※1 サンプリング自動販売機「ロフボ」設置店舗(渋谷・銀座)において、ロフトの公式アプリ会員がお気に入り店舗として登録した件数の5月前年対比
店舗を軸に顧客と取引先をデジタルで結ぶ。雑貨小売業パイオニアのロフトは、リテールメディア分野をけん引するアドインテをパートナーに、新たな顧客体験の提供、取引先のマーケティング支援を通じ、自社売り上げ拡大につなげる。コスメのサンプリングボックス「ロフボ」は大きな反響を呼ぶ。
ロフト
常務執行役員 商品本部
営業企画部 部長
掛井賢治氏
新しいコトやモノに出会える。1987年誕生、ロフトのコンセプト「トキの器」は今も変わらない。時代を捉えた売場づくりでライフスタイルを提案する。全国177店舗※2を展開し業績も好調、創業以来の3期連続最高益を目指す。
※2 2025年5月末時点
ロフト
常務執行役員 商品本部
営業企画部 部長
掛井賢治氏
その裏側で本質的課題も抱える。「持続的成長に向けて客数をいかに増加させるか。人手不足の深刻化で、従業員の生産性向上も必要です」とロフト営業企画部部長の掛井賢治氏。解決に向け、DX推進室を立ち上げた。顧客接点を広告プラットフォームとして提供する、リテールメディアに着目。同室長の嵐陽一氏は説明する。
ロフト
DX推進室 室長
兼 業務DX推進担当
嵐陽一氏
「ロフトは売場を魅力的に演出するVMD(Visual Merchandising)に力を入れています。可能性を感じるのは、お客様を呼び込む送客部分。リテールメディアで一人ひとりに最適化されたサービスを提供する1 to 1マーケティングを実現し、持続的関係を築けます」
ロフト
DX推進室 室長
兼 業務DX推進担当
嵐陽一氏
嵐氏は様々な関連イベントに足を運んだ。他社と異なる独自性に引かれたのがアドインテだった。「業界最先端を走るだけに、面白いと思いました。特に印象的だったのがサンプリング自動販売機でした」と語る。
●図1 ロフト公式アプリ内画面
アプリの二次元コードを「ロフボ」に読み込ませると、無料サンプルを受け取れる。ロフト側は会員IDとひも付けたデータを取得できる(画像提供:アドインテ)
ロフトはこれまでも、無料サンプリングを実施してきた。レジでスマホのお知らせ画面を示すことでサンプルが受け取れる。問題は運用面だ。レジ混雑時には顧客と、従業員への心理的な負荷を招いた。
「サンプリング自動販売機なら、ロフト会員のお客様がスマホで二次元コードをかざすだけ(図1)。サンプルをいつでも入手できます。顧客満足度向上とレジ業務効率化、両方が実現します」(嵐氏)
●図1 ロフト公式アプリ内画面
アプリの二次元コードを「ロフボ」に読み込ませると、無料サンプルを受け取れる。ロフト側は会員IDとひも付けたデータを取得できる(画像提供:アドインテ)
ロフト営業企画部次長の海野幹雄氏はアドインテのデジタルサイネージ展開力を評価する。
「従来は各店舗、SDカードからデジタルサイネージにコンテンツを配信していました。業務効率化とタイムリーな配信の実現には、本社で集中管理し一括配信するオンライン化が必須。機材の選定・展開、ネットワークなど、トータルサポート力に優位性がありました」
顧客接点の強化では、公式アプリを使った広告配信が重要となる。「将来的にはターゲットを絞った広告による購買促進とともに、お客様の反応を分析し効果測定を取引先(広告主)にフィードバックしたい。課題はPOSデータ、顧客データ、店舗データが統合されていないこと。データ活用基盤づくりにもアドインテの力を借りたいと思っています」(掛井氏)。
ロフト
商品本部 営業企画部 次長
兼 MDオペレーション改革担当
海野幹雄氏
2024年11月、ロフトはパートナーにアドインテを採用。達成目標は新生・梅田ロフト店が誕生する2025年5月とした。
ロフト
商品本部 営業企画部 次長
兼 MDオペレーション改革担当
海野幹雄氏
「従来なら数年を要する内容でした」と海野氏は話し、短期間で目標達成した理由に言及する。「アドインテとのチームワークのたまものです。同社は小売とデジタル技術の両方に精通し、現場やアプリ開発部隊と会話できます。2025年3月に渋谷ロフト・銀座ロフトでPoC(概念実証)を実施し、小さなPDCAをスピーディーに回して納期を厳守できました」。
●図2 「ロフボ」設置例
渋谷・銀座・梅田の旗艦3店舗に導入。行列ができるほどの人気に(画像提供:アドインテ)
アドインテ
リテールメディアDiv.リテールユニット
リテールチーム
太田章平氏
同年5月、サンプリング自動販売機「ロフボ」を渋谷・銀座・梅田3店舗に設置(図2)。コスメ商品を対象にサービスを開始した。ロフボ前には長い行列ができ、ニュースにも取り上げられた。
●図2 「ロフボ」設置例
渋谷・銀座・梅田の旗艦3店舗に導入。行列ができるほどの人気に(画像提供:アドインテ)
アドインテ
リテールメディアDiv.リテールユニット
リテールチーム
太田章平氏
驚くべきはその効果だ。「ロフボ設置店を、ロフトアプリ会員がお気に入り店舗として登録した数が前年対比270%以上※1となりました。会員は2025年6月現在、約900万人。休眠会員の活性化にもつながると思います。またスマホを使って自動販売機からサンプルを入手するという、新しい体験がお客様を引きつけていると考えています」(海野氏)。
アドインテリテールメディアDiv.リテールユニットリテールチームの太田章平氏は「リアル店舗だからできるという視点が大切です。お客様をいかにワクワクさせるか。“ロフトらしさ”ともマッチしていると思います」と指摘する。
ロフボは会員IDと連携し、購買データなどと組み合わせてサンプル入手後の行動も把握することができる(図3)。アドインテ取締役副社長兼COOの稲森学氏は「サンプル取得ユーザー限定のクーポン配信なども、今後実施していきたいと思います。またアンケートを実施することで、定性的・定量的効果の測定も容易に行えます。ばらまきになっていたサンプリングから、その後の様々な施策や購買行動を分析することで取引先にとっても有益なデータとなるはずです」と補足する。
●図3 ロフトのリテールメディア戦略
公式アプリなどのデジタル広告と、店舗に設置するサイネージ広告や「ロフボ」などを組み合わせ、OMO(Online Merges with Offline)を実現。
得られたファーストパーティーデータを分析リポートに活用できる
アドインテ
取締役副社長 兼 COO
稲森学氏
全国直営店舗へのデジタルサイネージ展開も完了した。各店舗の負荷解消、コンテンツの一元管理と迅速な配信を実現。新しい収益の柱として成長させていく。「リアル店舗でデジタルとの接点を増やすことが重要」と嵐氏。リテールメディアでブランド価値の最大化を図る。
アドインテ
取締役副社長 兼 COO
稲森学氏
掛井氏は「すべてはまだ始まったばかり。データ統合もこれからですが、手応えを感じています。店舗の強みとデジタル技術の融合で、お客様一人ひとりとの関係を一層強化していきます」と語る。
体験価値の向上と
効果的な販促支援を提供
株式会社アドインテ