットダウンをするといった設定は、Windows 7のコントロールパネルで「ハードウェアとサウンド」ー「電源オプション」を選択して表示される画面で実施できます。ノートパソコンでは、電池駆動時とAC電源駆動時とで設定を変えることもできます。しかし、Windows標準の省電力機能だけでは、各パソコン個別の省電力性能を必ずしも最大限は引き出せません。省電力性能を最大限に引き出すには、パソコンメーカーが用意する専用ソフトが必要にあることがほとんどです。

 例えば、レッツノートには「電源プラン拡張ユーティリティ」という専用ソフトが標準インストールされています(図2)。同ソフトの設定画面で、「電源プラン」を「パナソニックの電源管理(省電力)」に設定することで、Windows標準の省電力機能を使った場合よりも消費電力を抑えることができます。また、Windows Aeroの有効/無効やディスプレイの輝度、バッテリーのエコノミーモード、ファンの動作、有線/無線LAN機能の有効/無効などの個々の設定をユーザーが個別に調節することも可能です。

夜間電力を有効活用して「ピークシフト」を実現しよう

 節電対策においては、総消費電力を抑えることと共に「ピークシフト」が重要です。電力消費のピークは、一般に空調機器などによる電力需要が高まる(主に夏場の)昼の時間帯にあります。消費電力が電力会社の供給可能電力量を超えてしまうと大規模な停電が発生する恐れがありますから、ピーク時間帯の電力消費をできるだけ抑える対策が必要です。対策が不十分であれば、特に関西では2011年の関東エリアのように実際に計画停電が実施される可能性があります。2012年においてもピーク電力不足が見込まれることから、政府は、2012年7月2日から9月28日の平日9:00~20:00の間の節電を(沖縄を除く地域の)国民や企業に要請しています。また電力各社は、電力需要をできるだけ分散化させるために「時間帯別料金」プランを拡充しています。時間帯別料金プランでは、電力需要が高い昼の時間帯の電気料金を高く設定し、その代わりに、電力需要が低い夜間の電気料金を低く設定します。ピークシフト対策をしておけば、時間帯別料金プランの利用によって電気料金を安く抑えられる可能性があります。

 パソコンでのピークシフト対策は、バッテリーを備えるノートパソコンを使ったものが中心です。夜間にバッテリーを充電しておき、昼間はそのバッテリーを使ってノートパソコンを稼働させるという使い方が基本となります。ここでまず重要になるのがバッテリー駆動時間の長さです。政府が要請する9:00~20:00までの節電に完全対応するには、最低でも11時間はバッテリー駆動できる機種でなければなりません。途中でバッテリーが切れてバッテリーへの充電が生じてしまうと、かえって消費電力が高くなってピークシフトの意味がなくなります。次に重要なのが、充電する時間帯や、バッテリーが切れた場合の動作などを柔軟に設定できることです。例えば、夜間だけでなく昼休みにも充電する、ピーク時間帯にはバッテリーが切れてもAC電源駆動するだけで充電はしない、などの設定がきめ細かくできなければ、十分なピークシフト効果を発揮できません。

 こうした点を考慮すると、レッツノートはピークシフト対策に最適と言えます。バッテリー駆動時間の長さはレッツノートの特徴の一つだからです。例えば、SX2スタンダード(SSD)モデルに標準バッテリー(L)を装着した場合、約19時間もの長時間のバッテリー駆動が可能です※。

 また、レッツノートの2011年秋冬モデル以降には「ピークシフト制御ユーティリティ」が標準インストールされています(図3)。それ以前のモデルにも同ソフトは追加インストール可能です。ピークシフト制御ユーティリティを利用すると、ピークシフトする時間帯や曜日、ピークシフト期間中に確保するバッテリー残量、ピークシフト期間中の電源プランなどを細かく設定できます。

 ピークシフト制御ユーティリティでは、ピークシフト時間帯を2種類設定できます。そのため深夜だけでなく、お昼休みにもバッテリーを充電する設定が可能です(図4)。なお、ピークシフト期間中に指定したバッテリー残量を下回った場合には、自動的にAC駆動に切り替わります。しかし、この際にバッテリーの充電は行われませんから、ピークシフト効果は持続します。さらに2011年秋冬以降のモデルでは、レッツノートの電源をオフにしても同ソフトによる制御が継続されます。深夜電力を使ってバッテリーを充電する場合でも、レッツノートの電源をオフにして帰宅して構わないので、より一層の節電効果が期待できます。

 なお、SX/NXシリーズのACアダプターは電源オフ時の待機電力を従来比で約9割カットしています。そのため、ACアダプターを接続したまま帰宅しても、消費電力に対する影響を小さく抑えられます。この点でもピークシフト対策に最適な機種だと言えます。

※動作環境により変動します。

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