コロナ禍、自然災害、国際紛争、円安、資源価格の高騰と、予期せぬ事態が次々に起きている。ビジネス環境の変化が速まり、先行き不透明な状況は今後も続く。この環境を生き抜くには、意思決定と行動のスピードを加速しなければならない。時間のかかる上意下達型の組織から、現場の正しい判断ですばやく動ける自律型組織への変革が求められている。そして、現場判断の正確性を支えるのが可視化ツールである。
様々な可視化ツールがあるが、問題はその目的だ。ベストセラーとなった書籍「7つの習慣」の著者であるスティーブン・R・コヴィー博士は、「可視化経営の真の目的は『エンパワーメント』にある」と述べた。この「エンパワーメント」というキーワードが、ここ数年、世界中の経営者の注目を集めている。
エンパワーメントとは、「委任」という意味だ。現場の社員に権限を委任し、必要な情報を共有して、現場が自ら判断し、迅速に行動できる自律的な組織を作る。可視化はそのためにあるとコヴィー氏は語っている。旧態依然とした上意下達型の組織は、意思決定が遅く機動性もない。これでは市場に後れを取り、ビジネスチャンスを失い続け、やがて経営危機に陥る。
自律型組織を作るには、社員のマインドを変革し、一人ひとりにリーダー的な意識を持たせなければならない。これを組織のカルチャーとして定着させていく必要がある。社員の行動が変わり始めれば、組織もビジネスも大きく変わっていく。
20年間で世界の4000社が導入した「4つの規律(4DX)」の勘どころと、データと可視化を生かして組織の変革を進める方法について、次ページで解説する。
社員の行動変容を促す、可視化の要点01可視化経営の現在地

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